ジアルデヒドデンプン(DAS)中の
カルボニル基
の定量法としては,Wiseらの比色法,Gladdingらのヒドロキシルアミン法,Hofreiterらのアルカリ消費法,Rankinらの水素化ホウ素ナトリウム法などが知られている.著者の一人もさきにWiseらの比色法の改良法を報告した.これらの中で水素化ホウ素ナトリウム法はDAS中の
カルボニル基
を水素化ホウ素ナトリウム溶液によって還元し,水素の消費量から
カルボニル基
含有量を求める方法で,反応が量論的にも明確であるから,比色法などの標準として最も適したものと考えられる.Rankinらの方法に従い,溶解性の異なるDASについて定量を試みたが,原報の反応条件(pH=9)では試料によっては,定量的な還元が行なわれなかった.そこで,著者らは試料の反応液に対する溶解性を考慮に入れて,最適のpH範囲を求め,再現性のよい結果を得た.
DAS中の
カルボニル基
を水素化ホウ素ナトリウム法で定量する場合,反応pH範囲10.7~11.5にし,25℃で,2時間反応することにより,溶解性,原料デンプンの種類などに影響されることなく再現性のよい結果が得られた.
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