筆者は,1984年10,月アンボン島(インドネシア)のチョウに関する4回目の調査を行なった際,同島の東南約470kmにある
カイ諸島
の小カイ島(Kai Kecil I.)に一週間滞在した.折から乾季の最中で,チョウの発生頭数・種数はきわめて少なく貧果であった.しかしいくつかの興味ある知見が得られたので,乾季の同島におけるチョウ相の一端について報告する.小カイ島に生息するチョウに関しては,今世紀初頭までの調査で,すでにほぼ全容が明らかにされている.それ以降の調査報告は海外文献からも見出すことができなかった.邦人としてはおそらくはじめてのものと思う.
抄録全体を表示