新しい体外衝撃波結石破砕装置 Piezolith 2200 (Rlchard Wolf 社) を用いて結石破砕を行った. 本装置は従来の装置 (Dorner 社) とは原理・構造が異なり, 圧電気的に発生させた高エネルギー音波 (圧力波) インパルスによって結石を破砕するものである (extracorporeal piezoelectric lithotripsy, EPL).
1986年1月から1987年6月までに567症例 (成人561名, 小児6名) の572腎・尿管結石に対して806回の衝撃波治療を行った. 結石介在部位別の内訳は腎盂126, 腎杯384, サンゴ状43, 上部尿管19であった. 治療後3カ月以上経過した209例の88%に結石完全排出をみた.
本装置による結石破砕は疼痛をもたらさず, したがって無麻酔で施行でき, 心臓に対する影響もないので, 心血管系合併症 (不整脈, ペースメーカー装着) を有する患者も適応となる. また小児, 骨格異常を有する患者, 高度の肥満患者に対しても適用できる. 腎周囲血腫等の重篤な合併症は認めていない. ESWL (Dornier 方式) で報告されている血清GOT, LDH, CPKの上昇はEPLでは認められなかった.
衝撃波発生器に内臓された超音波スキャナーを用いて結石を走査し焦点に位置させる. そのため常時モニターでき, レ線被曝を避けうる. 本装置の治療効果は従来のESWL装置とほぼ同様であるが, 無疼痛治療であること, 合併症がほとんどなく poor risk の患者にも適用できること, レ線被曝を避けうること, 小型で経済的であることなど利点が多い.
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