我々は先に,
Paecilomyces varioti BAINIER var.
autibioticusから産出された抗真菌性抗生物質であるパリオチンのアルコール溶液の臨床効果をしらべ, かなり良好な成績を得たが1), このたび本剤を軟膏にしたものを日本化薬株式会社から提供を受け, 臨床的に試みたので結果を報告する。
パリオチン軟膏は, プラスチペース50Wを基剤とし, 1g中にパリオチン3,000単位, 塩化ペンザルコニウム1mgを含有している。
使用方法は, 1日1~2回患部に塗擦, またはガーゼにのばして貼布した。 なお, 本剤による治療中は, 他の薬剤または理学的療法等の併用は一切おこなわなかつた。
使用した症例は, 検鏡によつて菌が証明されたもののみを選んだ。
効果の判定は, 主として臨床所見によつて決定し, 著効 (+) は臨床的にほとんど治癒し, 菌が証明できなくなつたもの, 有効 (++) は臨床症状の一部は残つているが, 経過の良好なもの, 軽快 (+) はある程度軽快を示しながら, その後好転を示さないもの, 無効 (-) は全く変化がないか, または却つて病状の悪化したものである。
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