ゴミグモ
属のクモ類は日本から15種が記録されていたが, 筆者は, 日本各地から得られた多数の標本を検討した結果, 22種の生息を確認した. 従来, 日本でシマ
ゴミグモ
と呼ばれ,
C. insulana (COSTA, 1834) に同定されてきたものには, 2種が混同されていたことが判明した. この2種をヨーロッパ産の
C. insulana の標本と照合した結果, いずれも別種であった. 一方, 原記載以来採集記録がなかった
C. confusa BÖSENBERG et STRAND, 1906のタイプ標本を検討した結果, いままでシマ
ゴミグモ
とされてきた2種のうち1種はこれに同定できた. もう1種は新種として記載した. また, ハマ
ゴミグモ
については, 従来,
C. camelodes (THORELL, 1878) に同定されてきたが, タイプ標本との照合により, 別種であることが判明し, 新種として記載した. さらに,
C. atrata BÖSENBERG et STRAND, 1906カラス
ゴミグモ
,
C. argenteoalba BÖSENBERG et STRAND, 1906ギンメッキ
ゴミグモ
,
C. ginnaga YAGINUMA, 1959ギンナガ
ゴミグモ
のそれぞれに混同されていたと思われる近似の別種など8種を新種として記載した. 一方, S. SAITO (1939) によって青森県から記録された
C. conica (PALLAS, 1772) コ
ゴミグモ
については, S. SAITO (1939) が同定した標本の保管場所が不明で検討できないことと, 今回検討した多くの標本の中にそれと同定できるものが全く見いだせなかったことから, 本論では扱わなかった.
本論で扱った22種の種名は次のとおりである.
C. octotuberculata KARSCH, 1878
ゴミグモ
,
C. laticauda BÖSENBERG et STRAND, 1906キジロ
ゴミグモ
,
C. monticola BÖSENBERG et STRAND, 1906ヤマ
ゴミグモ
,
C. angusta sp. nov. ヤセ
ゴミグモ
(新称),
C.
onoi sp. nov. オノ
ゴミグモ
(新称),
C. omonaga sp. nov. シマ
ゴミグモ
,
C. confusa BÖSENBERG et STRAND, 1906ミナミノシマ
ゴミグモ
(新称),
C. japonica BÖSENBERG et STRAND, 1906ヤマト
ゴミグモ
,
C. norihisai sp. nov. オガサワラ
ゴミグモ
(新称),
C.
atrata BÖSENBERG et STRAND, 1906カラス
ゴミグモ
,
C. hamulata sp. nov. カギヅメカラス
ゴミグモ
(新称),
C. maritima sp. nov. ハマ
ゴミグモ
,
C. psylla (THORELL, 1892) ヒメマル
ゴミグモ
,
C. mulmeinensis (THORELL, 1887) トゲ
ゴミグモ
,
C. vallata KEYSERLING, 1886 マル
ゴミグモ
,
C. sachikoae sp. nov. ミツカド
ゴミグモ
(新称),
C. alba sp. nov. シロ
ゴミグモ
(新称),
C. argenteoalba BÖSENBERG et STRAND, 1906 ギンメッキ
ゴミグモ
,
C. okumae sp. nov. オオクマギンメッキ
ゴミグモ
(新称),
C.
ginnaga YAGINUMA, 1959ギンナガ
ゴミグモ
,
C. kumadai sp. nov. クマダギンナガ
ゴミグモ
(新称),
C. sedeculata BÖSENBERG et STRAND, 1906ヨツデ
ゴミグモ
.
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