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4,174件中 1-20の結果を表示しています
  • *原野 あゆ, 道林 克禎
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2023年 2023 巻 T2-P-23
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/10
    会議録・要旨集 フリー

    早池峰超苦鉄質岩体はオルドビス紀に島弧域で形成された岩体であり,岩石学的・地球化学的特徴から背弧的特徴をもつと考えられている(Ozawa, 1984, 1988, 2001; Ozawa & Shimizu, 1995; Yoshikawa & Ozawa, 2007).本研究では,早池峰超苦鉄質岩体

    カンラン
    岩の構造岩石学的特徴を明らかにすることを目的として,野外調査,組織構造観察,結晶方位分析,鉱物主要元素組成分析を実施した.結果として,早池峰岩体
    カンラン
    岩には組織構造と結晶粒径に多様性が認められ,
    カンラン
    石が粗粒(1-2mm)で不規則な粒界をもつ粗粒
    カンラン
    岩と,
    カンラン
    石が中粒(0.3-0.5mm)でやや直線的な粒界をもつ中粒
    カンラン
    岩に分けられた.粗粒
    カンラン岩のカンラン
    石結晶方位ファブリックはOzawa(1989)で報告された(010)[100]すべり系のA-typeまたはAG-typeで相対的に強い集中をもつ(J-index=2.0~4.0).さらに,結晶方位の集中度(J-index)が大きい
    カンラン
    岩はA-typeを示し,集中度が弱くなるとAG-typeに変化していく傾向が確認された.一方,中粒
    カンラン岩のカンラン
    石結晶方位ファブリックは非常に弱く(J-index=1.2~1.3),結晶方位タイプを決定することができなかった.鉱物主要元素組成分析の結果,部分溶融度はA-typeを示す粗粒
    カンラン
    岩,AG-typeを示す粗粒
    カンラン
    岩,中粒
    カンラン
    岩の順に低い傾向があった.本発表では,これらの結果を基にしてその形成過程を考察する.【引用文献】Ozawa K. (1984), Journal of the Geological Society of Japan, 90, 697‒716. Ozawa K. (1988), Contributions to Mineralogy and Petrology, 99, 159‒175. Ozawa K. (2001), Journal of Geophysical Research, 106, 13407‒13434. Ozawa K. & Shimizu N. (1995), Journal of Geophysical Research, 100, 22315‒22335. Yoshikawa M. & Ozawa K. (2007), Gondwana Research, 11, 234–246.

  • *野坂 俊夫
    日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
    2004年 2004 巻 G4-16
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
    会議録・要旨集 フリー
     飛騨外縁帯北東部(長野県白馬村,中部山岳国立公園内)に露出する八方超塩苦鉄質岩体には蛇紋岩マイロナイトが産出する。それはcoherentな片状岩であり,強く定向配列したアンチゴライト基質に
    カンラン
    石がレンズ状に挟まれ,透輝石,緑泥石,磁鉄鉱を伴う。三郡帯に産する普通の蛇紋岩に比べて蛇紋石の含有量が少ない。
    カンラン
    石は3つの異なる産状:porphyroclast,細粒neoblast,およびそれらを貫く細脈状部,を呈する。細脈状
    カンラン
    石は磁鉄鉱を包有し,Fo値が高く,組成がばらつくという特徴から,蛇紋石の脱水反応で生じたものと考えられる。その分布から判断して花崗岩の貫入による熱変成作用の産物であろう。一方,他の2種の
    カンラン
    石は磁鉄鉱を包有せず,比較的Fo値も低いので,蛇紋石の分解生成物ではない。
    カンラン
    石neoblastはporphyroclastと同様かつ均質な化学組成を持っているので,粒径減少を伴う再結晶作用の産物であろう。 蛇紋岩マイロナイトはしばしば塊状
    カンラン
    岩:
    カンラン
    石,トレモラ閃石,および少量の緑泥石と斜方輝石などから成る,を取り囲むように産する。塊状
    カンラン
    岩中のトレモラ閃石は局所的に透輝石と蛇紋石に置換されており,不透明鉱物を包有せず,本岩体の接触変成帯で
    カンラン
    石と共存するものに比べてMg/Fe比が低い。蛇紋岩マイロナイトには常に
    カンラン
    石が産するが,その組成は塊状
    カンラン
    岩中のものと同じであり,アンチゴライトと同時に生成したものは認められない。一方,透輝石はAlやCrに乏しく,アンチゴライトと共に生じたものと思われる。また定向性アンチゴライト/透輝石モード比が3を越えることは少ない。以上の事実から,この蛇紋岩マイロナイトは,
    カンラン
    石 + アンチゴライトが安定な温度条件下での,
    カンラン
    石 + トレモラ閃石の加水分解,即ち比較的高温(400-600℃)での蛇紋岩化作用と同時に形成されたものと考えられる。 蛇紋岩マイロナイト中の
    カンラン
    石neoblastは格子定向性を持ち,しばしば顕著な伸長線構造を示す。そのファブリックは(010) [001]をすべり系とする塑性変形によって形成されたようである。このことは蛇紋岩化作用に先立ち,より高温での塑性変形によって
    カンラン
    岩マイロナイトが形成されたことを意味する。
    カンラン
    石neoblastは塊状
    カンラン
    岩でも認められることがあり,そのような岩石では粗粒
    カンラン
    石のサブグレイン化も著しい。
    カンラン
    石の粒径減少を伴う再結晶は,塊状
    カンラン
    岩でもある程度進行したようである。その
    カンラン
    岩中のトレモラ閃石は弱い定向性を示し,またAlに乏しい割にNaに富む点で一般のprogradeトレモラ閃石と異なっており,
    カンラン
    石の再結晶と同時に後退的に生じた可能性が高い。
    カンラン
    石のファブリック,トレモラ閃石のAl量,および共存鉱物組み合わせから推定される
    カンラン
    岩マイロナイトの生成温度は,およそ700-800℃である。 本岩体には2回のマイロナイト化作用が認められるが,初期に生じた剪断帯に,選択的に後期マイロナイトのoverprintがなされたようである。おそらく
    カンラン
    岩のマイロナイト化による透水性の増大が,蛇紋岩化作用を促進したためだろう。
    カンラン
    岩マイロナイトと蛇紋岩マイロナイトの生成温度条件にはギャップがある一方,両者には,蛇紋岩化後に幾分乱されているものの,共通の面構造が発達しており,それは隣接する高P/T型結晶片岩の片理のトレンドと調和的である。これらのマイロナイトは岩体の定置テクトニクスに関連したepisodicな塑性流動によって形成されたものと考えられる。
  • *佐藤 冬樹, 笹 賀一郎, 間宮 春大, 福澤 加里部, 堀井 勇司, 杉本 記史
    日本森林学会大会発表データベース
    2017年 128 巻 P2-194
    発行日: 2017/05/26
    公開日: 2017/06/20
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】超苦鉄質岩石

    カンラン
    岩を基岩とする森林流域における降雨時および融雪期の流出特性について隣接する非
    カンラン
    岩流域と比較した。また、土壌水および河川水の化学分析結果を使って流出解析をおこなった。【方法】
    カンラン
    岩・非
    カンラン
    岩流域の森林を流れる河川に圧力式水位計(メテオ電子)を設置するとともに、別途作成した水位-流量曲線より流量を求めた。また、降雨流出時にはオートサンプラー(ISCO社)による河川水と、テンションフリーライシメーターによる土壌浸透水を採取し化学分析に供した。【結果】
    カンラン岩流域と非カンラン
    岩流域の降雨時流出を比較すると、流出状況には大きな違いが認められた。例えば、日降水量約50mmの降雨時における
    カンラン
    岩流域河川では最大流量観測後に流量は急激に低下して一日でほぼ降雨前の流量に戻ったのに対し、非
    カンラン
    岩流域河川は流量の減少は緩やかで4日を経過しても降雨前の流量には戻らなかった。また、最大比流量も
    カンラン
    岩流域河川の6.9l/s/haに対して、非
    カンラン
    岩流域河川では1.3l/s/haと約5倍の流量差が見られた。この違いは流域内部における降雨の流出経路に由来すると考えられた。

  • 佐藤 博明, 坂野 昇平
    火山.第2集
    1983年 28 巻 2 号 141-156
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2018/01/15
    ジャーナル フリー
    四国北東部の中新世高マグネシア安山岩及びそれに伴なう玄武岩-安山岩-サヌカイト中の
    カンラン
    石斑晶の化学組成の記載をおこなった.
    カンラン
    石は正の累帯構造を示し, 一般に中心部でFo量88~90%.NiO量0.15~0.51 wt.%の組成を有する.NiO-Fo図上で
    カンラン
    石の4つの組成トレンドが識別された.I型
    カンラン
    石は中心部で高いNiO量(0.40~0.51 wt.%)を持ち, 周辺に向けFo量の減少と共にNiO量が急速に減少する.このような
    カンラン
    石の組成変化は, 初生マグマからの局所平衡を保った
    カンラン
    石の分別結晶作用で矛盾なく説明される.II型
    カンラン
    石は中心部で低いNiO量(0.15~0.30 wt.%)を持ち, 周辺に向ってFoが減少してもNiO量はそれほど減少しない傾向を有する.一方, 組成プロファイルからII型
    カンラン
    石は2種に分けられる.サヌカイト中のII型
    カンラン
    石は周辺部でのみFo量について急な組成勾配を持っているが, これはMgに富む比較的均質な
    カンラン
    石と, 分化の進んだサヌカイトマグマ間の反応・元素の拡散によって形成されたと考えられる.玄武岩及び高マグネシア安山岩中のII型
    カンラン
    石は周辺に向けFo量, NiO量共にゆるやかに減少する組成プロファイルを有し, これは液と
    カンラン
    石間の非平衡なNi分配によって生じた可能性が強い.III型とIV型の
    カンラン
    石は一つの高マグネシア安山岩中に共存して産する.III型
    カンラン
    石は, 中心と周辺の中間部でNiO量の極大を示し, IV型
    カンラン
    石は中心で高いNiO量(0.40 wt.%)と低いFo量(81~82%)を有する.IV型
    カンラン
    石は高Ni, 高Feマグマから晶出したと考えられ, 一方, IV型
    カンラン
    石は, そのような高Ni, 高Feマグマと通常の初生マグマの混合の際晶出したものと考えられる.
  • *山口 佳昭, 小林 純子
    日本鉱物科学会年会講演要旨集
    2007年 2007 巻 G5-05
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/09/02
    会議録・要旨集 フリー
    最近,浅間火山天明噴火の末期に放出された
    カンラン
    石メガクリストを見いだした.一般的に軽石の中に含まれる普通の
    カンラン
    石斑晶と比較する.この2つのタイプの
    カンラン
    石の起源とマグマ中での滞在履歴の違いをもとに,マグマ混合の制約条件を提示する.2つのタイプの
    カンラン
    石について,それぞれの反応縁の厚さと累帯構造プロファイルが示すフェルシックマグマ中での滞在時間は,
    カンラン石メガクリストでは普通のカンラン
    石斑晶よりも3-4桁も長い.これをもとに,天明噴火の時期に火山体直下のフェルシックマグマたまりへ注入し混合して噴出物をつくったマフィックマグマの履歴とタイミングを考察する.
  • *竹之内 惇志, 三河内 岳, 山口 亮
    日本鉱物科学会年会講演要旨集
    2015年 2015 巻 R5-16
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/01/15
    会議録・要旨集 フリー
    火星隕石中の
    カンラン
    石は強い衝撃により黒色化すると言われているが、その詳細な着色過程や条件は不明な点が多い。これまでの我々の研究では
    カンラン
    石の黒色化は高圧相転移に伴い引き起こされるという証拠が得られてきた。今回の顕微ラマンによる分析ではTissint隕石中
    カンラン石のわずかに着色した領域に見られるラメラ組織と他の強い衝撃を受けた火星隕石中の黒色カンラ
    ン石において、ラマンシフトの650 ~ 680cm-1に普通の
    カンラン
    石には見られないピークが見られた。それらは
    カンラン
    石高圧相や高圧相から低圧相へ戻る際に見られるピークであり、黒色
    カンラン
    石が高圧相転移を経験していることを示唆している。黒色
    カンラン
    石を含む火星隕石は高圧鉱物をあまり含まないが、一度は隕石全体として高圧相転移をするような温度圧力条件を経験している可能性があり、高圧鉱物は減圧後の高温により低圧相に戻ってしまったと考えられる。
  • *栗原 大地, 三河内 岳
    日本鉱物科学会年会講演要旨集
    2007年 2007 巻 G6-18
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/09/02
    会議録・要旨集 フリー
    NWA2737はChassignyに次ぐ二番目のシャシナイトとして近年新たに発見された火星隕石である.岩石学的にはDuniteに分類され,90%の
    カンラン
    石を含む.NWA2737の
    カンラン
    石には薄片上で茶色部分(VB olivine)と無色部分(VC olivine)とが存在する.VB olivineには直径10-20nm程度のFe-Ni粒子が存在し,これが茶色を呈する原因と考えられている.NWA2737と同様に茶色の
    カンラン
    石を持つ隕石には,LEW88516などがあり,火星隕石一般に広く見られる.これらの
    カンラン
    石の呈色の原因は未だ明らかにされていない.LEW88516をTEMで観察したところ,NWA2737と同様の鉄のnanoparticleが確認された。LEW88516の
    カンラン
    石が茶色を呈する原因は,NWA2737と同じく鉄のnanoparticleであると考えられる.
  • *村江 達士, 堀江 賢一
    日本地球化学会年会要旨集
    2005年 52 巻 1D01
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/02/28
    会議録・要旨集 フリー
    アジェンデの隕石中の主な炭素系物質と
    カンラン
    石の間の相関性を、顕微レーザー・ラマンの技術によって検討した。その結果、次のことが明確にされました:(1)マトリックスでは、主な炭素質化合物はほぼ一定の分子の大きさを持った石墨の炭素である。(2)マトリックスでは、
    カンラン
    石の組成はほとんど一定で、FeOに富んでいる。(3) マトリックスでは、炭素系物質はほとんどすべて
    カンラン
    石と共存する。(4) コンドリュールの中でも炭素系物質は
    カンラン
    石と共存する。(5) コンドリュールでは、炭素系物質と共存する
    カンラン
    石はほとんど純粋なホルステライトである。(6) コンドリュールのリムでは、炭素系物質の分子の大きさは非常に変化する。(7) 同様に
    カンラン
    石の組成も、リムで非常に変化する。(8) コンドリュールのリムでは、炭素系物質の位置と
    カンラン
    石の位置の間で相関性は観察されない。
  • *佐藤 冬樹, 福澤 加里部, 笹 賀一郎, 間宮 春大, 長坂 晶子, 長坂 有, 逢山 康宏, 杉本 記史
    日本森林学会大会発表データベース
    2014年 125 巻 P2-148
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/16
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】北海道日高山脈南部の
    カンラン
    岩流域(アポイ岳:針葉樹林)、および隣接する非
    カンラン
    岩流域(白亜紀~古第三紀堆積岩:針広混交林)における比較研究をもとに、森林形態の違いが流域から沿岸域への物質フローに与える影響や、沿岸域における生物資源におよぼす効果について、「山地-耕地-沿岸域」の中で明らかにしようとするものである。【方法】アポイ岳周辺の小河川において月一回の水質に関する広域調査をおこなうとともに、
    カンラン
    岩流域、および非
    カンラン
    岩流域にそれぞれ2流域、計4流域に水位計と自動採水器を設置し、流量(通年)と水質(降雨期・融雪期)の連続観測をおこなった。森林流域からの物質フローの観測項目は、有機・無機イオン・溶存金属・溶存炭素等である。【結果】
    カンラン
    岩はFeやMg等の含有量が高いが、平水時および渇水時における
    カンラン
    岩流域河川水中の溶存Fe濃度は総じて低く、地質との関係は不明瞭であった。一方、降雨出水時には溶存Fe濃度は両流域で上昇したが、上昇の程度は
    カンラン
    岩流域で大きかった。この時のFe濃度は、DOC濃度とよく似た時間変化パターンを示し、有機物と結合して流出していることを示唆していた。
  • 田崎 耕市
    地球科学
    1966年 1966 巻 84 号 14-25
    発行日: 1966/05/30
    公開日: 2017/07/25
    ジャーナル オープンアクセス
    北関東山地三波川変成帯の西縁では,同変成岩中にいくつかの超塩基性岩が迸入している.このうち,最大のものは,下仁田町南方の黒内岩体で南北2km,東西1kmの規模で露出している.同岩体は単斜輝石
    カンラン
    岩で,顕著な層状構造は認められない.この他に小規模な岩体が,青倉,弁天沢・土屋沢などに露出する.これらの小岩体は,比較的,輝石にとんでおり,一部には,斜方輝石をふくむものもある.もっとも一般的な鉱物組合わせは,
    カンラン
    石+単斜輝石+褐色角閃石+クロム鉄鉱である.
    カンラン
    石は,Fo. 83〜85であり,単斜輝石はAlをおおくふくむ透輝石である.この種の超塩基性岩は,一般の"アルプス型
    カンラン
    岩"にくらべて,やや鉄にとんだ
    カンラン
    岩層の部分熔融の結果生じたものであろう.
  • ★「日本地質学会学生優秀発表賞」受賞★
    *松山 和樹, 道林 克禎
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2023年 2023 巻 T2-P-21
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/10
    会議録・要旨集 フリー

    幌満

    カンラン岩体は多様な変形微細組織と軽微な蛇紋岩化作用で特徴づけられる大規模カンラン
    岩体である。同岩体から産する
    カンラン
    岩は最上部マントルの化学組成と一致することが明らかにされており、マントルプロセスを解明するための研究が多数行われてきた(Takazawa et al., 1999; Ozawa, 2004; Morishita and Arai, 2003など)。しかしながら、岩体全体の変形構造に着目した研究は少なく(Niida, 1975a; Sawaguchi, 2004など)、同岩体の変形・上昇過程については未だよく理解されていない。そこで本研究は、幌満
    カンラン
    岩体の変形構造と地震波特性を明らかにすることを目的として、
    カンラン
    石と直方輝石の結晶方位ファブリック(粒径分布、結晶方位定向配列など)の解析とそれを基にした地震波特性の計算を行った。岩体上部から下部にかけて採取した定方位
    カンラン
    岩試料について、
    カンラン
    石と直方輝石の平均粒径、構造強度(J-index)、結晶方位定向配列(CPO)を測定した。
    カンラン
    石の平均粒径はおよそ500 µm未満、直方輝石の平均粒径はおよそ600 µm 未満であった。
    カンラン
    石のJ-indexは1.5~4.6程度の値で、岩体下部から上部にかけて値が減少する傾向を示した。一方直方輝石のJ-indexは1.3~3.6程度で、系統的な変化はなかった。
    カンラン
    石の結晶方位ファブリックとしてE、A、AG の3つのタイプが確認され、岩体下部から上部にかけてこの順での分布を示した。直方輝石の結晶方位ファブリックについてAC、ABC、BCの3つのタイプが確認されたが、
    カンラン
    石のような系統的な分布は確認されなかった。 Sawaguchi (2004)の結果と合わせて岩体下部でEタイプの
    カンラン
    石結晶方位ファブリックが確認されたことは、岩体最下部での局所的な水の流入イベントがあったことを示唆する。さらに、
    カンラン
    石と直方輝石の結晶方位ファブリックと弾性定数から計算された地震波速度を岩体全体で比較した結果、岩体下部から上部にかけてP波速度異方性が減少すること、P波速度の方位異方性が変化することが明らかとなった。引用文献:Morishita, T., Arai, S., 2003. Evolution of spinel-pyroxene symplectite in spinel-lherzolites from the Horoman Complex, Japan. Contributions to Mineralogy and Petrology 144 (5), 509–522.Niida K., 1975a. Texture and olivine fabrics of the Horoman ultramafic rocks, Japan. J. Japan Assoc. Min. Petr. Econ. Geol. 70, 265–285.Ozawa, K., 2004. Thermal history of the Horoman peridotite complex: a record of thermal per-turbation in the lithospheric mantle. J. Petrol. 45, 253–273.Sawaguchi, T., 2004. Deformation history and exhumation process of the Horoman Peridotite Complex, Hokkaido, Japan. Tectonophysics 379, 109–126.Takazawa, E., Frey, F. A., Shimizu, N., Saal, A. and Obata, M., 1999. Polybaric petrogenesis of mafic layers in the Horoman Peridotite Complex, Japan. J. Petrol. 40, 1827–1851.Toyoshima, T., 1991. Tectonic evolution of the Hidaka metamorphic belt and its implication in late Cretaceous –Middle Tertiary tectonics of Hokkaido, Japan. Sci. Rep. Niigata Univ., Ser. E: Geol. Mineral. 8, 1–107.

  • *董 文昭, 纐纈 佑衣, 道林 克禎
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2023年 2023 巻 T2-P-16
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/10
    会議録・要旨集 フリー

    クラトンは、地球の大陸リソスフェアの安定した古く厚い領域であり、古い岩石で構成されている。地殻変動はほとんどなく、しばしば大きな盾のような形状を特徴とする。クラトンの安定性と地質学的特性は、キンバーライトパイプの形成と保存に適切な条件を提供している。クラトン中の炭素に富むマントル物質は減圧融解を受け、キンバーライトマグマが形成され、最終的にキンバーライトが生成される。 本研究では、キンバーライトゼノリスのかんらん岩を分析対象とする。これらは主に

    カンラン
    石で構成されている。そして、本研究では
    カンラン
    石の赤外分光分析を行い、粒子中の含水量マッピングを作成し,かんらん岩の変形との関連性を検証することを目的とする。 先行研究によると、
    カンラン
    石は基本的に無水鉱物であるが、結晶構造の欠陥中に少量のO-Hが存在する(Bell & Rossman, 1992)。このppmオーダーの少量のO-Hは、
    カンラン
    石中の「水」と呼ばれる。そして,
    カンラン
    石粒子中の「水」は上部マントルの物理的性質に影響を与える(Jung & Karato, 2001)。 予備実験により、両面研磨薄片の最適な厚さは100-200μm(±30μm)であることが明らかになった。レーザーラマン分析により、
    カンラン
    石粒子を分析した結果、856cm-1と824cm-1に特徴的なピークを示した。ラマン分光分析で
    カンラン
    石粒子を分析した後、FT-IRによる分析を行った。3200-3800cm-1波数の領域を観察することにより、蛇紋岩化の影響を排除するとともに、O-Hピークを持たない
    カンラン
    石粒子は除外した。その後、これらの "純粋な "
    カンラン
    石粒子に対してFT-IRマッピングを行い、数百から数千のスペクトルデータを取得した。これらのデータは、Matlabを用いてアルゴリズム解析し,Matveev & Stachel (2007)の計算式を用いて含水量を可視化した。 その結果、
    カンラン
    石の含水量は60-220ppmであることが明らかになった。また,マッピングを作成することで,
    カンラン
    石粒子内の含水量の分布が直感的にわかるようになった。さらに本研究では、
    カンラン
    石の組織と含水量を対比させ、パターンを見出そうとしている。 Reference 1. Bell, David R., and George R. Rossman. “Water in Earth’s Mantle: The Role of Nominally Anhydrous Minerals.” Science 255, no. 5050 (1992): 1391–97. 2. Jung H, Karato S. Effects of water on dynamically recrystallized grain-size of olivine[J]. Journal of Structural Geology, 2001(23):1337-1344. 3. Matveev S. FTIR spectroscopy of OH in olivine: A new tool in kimberlite exploration[J]. Geochimica et Cosmochimica, 2007(71).

  • *水上 知行, Wallis Simon
    日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
    2004年 2004 巻 G4 P-10
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/08/04
    会議録・要旨集 フリー
    近年の変形実験によって、
    カンラン
    石格子定向配列(LPO)の多様性が、H2O量、差応力など変形の物理条件に依存することが明らかになった。
    カンラン
    石LPOの多様性がマントルの物理条件を映すとすれば、天然のLPO変化から変形の場の変化、すなわちテクトニックな環境の変化を読み取ることができるかもしれない。特に岩石の粘性率に強く影響するH2O含有量は、マントルダイナミクスにとって重要な情報である。広域的な露出を持つアルプス型
    カンラン
    岩体は、歪の不均質のために古い変形構造を保持している場合が多い。そのため、詳細な観察によって、
    カンラン
    石LPOの変遷を読み取る研究が可能である。ここでは四国三波川帯、東赤石
    カンラン
    岩体を例として取り上げ、LPOの変化を整理し、物理条件の変化について考察する。 東赤石
    カンラン
    岩体はおもにダナイト、ウェルライトから成り、一部にザクロ石
    カンラン
    岩を含む層状岩体である。東赤石岩体の変形史は、D1、D2、D3、D4の4つの変形段階からなり、ここでは強い
    カンラン
    石LPOを伴うD1変形とD2変形に注目する。 D1の変形構造は、平均粒径0.6mmの
    カンラン
    石伸長粒子の形態定向配列によって定義され、ほぼ等粒状の組織を示す。このD1
    カンラン
    石は微細包有物をほとんど含まない。D1
    カンラン
    石の結晶軸集中は、b軸が面構造(S1)に垂直方向に単一集中を示し、a軸、c軸は面構造内にガードル分布するパターンを示す。a軸は鉱物線構造(L1)に平行方向に弱い軸集中を持つ。このa軸集中はタイプAと呼ばれるパターンに一致する。 D2の変形構造は、細粒ネオブラストと粗粒で微細包有物を多量に含むポーフィロクラストからなるポーフィロクラスティック組織が特徴である。面構造・伸長線構造は平均粒径0.1mmの
    カンラン
    石ネオブラストの形態定向配列で定義される。D2
    カンラン
    石ネオブラストの結晶軸集中は、b軸が面構造(S2)に垂直方向に集中し、c軸が鉱物線構造(L2)に平行方向に集中するパターンである。a軸が線構造に対して垂直方向を向く点が大きな特徴である。このLPOはタイプBと呼ばれるパターンに一致する。 東赤石岩体のD2変形は、D1粒子を動的再結晶作用によって細粒化させる形で広域的に起こっている。この変形段階の移行によって、タイプAからタイプBへと
    カンラン
    石LPOが変化する。任意の温度において、タイプAは低差応力・低含水量の条件で、タイプBは高差応力・高含水量の条件で卓越するLPOパターンである。D2変形(タイプB形成)と同時の(1)等温昇圧の温度圧力変化と、(2)H2Oに富み、差応力の強い物理条件は、沈み込み境界付近の環境を強く示唆する。それに先行するD1は、岩体が沈み込み境界に近づく前の条件を反映しているに違いない。D1変形の
    カンラン
    石LPOから推定される、H2Oに乏しく低差応力の環境としては、(1)沈み込み開始前のマントルリソスフェアか、(2)マントルウェッジ内の沈み込み境界から離れた場所、の二つの可能性が考えられる。いずれにしても、東赤石岩体に見られる
    カンラン
    石LPO変化は沈み込み帯深部の環境の違いを反映している例として興味深い。
  • *武田 弘, 大槻 まゆみ, 石井 輝秋, 山口 亮, 井上 真治
    日本鉱物科学会年会講演要旨集
    2007年 2007 巻 G6-16
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/09/02
    会議録・要旨集 フリー
    ユレイライトは
    カンラン
    石とピジョン輝石(Pig)よりなり粒間に炭素質脈のある隕石である。北西アフリカ産のユレイライトの一つ、NWA4507に三相共存の輝石があるのを発見したので報告する。薄片は粗粒の
    カンラン
    石と輝石の粒間を炭素脈が埋める典型的なユレイライトの組織を持つ。
    カンラン
    石の組成はFo79-82、ピジョン輝石の組成はFs19Wo10である。
    カンラン
    石の大きな結晶の一つには、0.26X0.20 mmの小さな楕円形のPigの包有物があり、その厚いリムには高Ca 輝石(Fs14Wo35) と低Ca輝石 (Fs17.3Wo4.8)が複雑な形状で分布する。別の
    カンラン
    石中には小さな楕円形の低Ca輝石(Fs18.5Wo4.6)がある。南極隕石や砂漠隕石の中にOpxとPigおよびOpxやAugを含むものまで発見された。NWA4507中の輝石は両グループを繋ぐものとして有用であろう。
  • 植物研究雑誌
    1932年 8 巻 1 号 論文ID: 8_1_1037
    発行日: 1932/01/25
    公開日: 2023/04/05
    ジャーナル フリー
  • *三河内 岳, 山口 亮
    日本鉱物科学会年会講演要旨集
    2017年 2017 巻 R5-13
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/01/16
    会議録・要旨集 フリー
    Asuka 12209アングライト(Asuka-881371とペア)には最大4 mmに達する
    カンラン
    石外来結晶が含まれている。これらの外来結晶は均質なコア組成を持つが、その組成は粒子ごとに異なる(Fo90-83)。今回、
    カンラン
    石中に含まれる微小な包有物を調べたところ、Fe-Ni金属が含まれることを発見した。このことは、酸化的な特徴を示す石基部分とは異なり、
    カンラン
    石外来結晶が還元的な環境下で形成されたことを示している。
    カンラン
    石中のFe/MgとFe/Mn比を調べたところ、外来結晶には両者に比例関係が見られたことから、元々Mgに富んだ
    カンラン
    石が様々な度合いの酸化を受けたことが示唆される。また、いくつかの
    カンラン
    石外来結晶には各種の変形組織が見られ、衝撃変成により形成された可能性がある。この場合、強い衝撃変成によりショックメルトが形成され、その中に衝撃変成度合いの異なる外来結晶が取り込まれた後に、石基が結晶化したことになる。しかし、その他の可能性として、
    カンラン
    石外来結晶の変形組織が母天体中マントルで形成されたことも否定できない。
  • 椚座 圭太郎
    岩石鉱物鉱床学会誌
    1982年 77 巻 5 号 157-170
    発行日: 1982/05/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    三波川変成帯の変蛇紋岩岩体である竜門
    カンラン岩体のカンラン
    石は,アンチゴライト+ブルース石→2カンラ石+3H2Oの反応によって形成され,しばしばFe・Mn・Niに富むコアとMgに富むリムからなる累帯構造を示す。 MnはNiと比較してコアからリムに向ってより急激に減少する。
    カンラン
    石・アンチゴライト・ブルース石の組成関係は,温度の上昇に伴って
    カンラン
    石がアンチゴライトとブルース石から表面平衡を保ちっっ分別晶出することによって累帯構造が形成されたことを示している。 MnがNiに比べて急激に減少するという特徴は,アンチゴライトと
    カンラン
    石あるいはブルース石と
    カンラン
    石のMn-Mgの分配係数がNi-Mgのそれよりも小さいという事実で説明される。このタイプの累帯構造は,蛇紋岩の累進変成作用で形成される
    カンラン
    石の特徴かもしれない。累帯構造は,低変成度の変蛇紋岩岩体においても,局所平衡が維持されていたことを示唆する。
  • *別府 優篤, 中牟田 義博, 中村 智樹, 関根 利守
    日本鉱物学会年会講演要旨集
    2004年 2004 巻 k09-20
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/03/10
    会議録・要旨集 フリー
    Uchizono et al .(1999) は合成
    カンラン
    石を用いた実験を行い,
    カンラン
    石の格子歪みと衝撃圧の間に比例関係があることを見出し,
    カンラン
    石の格子歪みが衝撃圧の定量的推定に使えることを示した.今回,Uchizono et al .(1999) と同じ合成
    カンラン
    石試料で衝撃継続時間が長い衝撃実験を行い,格子歪みに対する衝撃継続時間の効果を検討した.今回得られた格子歪みと衝撃圧の関係を示す直線のslopeは,Uchizono et al .(1999) より大きく,衝撃継続時間が長くなると同じ衝撃圧でも格子歪みが大きくなり,実際の隕石で推定された衝撃圧と格子歪みの関係に近づくことがわかった.
  • *栗原 大地, 三河内 岳, 猿渡 和子, 亀田 純, 山口 亮, 関根 利守, 宮本 正道
    日本鉱物科学会年会講演要旨集
    2008年 2008 巻 R9-16
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/04/07
    会議録・要旨集 フリー
    NWA2737は薄片上で茶色を呈する
    カンラン
    石を含むことが知られており、その原因は
    カンラン
    石中に含まれる直径10 nm程度のFe-Ni金属粒子であるとの報告が近年なされている。茶色い
    カンラン
    石は多くの火星隕石に見られる現象であり、我々のグループでは金属粒子に着目した分析をそれらの隕石について行った。その結果ALH77005,Y000097には直径10-20 nmのFe-Ni金属粒子が、LEW88516,LAR06319にはやはり直径10-20 nmのマグネタイト粒子が存在している事が明らかになった。マグネタイト粒子もFe-Ni金属粒子と同様に
    カンラン
    石の着色を説明しうるものである。また、粒子の形成過程を検証するために
    カンラン
    石の衝撃実験を行った。その結果
    カンラン
    石を酸化的条件で加圧するとマグネタイト粒子が、還元的条件で加圧するとFe-Ni金属粒子が形成されるという結果が得られた。
  • *佐藤 冬樹, 笹 賀一郎, 福澤 加里部, 長坂 晶子, 長坂 有, 間宮 春大, 上浦 達也, 堀井 勇司, 杉本 記史
    日本森林学会大会発表データベース
    2016年 127 巻 P2-218
    発行日: 2016/07/08
    公開日: 2016/07/19
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】超苦鉄質岩石である
    カンラン
    岩の森林流域より流出する物質フローについて、「森と海のつながり」の観点から調べている。調査地である北海道アポイ岳は海岸付近に位置し、山腹は針葉樹で被われ、その沿岸域は高品質コンブの生産で知られている。本報告では、降雨流出時の河川水中の水溶性有機物(DOC)およびFe・Al濃度の季節変化について述べる。【方法】
    カンラン
    岩・非
    カンラン
    岩の森林流域に圧力式水位計と自動採水器を設置し、2012~2015年にかけて降雨流出時の水質を4時間毎に測定し、DOC・Fe・Alの季節変化を調べた。【結果】調査流域からのDOC・Fe・Alの溶出は降雨流出時に主に認められた。DOC濃度は両流域とも夏季(7・8月)に濃度が高く、秋~初冬季(10~12月)に向けて低下していった。Fe・Al濃度は
    カンラン
    岩流域ではDOC濃度の高い夏季よりも秋(10月)に高い濃度を示したが、非
    カンラン
    岩流域では濃度が低く季節変化は明瞭ではなかった。
    カンラン
    岩流域におけるDOCとFe・Alのモル比(Al+Fe)/DOCは秋季で0.055となり、夏季(0.015)より高く秋季のDOCの重要性が示唆された。本研究は日本学術振興会科学研究費助成事業(基盤研究(B))の助成を受け実施した。
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