オープンイノベーション概念の提唱から20年,世界の潮流を追いかける形で,日本でも起業や水平分業が盛んになっている.しかし,ライフサイエンス分野では,専門性の高さ,必要投資の規模の大きさ,成功確率の低さなどから,オープンイノベーションの基盤は未だ発展途上にある.湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)では,2018年の開所以来5年間,多様なプレイヤーがオープンイノベーションを実現できる場を目指して,エコシステムの構築に挑戦してきた.取り組みのポイントは,ライフサイエンスに精通した運営組織が多角的なアプローチを行っていること,一方でコミュニティの構成メンバーの力を積極的に借りながら,互助的なしくみや文化を醸成していることである.本稿では,オープンイノベーションの場づくりを行うサイエンスパークの立場から,ベンチャー企業を含む多様なプレイヤーを支援する取り組みを紹介する.
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