本研究では, 一側性難聴者の自己開示の実態, 日常生活において対人関係の中でどのような感情を抱いているのかを明らかにするために, ソーシャルネットワーキングサービスを利用した調査を実施し, 135名の一側性難聴者から回答を得た。自己開示の実態については, 自己開示の有用性について理解していても, 開示しにくい背景があるということが分かった。その理由として, ネガティブな感情や, 周囲の理解不足があると考えられる。聞こえに関する問題だけでなく, 対人関係の中から生じる心理的問題も抱えている現状が示唆された。また, 自由記述より, 一側性難聴者同士が悩みや不安を共有し合うピア・カウンセリングの有用性が示唆された。聞こえの問題から二次的に生じる問題, 特に対人関係の中から生じる心理的問題やその実態など, 一側性難聴への理解を深め, 支援を行っていく必要があると考えられる。
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