サービス業のグローバル化が進んでいる。複数の国で事業を行う際,グローバリゼーション戦略とローカリゼーション戦略といった二つの選択肢がある。これまでに米国を中心に発展してきたブランド・マネジメント論では,どちらかといえばグローバリゼーション戦略が推奨されてきた。これに対し,本研究では,グローバリゼーション戦略の有効性について再考を試みる。グローバリゼーション戦略を推奨する研究者の主張からは,「一貫性」がキーワードとして浮上する。しかし,一貫性を選好する傾向には文化差があり,ある文化圏の人々は一貫性を重視するが,別の文化圏の人々は変化や矛盾に対して寛容であることが指摘されている。前者ではブランド・イメージに一貫性が欠如していると,そのブランドに対する評価が下がる可能性があるが,後者ではブランド評価が下がるとは限らない。本論文ではこのことについて,ユニバーサル・スタジオを事例として取り上げつつ,考察する。
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