つくば市上空大気におけるエーロゾルの光学的厚さτ
aを,地球大気データ・LOWTRAN6の算出するτ
aと比較しながら検討する。エアートゥルースデータとして,茨城県つくば市にある国立公害研究所でライダー観測されたエーロゾルの消散係数データを用いる。波長0.53μmに対する高度100mから10kmまでのエーロゾルの消散係数を100m毎に観測したものである。データは1984年3月から1987年5月までの278件で,全て雲の影響を受けていない。これらの消散係数データから求めたエーロゾルの光学的厚さ箱を四季別に分類し,春・夏データとLOWTRAN6の夏モデルの値,秋・冬データと冬モデルの値を比較した結果,τを,地球大気データ・LOWTRAN6の算出するτ
aと比較しながは観測データ,LOWTRAN6値共に夏より冬の方が小さく,春は観測データとLOWTRAN6値はほとんど同じであることが分かった。また,LOWTRAN6の日本上空大気への適用性を検討するために,笏導出に大きく寄与する視程パラメータの値と観測データの視程との相関を調べた。その結果,春の午後は相関が高く,春の午前,夏の午前,および冬の午後でもある程度の相関が見られる。従って,我々の求めた相関関係を利用することによって,つくば市上空大気のエーロゾルの光学的厚さの近似値としてLOWTRAN6の適用が可能であることが分かった。
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