1998年4月から2000年4月に島原半島沖の有明海で漁獲されたマゴチ603尾とヨシノゴチ263尾について, 耳石薄片標本により年齢と成長の解明を試みた。耳石輪紋形成時期は両種とも年1回, マゴチでは6~7月, ヨシノゴチでは4~5月であり, いずれも産卵期にほぼ一致し, 輪紋数は年齢を示すと考えられた。満年齢時における両種の雌雄別逆算全長をもとに, 非線形最小二乗法を用いて, von Bertalanffyの成長式をあてた結果, t歳における全長L
tは次式で表された。
マゴチ
雄: L
t=458.26 (1-exp (-0.417 (t+0.439) ) )
雌: L
t=728.44 (1-exp (-0.192 (t+0.978) ) )
ヨシノゴチ
雄: L
t=469.72 (1-exp (-0.215 (t+3.008) ) )
雌: L
t=657.45 (1-exp (-0.267 (t+1.076) ) )
両種とも, いずれの年齢においても雌の方が雄より大きい体サイズを示した。
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