(1)佐賀県神埼町四丁目浄光寺の墓地で,1979-81年の3か年にわたってアオバズクの残し餌を,繁殖期の6-8月の3か月間毎日採集した.
(2)その結果は昆虫類40科123種,爬虫類1科1種,鳥類5科5種,哺乳類1科1種であった.
(3)3か年とも残し餌の総数はほとんど変わらないが,アオバズクのひな数が増加したのに応じてわずかに増加した.時期的な数の移り変わりも,この結果とよく一致した.
(4)
カレハガ
•ヤガ•スズメガ•コガネムシ•タマムシ•カミキリムシ•セミの7科が全昆虫類の93-96%を占めた.そしてそれらの昆虫の発生時期と残し餌の季節的変化とは平行していたが,コガネムシ,とくにコフキコガネについては特別な好みがあるのでにないかと考えられた.昆虫類以外ではスズメやツバメなどの鳥類が多く捕えられたが,これはふ化から巣立ちまでの期間に多かった.これらの鳥類は,ひなの成長の初期に良質の蛋白源となっていると考えられる.
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