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クエリ検索: "シナプス"
16,954件中 1-20の結果を表示しています
  • 塚原 仲晃
    高分子
    1985年 34 巻 10 号 820-823
    発行日: 1985/10/01
    公開日: 2011/10/14
    ジャーナル フリー
  • 高谷 徳哉, 伊藤 寿一, 松岡 出, 笹 征史, 高折 修二
    耳鼻咽喉科臨床
    1983年 76 巻 2special 号 708-714
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/11/04
    ジャーナル フリー
    ネコの前庭神経内側核 (MVN) および外側核 (LVN) ニューロンの末梢前庭神経刺激による誘発スパイクに対する diphenhydramine (DP) の作用をイオントホレーシス法により研究した.
    1) MVNおよびLVNニューロンを前庭神経刺激に対する反応様式からそれぞれ単
    シナプス性および多シナプス
    性ニューロンの2種類に分けた. 単
    シナプス
    性ニューロンのスパイク潜時は1.5msec以下であり, フィールド電位のN1波上に発火し, 一方, 多
    シナプス
    性ニューロンのスパイク潜時に2~3msecであり, フィールド電位のN2波上に記録された.
    2) MVNにおいて多
    シナプス
    性ニューロンはDP 100-200nA投与にり用量依存性に有意に抑制され, 単
    シナプス
    性ニューロン発火はDP 200nAにより抑制された.
    3) LVNにおいて単
    シナプス
    性ニューロンはDP投与により変化せず 一方, 多
    シナプス
    性ニューロン発火はDP200nA投与により抑制された.
    4) 以上の成績から, DPはLVNよりも, MVNに強い抑制効果をもち 特にMVNの多
    シナプス
    性ニューロンの順行性伝達を最も強く抑制し, 上行性インパルスをおさえると考えられる.
  • 宮川 桃子
    順天堂医学
    1990年 35 巻 4 号 516-524
    発行日: 1990/02/20
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
    成体における
    シナプス
    の可塑性を解析するため, エストロゲン受容体に富む中隔外側部の神経網の
    シナプス
    を雌雄の成体ラットにおいて観察した. この部位の樹状突起
    シナプス
    は, 棘
    シナプスの方が幹シナプス
    よりも多かった. 生後9週 13週 28週において観察したところ, 棘
    シナプス
    は雌雄ともに一度増加した後再び減少した. 雌の幹
    シナプス
    は13週で減少しそのレベルを保ち, 28週においては雄の方が雌よりも幹
    シナプス
    が多いという結果が得られた. エストロゲンを生後9週から4週間連続投与したところ, 雌の幹
    シナプス
    のみが増加した. また, 生後12週で去勢した動物にエストロゲンを16週間連続投与した実験では, 雄の棘
    シナプス
    が去勢のみの群よりもエストロゲン投与群で増加した. 雌では樹状突起
    シナプス
    の総数が, 無処理群よりも卵巣摘出後エストロゲンを投与した群で増加した. 以上の結果から, 中隔外側部の
    シナプス
    は正常な成体において可塑性に富むこと, エストロゲンがこの部位の
    シナプス
    を増加させる作用を持つことが明らかになった.
  • 平田 幸男
    Archivum histologicum japonicum
    1964年 24 巻 3 号 293-302
    発行日: 1964/02/20
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    マウスの嗅球を電子顕微鏡で観察した際, 一般に他の中枢神経組織において観察される
    シナプス
    構造以外に, これまであまり報告の多くない非定形的なものが観察された. これらは, a)
    シナプス結合の両側にシナプス
    小胞様の構造が存在するもの, b) 僧帽細胞と神経突起が
    シナプス
    結合しており, 小胞が僧帽細胞の側にも見られるもの, c) 交叉性, 又は, 両側性
    シナプス
    . これは2つの神経突起が, いくつかの場所で
    シナプス
    結合を作っている場合, 場所によって2つの突起の間の
    シナプス
    の方向性が異なる場合, d) 連続性
    シナプスまたはシナプス前シナプス
    , e) 表面下槽を伴った
    シナプス
    .
    これらの非定形的な
    シナプス
    構造の機能的な意味を, それぞれの形について少しく検討した.
  • 灰田 信英
    理学療法学
    1991年 18 巻 6 号 631-634
    発行日: 1991/11/10
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー
    個体内でおこる
    シナプス
    形成現象は二つに分けて考えられる。第一は個体の発生・分化の過程で起こる
    シナプス
    形成である。第二は
    シナプス
    形成後に, とくに成熟固定で起こる新たな
    シナプス
    結合の誘導, あるいは再形成である。この過程では
    シナプス
    の誘導あるいは再形成は何によって引き起こされるかが問題となる。そして, 標的細胞の活動状態でこれがどのように修飾されるかは, 神経組織の可塑性を考える上で重要である。本稿では, この問題について, 自験例に基づいて述べる。
  • 石川 保幸
    日本生物学的精神医学会誌
    2017年 28 巻 1 号 18-21
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/10/22
    ジャーナル オープンアクセス
    活動依存的
    シナプス
    可塑性は学習・記憶の細胞基盤として広く受け入れられている。
    シナプス
    可塑性には入力特異性という局所的な性質を持つが,細胞全体での現象つまり可塑性関連物質の新規合成のかかわっている長期可塑性では如何にして入力特異性を担保しているかは謎であった。そのような中,
    シナプス
    タグ仮説が提唱されタンパク質合成依存的長期可塑性の理解においてのブレイクスルーとなった。
    シナプス入力によって入力特異的にシナプス
    に印「
    シナプス
    タグ」が形成され,その
    シナプス
    タグと新規合成可塑性関連物質が相互作用することで長期可塑性が誘導され,入力特異性が担保されるという仮説である。この仮説は
    シナプス
    のみならず行動レベルまで観察されるようになった。今回,
    シナプス
    可塑性関連プロテアーゼ・ニューロプシンが
    シナプス
    タグ形成および行動タグ形成にかかわることを解説する。
  • 松本 茂二, 内田 隆, 中島 民雄, 小沢 英浩
    Archivum histologicum japonicum
    1980年 43 巻 3 号 275-279
    発行日: 1980年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    ウサギの頸動脈小体の主細胞と神経終末との間の
    シナプス
    結合を電子顕微鏡で調べた. それらの多くは, 解剖学的に主細胞側に
    シナプス
    小胞がみられる求心性のタイプであった. 遠心性の
    シナプス
    は, 求心性のものに比べて少なかった. 加えて, 二つまたはそれ以上の逆の極性をもつ
    シナプス
    が互いに近接して存在する交叉性
    シナプス
    は, 特に大きな神経終末と主細胞との間でしばしばみられた. また, 連続切片で, 単一の
    シナプス
    のあるものは, 交叉性
    シナプス
    の成分であることが判った. ウサギの頸動脈小体でのドパミンによる求心性神経活動の調節には, 交叉性
    シナプス
    を介したフィードバックループが関与しているであろう.
  • 岡部 繁男
    顕微鏡
    2011年 46 巻 1 号 37-42
    発行日: 2011/03/30
    公開日: 2019/12/24
    ジャーナル フリー

    神経細胞は膨大な数の

    シナプス
    結合を脳内で形成し,認知・学習・行動などの脳機能を実現している.
    シナプス
    は特殊な細胞間接着装置であり,蛋白質分子が集積することで構造を分化させ,神経伝達物質の放出と受容体への結合による活性化を通して神経細胞間の情報伝達の基盤となる.
    シナプス
    に集積する分子には受容体,足場蛋白質,細胞内情報伝達分子など多種類が知られており,これらの分子の
    シナプス
    輸送,局所での構造への組み込み,更に安定化のメカニズムについての情報が機能の理解には必須である.光学顕微鏡を用いた
    シナプス
    分子の動態解析により,
    シナプス
    が形成される過程とその維持のメカニズム,さらに
    シナプス
    活動による分子の局在や機能の変化についての情報が蓄積されてきた.本論文ではGFPとの融合
    シナプス分子の生きた神経細胞内での可視化技術を利用して得られたシナプス
    の形成・リモデリングに関する知見を紹介する.

  • 内薗 耕二
    Archivum histologicum japonicum
    1968年 29 巻 4 号 399-424
    発行日: 1968年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    少くともネコの小脳皮質における興奮性
    シナプスと抑制性シナプス
    は, その中に含有される
    シナプス
    小胞の形と大きさによって明瞭に区別しうることを著者は示して来た. すなわち興奮性
    シナプス
    は直径約500Åの球形の
    シナプス
    小胞 (S型) を含有し, 抑制性
    シナプスはこれより小さい扁平なシナプス
    小胞 (F-型) を含有する. この結論は電気生理学的所見と電子顕微鏡的所見を勘案して提案されたものである.
    今この仮設をネコの小脳皮質の各種神経線維の同定に適用して, 次の結論をうることができる.
    1. プルキンエ細胞は電気生理学的に抑制性のニューロンであることが知られており, その神経線維終末の
    シナプスは扁平な抑制性のシナプス
    小胞を含有する. 最も特長的なことは, この線維の axoplasm はその走向の途中で層状構造を示す.
    2. 顆粒細胞は興奮性ニューロンで, その軸索突起である平行線維の終末はS型の
    シナプス
    小胞を含有する.
    3. 星状細胞は抑制性ニューロンで, その神経終末はF型の
    シナプス
    小胞を含有する.
    4. 籠細胞は抑制性ニューロンで, その神経終末はプルキンエ細胞の soma を籠状につつみ, その
    シナプス
    はF型
    シナプス
    小胞を含有する.
    5. ゴルジー細胞は抑制性ニューロンで, その神経終末は顆粒細胞の樹状突起および苔線維の神経終末と入りまじった複雑な糸球体を形成する. ゴルジー細胞の
    シナプス
    はF型の
    シナプス
    小胞を含有する.
    6. 登上線維はプルキンエ細胞の一次樹状突起表面の小さなとげ (spines) の上を, 縄梯子状に登上する. とげの上につくるその
    シナプス
    はS型で, 電気生理学的に証明されたこの線維の興奮性の性質をよく示している.
    7. 苔線維は顆粒層に入って急に髄鞘を失い, 大きくふくれて巨大な
    シナプス
    を形成する.
    シナプス
    はS型小胞をふくみ, この線維が興奮性線維であることを示す.
  • とくに視床下部および中脳よりの直接投射について
    水野 昇, 中村 泰尚
    Archivum histologicum japonicum
    1972年 34 巻 5 号 433-448
    発行日: 1972年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    カイウサギ青斑核の微細構造, ことに
    シナプス
    構成を 電子顕微鏡により 実験形態学的に追究した.
    軸索-細胞体
    シナプス
    は 軸索-樹状突起
    シナプス
    に比べて少なく, 軸索-軸索
    シナプス
    は見られなかった. 扁平小胞を含む
    シナプス
    終末は 円形小胞のみを含む
    シナプス
    終末に比べて少く, また 前者では後者に比べ相称性
    シナプス
    の特徴を示す傾向が大であった. これらの
    シナプス
    終末には, 多くの場合 少数の直径500ないし1,000Åの含粒小胞が見られたが, 前
    シナプス
    膜に接して存在する含粒小胞は まれに細胞体の中にも見られた. “nucleolus-like body,” “subjunctional body” および結晶様配列を示す円形
    シナプス
    小胞が まれに見られた.
    視床下部, 中脳中心灰白質または中脳被蓋背側部を 脳定位的電気凝固により損傷して後, 3日または4日生存させたカイウサギにおいて, 傷と同側の青斑核内に電子密度の高い軸索-樹状突起性の変性終末が見られた. これらは通常 円形
    シナプス
    小胞を含んでいたが, 中脳損傷例では やや扁平な
    シナプス
    小胞を含むものも まれに見られた. 軸索-細胞体
    シナプス
    終末の変性は見られなかった.
    視床下部および中脳より青斑核にいたる直接投射の機能的意義について考察した.
  • 森 竜太, 香取 勇一, 合原 一幸
    生産研究
    2015年 67 巻 3 号 293-296
    発行日: 2015/05/01
    公開日: 2015/06/05
    ジャーナル フリー
    短期的
    シナプス可塑性を持つことで知られる動的シナプスは過去の神経活動をシナプス
    伝達効率の変化として記憶することができるため,時系列信号を扱う情報処理において重要な機能的役割を担っている可能性があるが,その役割については未だ不明な点が多い.そこで本研究では,動的
    シナプス
    を含むリカレントニューラルネットワーク(RNN)の短期記憶性能を評価した.その結果,動的
    シナプス
    がRNN の短期記憶性能を大きく向上させることが分かった.この結果は,動的
    シナプス
    が短期記憶において重要な機能的役割を担っていることを示唆する.
  • 菅谷 佑樹, 狩野 方伸
    ファルマシア
    2016年 52 巻 9 号 840-844
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/02
    ジャーナル フリー
    内因性カンナビノイドは
    シナプス
    後部の神経細胞で作られ、
    シナプス
    前終末に“逆向きに“働く。
    シナプス
    前終末ではCB1受容体を介して、グルタミン酸やGABA等の神経伝達物質の放出を抑える。2001年にこの“逆行性伝達物質”としての働きが発見されてから、その産生や分解の経路や
    シナプス
    伝達調節のメカニズムに関する数多くの研究が行われてきた。本稿ではこれまでに明らかになっている内因性カンナビノイドによる逆行性
    シナプス
    伝達抑圧のメカニズムを解説する。
  • 内野 善生, 鈴木 秀次, 渡部 士郎, 宮沢 多恵子
    杏林医学会雑誌
    1980年 11 巻 2 号 89-95
    発行日: 1980/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    水平半規管神経(HCN)を電気刺激し, 外眼筋運動ニューロンから
    シナプス
    後電位を記録することで水平半規管-眼反射弓の神経回路網を明らかにしようとした。HCNを電気刺激すると2
    シナプス性興奮性シナプス
    後電位(EPSP)が, 刺激と同側の内直筋運動ニューロンと反対側の外転神経運動ニューロンに, 2
    シナプス性抑制性シナプス
    後電位(IPSP)が同側の外転神経運動ニューロンに発生した。HCNを刺激すると対側の内直筋運動ニューロンには潜時のおそいIPSP(恐らく3
    シナプス
    性)が発生し, この反射弓にだけ特殊な神経機構が存在していた。HCNと上・下直筋, 上・下斜筋を支配する運動ニューロンとの間には,
    シナプス
    結合を見い出せなかった。
  • 小林 繁
    Archivum histologicum japonicum
    1969年 31 巻 1 号 9-19
    発行日: 1969年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    1. ジューシマツの頸動脈小体を光線顕微鏡と電子顕微鏡で観察した.
    2. 主細胞の微細構造は基本的には哺乳類のそれに一致していた.
    3. ひとつの主細胞の周囲に多数の神経終末がみられた. そのうちのいくつかは主細胞と
    シナプス
    を形成していたが,
    シナプス
    小胞は神経側にあることからこれらの終末は哺乳類の頸動脈小体におけると同様に遠心性と考えられた。
    4. 神経終末同士の間にも
    シナプス
    が見出された. この場合
    シナプス小胞はしばしばシナプス
    結合の両側にあり,
    シナプス小胞の存在の有無が必ずしもシナプス
    の方向を示すとは限らないと考えられた.
    5. 主細胞と
    シナプスを形成している神経終末が他方で別の神経終末とシナプス
    結合している像が観察された. これらは presynaptic inhibition の形態学的示標とされるいわゆる serial synapse であろうと考えられた.
  • *林 康紀
    日本薬理学会年会要旨集
    2022年 95 巻 95_2-EAL
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    シナプス
    可塑性は、学習や記憶のメカニズムと考えられ、その破綻は精神神経疾患や神経認知障害を引き起こす。 そのためその分子機構は、発見以来、研究の焦点となってきた。私は特に
    シナプス
    表面の受容体を制御する
    シナプス
    後部のシグナル伝達過程に興味を持ち、
    シナプス
    可塑性の際に様々な受容体と細胞内成分の活性依存的な輸送が行われることを発見しました。これは細胞内Ca2+ 濃度の上昇が引き金となり、様々なシグナル伝達カスケードが引き起こされるが、中でも、CaMKIIは、
    シナプス
    可塑性において極めて重要なシグナル伝達分子と考えられている。しかし、その特徴的な12量体構造や
    シナプス
    に多量に存在する理由については謎に包まれていた。私は、CaMKIIが、Ca2+/カルモジュリンに依存的に、基質タンパク質と液–液相分離を起こし、架橋することを見出した。これにより、
    シナプス
    表面の受容体の分布が調節され、そのナノドメインが形成される。このように、CaMKIIと他の
    シナプス
    タンパク質とのCa2+依存的な液–液相分離は、
    シナプス可塑性の間にシナプス
    伝達を持続的に調節するメカニズムである。

  • *岡部 繁男
    日本薬理学会年会要旨集
    2022年 95 巻 95_1-SL03
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/21
    会議録・要旨集 オープンアクセス

    生体内での神経回路の発達には、

    シナプス
    の形成、除去、再構築が正確に制御されていることが重要である。マウスの大脳皮質では、
    シナプス
    の動態に2つの段階があることが、2光子イメージングによって確認された。第1期(生後20日まで)では、
    シナプス
    のターンオーバーが高く維持され、第2期(生後3週間以降)では、
    シナプス
    動態が強く抑制され、大脳皮質の神経ネットワークとしての成熟が起こる。このような
    シナプス
    動態の変遷は、神経発達障害や精神疾患の病態生理の背景にあると考えられているが、その正確なメカニズムはまだ明らかになっていない。私たちの研究室では、(1)神経回路や
    シナプス
    形成過程の多様なメカニズム、(2)
    シナプス
    の動的変化の過程での構造・機能連関、(3)脳疾患と
    シナプス
    機能障害の関係、に焦点を当てて研究を行っている。最近では、スパイン
    シナプス
    の超微細構造を定量的に解析する方法や、スパイン内部の分子ダイナミクスを測定する方法など、神経回路を研究するための新しいツールを開発している。さらに、これらのツールは脳疾患の研究にも応用可能である。本講演では、これらの研究を紹介するとともに、精神疾患の病態を
    シナプス
    障害として理解することの妥当性と展望について議論したい。

  • 平田 幸男
    Archivum histologicum japonicum
    1966年 26 巻 3 号 269-279
    発行日: 1966/02/28
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    フォルマリン灌流固定脳を電子顕微鏡で観察すると, オスミウム浸漬固定脳には見られない, 円筒状の
    シナプス
    小胞が出現する. この小胞は径240∼300Å, 長さ300∼1000Åで, 終末ボタン中にも, また通過
    シナプス
    (Synapse en passant) をつくる神経突起中にも認められる.
    この円筒状小胞は, これまで著者が検索した, 嗅球, 大脳皮質, 小脳皮質, 海馬, 中隔部, 手綱核, 外側膝状体背側核, 外側視床枕核, 視床下部視交叉上核および腹内側核, および脊髄前角の何れにおいても認め得たが, その分布, および円筒形
    シナプス
    小胞を含む終末の数と, 球形の
    シナプス
    小胞をもつ終末の数との比は, 中枢内の各領域によって, 特定の値を示す. 円筒状
    シナプス
    小胞をもつ終末は, 細胞体とも, また樹状突起とも, またさらに他の神経終末との間にも
    シナプス
    結合をつくるが, これらの場合,
    シナプス
    間隙は, 球形の
    シナプス小胞がシナプス
    結合をつくる場合に比してやや狭く, また
    シナプス
    膜の肥厚も著明でないことが多い. 球形の小胞を含む終末と円筒形の小胞を含む終末とが,
    シナプス
    結合を行なう場合は, 一般に球形の小胞を含む終末が
    シナプス
    前性 (presynaptic) である.
    何故に灌流固定脳においてのみ, この小胞が出現するかを論じ, また灌流固定法について少しく検討を加えた.
  • 河野 玲奈, 池谷 裕二, 小山 隆太
    日本薬理学雑誌
    2023年 158 巻 5 号 348-352
    発行日: 2023/09/01
    公開日: 2023/09/05
    ジャーナル 認証あり

    脳内の神経細胞は互いに

    シナプス
    を形成することで回路を構築するが,グリア細胞は
    シナプス
    の形成と除去に関与している.グリア細胞には,ミクログリア,アストロサイト,オリゴデンドロサイトがあり,それぞれ異なる遺伝子発現パターンや形態に支えられた特徴的な機能を有しているが,
    シナプス
    貪食という共通の機能を通して,神経回路の
    シナプス
    の数を調節することが明らかになった.また,脳の部位や時期によって,特定のグリア細胞が特定の
    シナプス
    を貪食することが報告されており,それぞれの貪食プロセスに関わる分子メカニズムの一端が解明されている.例えば,
    シナプス
    貪食との関連で最も多く報告されているグリア細胞であるミクログリアは,補体を含む様々な「eat me signals」を認識して
    シナプス
    を貪食し,発生期の神経回路の精密化に寄与することが知られている.さらに最近では,アストロサイトやオリゴデンドロサイト前駆細胞も
    シナプス
    の貪食に関与していることが明らかになっている.興味深いことに,異なる種類のグリア細胞が同じ種類の
    シナプス
    を貪食しているという報告もある.そして,場合によっては,異なるグリア細胞種が互いに
    シナプス
    貪食を制御していることも示唆されている.本総説では,グリア細胞による
    シナプス
    貪食に関する最近の研究を紹介しながら,複数種のグリア細胞による
    シナプス
    貪食の意義について議論する.

  • 籾山 俊彦
    日本薬理学雑誌
    2002年 119 巻 4 号 235-240
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/01/21
    ジャーナル フリー
    中枢神経系の興奮性および抑制性
    シナプス
    伝達は,
    シナプス
    前終末に存在する複数種のカルシウムチャネルサブタイプによって制御されている.幼若ラット脳および脊髄のスライス標本にN型およびP/Q型カルシウムチャネルに選択的なブロッカーを投与し,
    シナプス
    電流あるいは
    シナプス
    電位に対する効果を解析することにより,これまでに海馬,小脳,脊髄,脳幹,線条体等における
    シナプス
    伝達に対するN型,P/Q型,その他のカルシウムチャネルサブタイプの関与の程度が定量化されている.また,ドパミン等の修飾物質の
    シナプス
    前受容体活性化により,
    シナプス
    前終末へのカルシウム流入が遮断されて,その結果グルタミン酸やGABAの遊離が抑制される,という機構がいくつかの中枢
    シナプス
    で報告されており,特に,線条体では
    シナプス
    前D2型受容体とN型チャネルとの選択的な共役が最近明らかとなった.さらに,いくつかの中枢
    シナプス
    では生後週2-3週までに,
    シナプス
    伝達に対するN型チャネルの関与が消失することが明らかになっている.今後は,
    シナプス
    前終末におけるカルシウムチャネル各サブタイプと生理活性物質受容体および伝達物質遊離部位との位置関係,受容体活性化によるこれらの機能分子の動態,生後発達変化を形態学的にも捉えることが望まれる.
  • 植村 健
    顕微鏡
    2014年 49 巻 1 号 7-9
    発行日: 2014/04/30
    公開日: 2019/09/03
    ジャーナル フリー

    シナプス
    形成は複雑かつ精巧な脳神経ネットワーク構築の要のステップの一つである.近年,小脳におけるGluRδ2-Cbln1-NRXN複合体などの脳
    シナプス形成を担うシナプス
    オーガナイザーの存在が明らかになってきたが,
    シナプス
    の形成過程,分子基盤については不明な点が多い.SiN薄膜窓を底面にもつASEMディッシュ上に初代培養神経細胞を培養し,光学顕微鏡と電子顕微鏡による同一視野観察が可能な大気圧走査電子顕微鏡(ASEM)を用いて
    シナプス
    に局在する分子の観察を試みた.さらに,
    シナプス
    形成を誘導するタンパク質をコートした磁気ビーズを培養神経細胞に添加することで,ASEMディッシュ上の任意の場所に
    シナプス
    前部の構造を作り観察できることが示された.初代神経細胞培養とASEMによる解析は,
    シナプス
    形成の分子機構を解明する上で有力なツールになるものと期待される.

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