使用が許可されている食用タール色素 (FD) 11種類を, アイソクラティックな系でイオン対高速液体クロマトグラフィーにより一斉分析する方法を確立した. FDを添加した試料 (清涼飲料水) をポリアミドカラムで前処理し, 分析して得られた回収率は, 89.0%以上であった. また本法による試料中の各FDの定量限界は, R-106, B-2, Y-4及びY-5は0.05μg/g, B-1, R-2, R-3, R-102及びR-104は0.10μg/g, G-3及びR-105は0.20μg/gであった. 本分析法は, 高価なグラジェントポンプを使用することなく, 1種類の移動相で11種類のFDを分析でき, 日常の検査業務に適した方法であると考えられる.
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