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クエリ検索: "グランドバッサ郡"
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  • 神田 浩路, 吉田 貴彦
    国際保健医療
    2020年 35 巻 4 号 247-257
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2021/03/16
    ジャーナル フリー

    目的

      旭川医科大学(以下「本学」)では2008年度よりJICA課題別研修「アフリカ地域 地域保健担当官のための保健行政」を7週間にわたり実施しており、これまで22か国132名の研修員が参加した。今回、彼らが各国の現場に戻り、研修を通じて得た知識技術をどの様に活用しているかを確認し、各現場にて直面している問題に対して今後どの様な研修プログラムの提供が必要かを検討するため、アフリカ3か国を訪問してインタビューを実施した。

    方法

      2019年2月にケニア、マラウイ、リベリアの3か国を訪問して元研修員と直接面談、または電話によるインタビューを実施した。3か国の該当者29名中、面談できた者は15名、電話によるインタビューは6名、連絡がつかなかった者は8名であった(うち5名の所在は判明)。

    結果

      本学が提供した講義実習で特に有益で現場に還元できたものは、「Project Cycle Management」「母子保健関連講義・実習」「地域保健センターの訪問」「産廃処理関連の講義・施設見学(上下水処理を含む)」「学校保健」「遠隔医療」「5S-KAIZEN」等であった。一方、現在、現場が直面する問題及び今後の研修企画において必要なことには、「UHC達成に係る取り組み及び日本の技術・経験の共有」「保健システム強化(特に国と地方のつながりや病院機能の強化)」「災害医療・マネジメント」「非感染性疾患対策」「保健人材のキャパシティ・ディベロップメント」等が挙げられた。

    考察

      本研修は10年以上にわたり実施しているが、現地を訪問してインタビューを実施したことで日本の保健活動や環境衛生、保健事業の企画立案や評価等の研修内容が現地の実情にあわせて活用されていることが確認された。また、アフリカの保健行政担当官は多様な場面でのマネジメント能力が求められ人材育成に苦慮している状況や、アフリカの国々の間の連携の必要性と課題をより明確に確認できた。さらに、研修受託機関の研修担当者が訪問することで、彼らや同僚らの業務に対するモチベーションが向上する効果も確認された。よって、現地を訪問して行うフォローアップ調査は有効であり、本邦で実施される課題別研修のPDCAサイクルに導入されることが望まれる。

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