2カ月令の雄鶏を用い,ナトリウムを全く含まない餌で飼養するとともに,このような飼養を始めてから10日目,30日目および60日目に副腎をとり,その組織学的•組織化学的検索を行なった.その結果,ナトリウムの給与を絶った鶏の副腎では,その重量が著しく増大するとともに,特に腺体周辺部の皮質組織において,明るい腺細胞の増殖,アリエステラーゼおよびアルカリ性ホスファターゼの酵素活性度の高まり,コレステロールの減少,類脂質の増大などが認められた.なおこの場合,腺体の中心部にある皮質組織はあまり変らなかった.
このような結果は,鶏の副腎皮質でも腺体周辺部にあるものは,塩類調節ステロイドの生産と関係があることを示すものと思われる.
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