スチュワーデスは航空機という限られた空間と時間の中で多種多様な仕事をこなさなければならない現状にある。最近, スチュワーデスの腰痛の問題が労働災害として表面化し, 作業空間の改善が求められているところである。そこで本研究ではスチュワーデスの主な作業空間であり, 航空機内の台所と言われる
ギャレー
空間の再構築を目的に, スチュワーデスの作業内容や
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空間の特徴を調べた。さらに住宅用の台所との比較を通して, 人間工学的な考察を行った。その結果,
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空間は調理や洗浄をしないこと, 一度に何十人もの食事を準備すること, 狭い空間の中に膨大な量の搭載品を収納していることなどから, 台所というよりはむしろ収納室に近い空間であることがわかった。また,
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空間は十分な作業領域と十分な通路領域が確保できないほどの狭い空間であった。さらに
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空間はその構成要素の一つであるカートの出し入れによって, 空間的大きさが刻々と変化することが分かった。最後に本研究によって得られた知見をもとに, 今後の研究課題を示した。
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