詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "サルワール・カミーズ"
2件中 1-2の結果を表示しています
  • 「閉鎖性」と「開放性」のアイデンティティ論
    安達 智史
    現代社会学理論研究
    2018年 12 巻 103-115
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/03/09
    ジャーナル オープンアクセス
    多文化主義は、世俗的な中立国家のなかで代表されない宗教や文化に公的な承認を与える一方で、そうした不公正の是正や文化的承認を通じてマイノリティの主流社会への統合を促す政治的立場である。だが、グローバル化により多様化が進展する西欧社会において、多文化主義は、多文化ではなく多分化をもたらす原理として認識されつつある。こうした批判は、文化やアイデンティティの「閉鎖性」と「開放性」を、多文化主義が十分に理論化していないことが原因である。この課題に応えるべく本稿では、閉鎖性と開放性の視点から、テイラー、ホール、ギデンズのアイデンティティ理論を検討する。その後、実際の西欧ムスリムのアイデンティティ管理や宗教との関わりをめぐる研究を参照しつつ、ギデンズの理論の有効性を述べる。最後に、アイデンティティが内部における閉鎖性を通じて外部への開放性を実現している点を描くとともに、ムスリムの信仰と民主的シティズンシップの積極的関係を説明することで、多文化主義の擁護を試みる。
  • 北インド・ヒンドゥー修行道場の施食会を事例として
    濱谷 真理子
    文化人類学
    2021年 85 巻 4 号 691-710
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/06
    ジャーナル フリー

    本論文の目的は、北インドのヒンドゥー修行道場が実施する慈善活動、特に施食を通じてどのようにヴァナキュラーな行者社会が形成されているのか、受け手となる女性「家住行者」の視点から明らかにすることである。

    インド・ヒンドゥー社会では、慈善活動は一般に「社会奉仕」もしくは単に「奉仕」と呼ばれる。奉仕の慣習はもともとカースト・ヒエラルヒーの中で目下の者から目上の者への義務・献身として広く行われてきたが、19世紀の社会宗教改革運動を機に博愛主義的な色合いを強めるようになった。現在では数多くの新興教団や政治団体が人類や国家への奉仕として慈善活動を実施し支持を集めている。その一方、人道主義の立場からはヒンドゥー的慈善活動が非対称的な社会関係や自己中心的な救済論を前提としており、社会の不平等性を改善しようとしていない点が批判されてきた。それに対しBornsteinは贈与を引き起こす衝動や共感に着目し、慈善活動の担い手の間に差異を超えた<私たちのサークル>が形成されうる可能性を提示した。本論文ではBornsteinの議論を参考にしつつ、これまで見過ごされてきた慈善活動の対象、すなわち贈与の受け手に着目する。そして、慈善活動を通じてどのように友愛的な紐帯が喚起され、それがヴァナキュラーな行者社会の形成に寄与しているのか、贈与の論理と共食の倫理という2つの観点から考察する。

feedback
Top