γ線の実用線量を照射したオールスパイスと
シナモン
のESRスペクトルに主シグナル (signal I,
g=2.0048~2.0050) と30G低磁場に副シグナル (signal II) が見られた. トウガラシの光照射で増加しない signal I は, 上記両香辛料の光照射で増加し, 加熱, γ線照射でも増加した. Signal II はγ線照射のみにより生じ, 長時間安定で, 湿度の影響も少なくなく, 照射後6か月では5kGy以上, の照射オールスパイスと
シナモン
を, 照射後1年では10kGy以上照射のオールスパイスと5kGy以上照射の
シナモン
を検知出来た. しかし, signal II のシグナル強度は両香辛料間及び異品種の
シナモン
間でも若干異なった. メタノール抽出残留物の signal I, II は増加したが, その上昇率が異なることから, それらのラジカルは別々に存在するものと推定された. また signal II を生ずる香辛料のメタノール抽出物中に共通の主な物質はなかった.
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