ナー
スコール
は患者の呼出を病棟看護師に知らせる通信装置として発展してきた.その中でここ数年ナー
スコール
の付帯設備としてPHS(ハンディナース)が急激に普及した.これは看護師の動線の短縮と素早い患者サービスが受けいれられたためである.さらに看護形態の変化により患者の担当チームだけを呼び出すチームナーシング対応,そして,プライマリーナースからの応答がない場合,セカンダリーナースまたはチームに呼出がスライドするプライマリーナーシング対応が要望されるようになった.また,患者の転倒や徘徊をナー
スコールで通知できるようベッドに離床センサや微弱電波による徘徊センサとナースコー
ルの接続するシステムや,実験のレベルであるが,車椅子からの転倒通報に関し,人の静電気を感知して転倒を通知するシステムも開発した.今回,医療過誤防止と看護支援に役立つ2つの新たなナー
スコール
の開発を検討した.第1は,患書誤認,医療材料の取り違いを防止する方法として,PHSにバーコードリーダーを内蔵し,患者のリストバンドと医薬材料のバーコードを照合するハンディナースを開発中である.これにより,ナー
スコール
,院内連絡に加え,医療過誤と看護支援の4役を果たすPHSが登場することになる.第2は,院内のオーダリングシステムと結んだPCナー
スコール
で,操作性を向上させるため,PC画面上に病棟ベッドをレイアウトし,全てタッチパネルで操作が行えるシステムである.患者から呼出があるとポップアップで大きく呼び出し患者表示ができるだけでなく,患者からの呼出の履歴やその対応を記録として残すことができる.オーダリングから取り込んだ情報は廊下の記名表示にも連動し液晶にて患者名等を反映するシステムも導入されるようになり,間接看護業務の低減へとつながっている.さらに,患者モニタと連動し素早くPHSで患者の異常を通知するシステムも可能となる.今回,これらの新たなナー
スコール
の概要と有用性について報告する.
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