は じ め に
院内感染対策マニュアルに沿って感染対策が確実に行なわれているか検証するための方法に、感染対策ワード
オーディ
ット(以下
オーディ
ット)がある。各部署における感染予防対策の作業実施の有無を数値化して問題点を明確にし、統一した感染予防を実施することが目的である。今回は
オーディ
ットを2回実施し結果の比較、検討をしたのでここに報告する。
方 法
各部署のリンクナースが感染対策ワード
オーディ
ットチェックシートを使用し、感染対策が実施出来ているかを「Yes」か「No」でチェックする。Yesの数/評価数/×100=○%で評価を数値化する。「No」にチェックした箇所に関しては、実施後に各部署の科長に報告、部署内で改善策を検討、改善不可能な問題に関しては、リンクナース会議で検討、会議で解決出来ないことは感染制御チーム、院内感染委員会へ提示し解決していく。
結 果
1回目の
オーディ
ットを実施後、各部署で「No」の項目を検討、改善。改善出来なかった問題点7項目についてリンクナース会議で話し合い解決策を検討した。(表1)会議で解決出来なかった問題に関しては感染制御チームへ提起した。4ヵ月後、2回目の
オーディ
ットを実施しスコアの比較を行なった。全部署の平均スコアは1回目84.6%だったのに対し、2回目の平均は87.8%と上昇した。
考 察
1回目の
オーディ
ット実施後、各部署、リンクナース会議で話し合い、解決策を検討し実施したことで、スコアの平均値が上昇したと考える。項目別、部署別では2回目のスコアが低下しているところもあり、原因として各部署でまだ検討されていなかったり、検討予定であることが挙げられている。しかし、
オーディ
ットの目的である問題点を明確にすることは出来たと考える。また、原因の2つめに一人ひとりの感染予防対策に対する意識の低下があるということが挙げられており、
オーディ
ットを繰り返し行なうことで意識の維持、向上につなげられると考えられる。
結 論
1.統一された解決策を実施したことで、2回目の
オーディ
ットの評価が高くなった。今後も継続していくことが重要。
2.リンクナース会議で解決できなかった問題点は、感染制御チームへ報告し連携をとることが重要。
3.
オーディ
ットをしたことで感染対策の充実を図ることができた。
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