イスラーム地域の都市の中心部にはバーザールと呼ばれる商業空間が広がっている。商業空間には、商業機能だけでなく多様な機能が含まれ、活気あふれる都市の核をなしている。こうした都市の核となる商業空間の構造を分析することによって、イスラーム地域、とりわけトルコの都市の特徴を把握することが本稿の目的である。本論で対象とするトルコの3都市は、いずれも緑豊かな木造文化圏に属す都市であり、城壁の内側に高密、かつコンパクトに形成されたアラブ都市に比べると、建物と建物の間の隙間や前庭、外庭、広場といったオープンスペースが多くとられ、全体としてゆったりとした景観を見せていることが特徴として抽出された。
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