本研究の目的は,立体形状をペーパークラフトや折り紙として実際に作成する手法と,それを支援するシステムを開発することにある.近年,多面体曲面の研究が進み,非可展面を多面体近似できるようになった.また,そのような近似多面体を展開図として生成する手法も開発された.本稿では,以下の2点を述べる.初めに,非可展面として自由曲面を取り上げ,その多面体化に曲面固有の特徴線-曲率極値線とガウス曲率ゼロ曲線-が有用であること,そして,接平面に基づく多面体化が有用であることを示す.これまで一般的とされてきた折り紙では,折り線は全て直線であり,制作される形状に曲面は存在しなかった.近年,折り線に曲線を取り入れることで,可展面と呼ばれる柱面,錐面,接線曲面の一部分を作りだすことができることがわかり,なめらかな曲面を含む立体折り紙の研究が多くなされている.これらについて,任意の可展面を横切る平面で可展面の一部を鏡映変換すると,新たに曲線の折り目を持つ1枚の紙から制作できる立体が得られる例を示す.
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