【目的】わが国は超高齢社会である。高齢化により眼球の水晶体の黄化や白濁等がおき、色の見え方が変わり表示などが見えにくいという訴えが多い。高齢者のQOLを上げる1つにおしゃれがあり、特に女性高齢者はファッション、化粧が上位にあげられており、どちらも色味の判定、色差の判定が重要である。そこで、白内障をよくあらわしているといわれる白内障疑似体験
ゴーグル
を着用し、白内障患者の色識別性にはどのような傾向があるのか、照度レベルによる影響は見られるか、色相環上でどの色が見えにくくなるのかを把握することを目的とした。
【方法】白内障擬似体験
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を装着し100HUEテストを行った。照度は1000lx、100lx、50lx、10lx の4照度。被験者は、正常色覚の女子学生6名である。白内障擬似体験
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を装着したときと裸眼の時のエラースコアを出し、比較した。実験回数は5回。
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着用の有無により、照度の影響、色相の判別のしやすさについて検討した。
【結果及び考察】白内障擬似
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着用、非着用により小さい色差の色こまを並べると言う実験を行った結果、エラースコアから見ると1000lxでは
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着用、非着用で大きな差はなかった。100lxでは
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着用によりエラースコアは高くなり、非着用と比べ差が黄緑~青緑系、赤紫系で出た。50lxではさらに赤紫系で差は一段と大きくなり、
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着用により曲線は赤紫系で途出した。10lxという暗い照度においては
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着用、非着用ともに、エラースコアは増大し照度10lxでは若者も色の判定はしにくくなり、エラースコアが増大した。最もエラースコアの高かった4の竿のエラースコアの合計を見ると、1000lxでは6.2:7.4の差であったが、10lxでは31:74という大差となった。
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