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クエリ検索: "スピルオーバー"
1,274件中 1-20の結果を表示しています
  • 塚井 誠人, 江尻 良, 奥村 誠, 小林 潔司
    土木学会論文集
    2002年 2002 巻 716 号 53-67
    発行日: 2002/10/20
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では地域間
    スピルオーバー
    効果を考慮した社会資本の生産性を評価する方法を提案する. その際, 社会資本の
    スピルオーバー
    効果として, 地域を越えた活動主体による社会資本の利用可能性 (直接的
    スピルオーバー
    効果) と, 地域間における知識の
    スピルオーバー
    効果 (間接的
    スピルオーバー
    効果) をとりあげる. その上で, 社会資本の直接的, 間接的な
    スピルオーバー
    効果を同時にモデル化しうる生産関数モデルを提案し, わが国における社会資本の生産性と
    スピルオーバー
    効果を計測する. その結果, 直接
    スピルオーバー効果と間接スピルオーバー
    効果を介して, 社会資本は他の地域の生産性向上に貢献することを明らかにしている.
  • 林 正
    国際ビジネス研究
    2012年 4 巻 2 号 47-61
    発行日: 2012/10/10
    公開日: 2017/07/02
    ジャーナル フリー
    本稿は研究者間の地理的、社会的、技術的近接性とそれらの相互作用が知識の
    スピルオーバー
    のパターンに対してどのような影響を及ぼすのかを検証する。米国特許商標庁に登録された300万件を超える実用特許間のペアとその発明者に関するデータを用いた分析の結果、地理的近接性、社会的近接性、および技術的近接性はそれぞれ知識の
    スピルオーバー
    を促進する効果を持つものの、各近接性の相互作用に着目すると従来の研究とは異なる
    スピルオーバー
    のパターンが見出された。(1)技術的近接性は、社会的近接性の
    スピルオーバー
    に対する促進効果を大幅に低下させる。(2)社会的近接性は、地理的近接性が持つ
    スピルオーバー
    の促進効果を低下させる。(3)地理的近接性は、技術的近接性が持つ
    スピルオーバー
    の促進効果を低下させる。これらの分析結果は知識の
    スピルオーバー
    に関する研究に対して、地理的、社会的、技術的近接性の
    スピルオーバー
    に対する促進効果の代替性という新たな知見を加える。同時に、それぞれの近接性を別個に見つめるだけでは多国籍企業の知識移転や海外研究開発拠点の立地選択、そして知識創造を念頭に置いた地域の産業振興政策において適切な意思決定を行えない可能性を示唆するものである。
  • 大久保 洋平
    日本薬理学雑誌
    2013年 142 巻 4 号 178-183
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    グルタミン酸は脳における代表的な興奮性神経伝達物質である.従来からの考え方では,前シナプス終末から放出されたグルタミン酸は,シナプス間隙の中に限局して「点と点」のシナプス伝達を担うものとされてきた.しかしながら近年,グルタミン酸がシナプス間隙から漏れ出しシナプス外領域に拡散することで,非シナプス性伝達が惹起されることを示唆する知見が得られてきている.このグルタミン酸による非シナプス性伝達はグルタミン酸
    スピルオーバー
    と呼ばれる.グルタミン酸
    スピルオーバー
    は様々な脳機能と病態に関与することが示唆され,新たな創薬標的としても期待される.電気生理学的現象を必ずしも伴わず,また空間的な拡がりを示すグルタミン酸
    スピルオーバー
    を解析するためには,グルタミン酸自体を直接可視化する新たな技術が不可欠であった.筆者らは新規に開発された蛍光グルタミン酸プローブEOSを応用し,脳スライス標本および生体内の脳において,グルタミン酸
    スピルオーバー
    を高解像度に可視化することに成功した.これにより,グルタミン酸
    スピルオーバー
    が生理的入力で惹起され得ることを初めて示し,またグルタミン酸
    スピルオーバー
    の様々な側面について定量的な知見が得られた.グルタミン酸やその他の伝達物質の動態を可視化する蛍光プローブの開発,改良,応用は各地で進められており,今後のさらなる展開が期待される.
  • 羽田 裕, 後藤 時政, 羽田野 泰彦
    日本経営診断学会論集
    2020年 20 巻 51-57
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/06/11
    ジャーナル フリー

    これまでオープンイノベーションの一つの形態として進められてきた「技術移転」を中心とした産学官連携は,大きな転換期を迎えている。経営資源の制約が大きい中小企業が,単独で新規事業化に向けて動き出すことは極めて困難である。そこで「場」での育成という観点を組み込んだ産学官連携のあり方を新たに検討していくことが求められる。育成型を進めるうえで産学官連携支援機関が,場をデザインするために地域の中小企業が事業化を目指していく方向性(ゴール)を示すことが重要となる。そこで本研究は,この方向性を示すために知的財産の一つである特許に着目し,企業等の特許出願の分析から技術・市場動向の予測を行い,事業化の可能性を秘めた潜在的市場を探索,抽出する手法を検討する。

  • 小泉 智恵, 菅原 ますみ, 前川 暁子, 北村 俊則
    発達心理学研究
    2003年 14 巻 3 号 272-283
    発行日: 2003/12/05
    公開日: 2017/07/24
    ジャーナル フリー
    働く母親における仕事から家庭へのネガティブ・
    スピルオーバー
    が母親自身の抑うつ傾向にどのような過程を経て影響を及ぼすのか,そのメカニズムを検討することを目的とした。仮説として仕事から家庭へのネガティブ・
    スピルオーバー
    の抑うつ傾向に対する直接的影響と,仕事ストレツサー,労働時間,子どもの教育・育児役割負担によって生起した仕事から家庭へのネガティブ・
    スピルオーバー
    が子育てストレス,夫婦関係を介して抑うつ傾向に及ぼすという間接的影響が提出された。方法は,小学校高学年の子どもをもつ有職の母親で配偶者のある者(246名)と同学年の子どもをもつ無職の母親で配偶者のある者(131名)を対象として質問紙調査をおこなった。有職母親群の分析結果で,分散分析により仕事から家庭へのネガティブ・
    スピルオーバー
    が多くなると抑うつ傾向が高くなるという直接的影響がみとめられた。パス解析により仕事ストレツサー,労働時間の増加によって生起した仕事から家庭へのネガティブ・
    スピルオーバー
    が多くなると,夫婦間の意見の一致を減少させ,子育てストレスを高めることを介して抑うつ傾向を上昇させるという間接的影響がみとめられた。考察では仕事から家庭へのネガティブ・
    スピルオーバー
    が抑うつ傾向に影響しないようにするには,夫婦関係と子育てに関して介入,支援をおこなうこと,仕事ストレツサーの低減と労働時間の短縮が有効である可能性が論じられた。
  • 斉藤 泰和
    水素エネルギーシステム
    2003年 28 巻 1 号 90-92
    発行日: 2003年
    公開日: 2022/07/21
    研究報告書・技術報告書 フリー

    2-プロパノール/アセトン系熱駆動型水素濃淡電池は100℃以下の低品位排熱を利用して電極間の熱力学的水素活動度比を元手に電気エネルギーを得る新規の熱電変換システムである。 負極触媒に水素

    スピルオーバー
    能を持たせると,水酸基とメチン基から解離した水素はそのままプロトンと電子に変わるのでそれだけ,水素分子からより有利である。負極での高い2-プロパノール脱水素能と水素
    スピルオーバー
    能をもつパラジウム系電極触媒は,
    スピルオーバー
    能を持たない白金系電極より優れた電流電圧特性を与えた. 開路起電力が反応の標準ギブスエネルギー変化⊿G0に依らず,電極触媒で決まることの現わ

    れである。

  • 中村 育世, 藤元 薫
    石油学会誌
    1995年 38 巻 5 号 291-299
    発行日: 1995/09/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    反応機構の解明と触媒設計への
    スピルオーバー
    , 逆
    スピルオーバー
    現象の応用例を筆者らの研究を中心に紹介する。活性炭上のパラフィンの脱水素反応は金属, あるいはその硫化物の添加により著しく促進された。添加物そのものは脱水素活性を持たないことから, それらが活性炭上の水素の気相への脱離を促進することにより脱水素活性が向上したものと説明される。ZSM-5による低級パラフィンの芳香族化反応も水素の逆
    スピルオーバー
    により促進され, Ga/Al2O3とH-ZSM-5を物理混合した触媒ではGa担持触媒と同等の活性, 選択性が得られた。
    スピルオーバー
    , 逆
    スピルオーバー
    システムの水素を反応に利用することも可能である。金属担持活性炭を触媒とする水素移行型重質油分解ではナフテン炭化水素の脱水素により生成した水素が硫黄化合物, 炭化水素ラジカル等に移行することにより低水素消費量で高品質の留出油が得られた。パラフィンの異性化, トルエンの不均化, あるいは水素化分解のような水素共存下の酸触媒反応はゼオライトへの金属触媒のハイブリッド化により促進された。
    スピルオーバー
    によりゼオライト上に導入された水素により酸点が形成されたと結論される。
  • *豊永 哲也, 山﨑 友香理, 森 浩亮, 桑原 泰隆, 山下 弘巳
    日本表面真空学会学術講演会要旨集
    2021年 2021 巻 2Da13S
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/24
    会議録・要旨集 フリー

    水素

    スピルオーバー
    は、担持金属粒子上で水素が結合開裂し、担体表面を流れていく現象である。本研究は、水素
    スピルオーバー
    を用いて、比較的温和な条件で還元型酸化チタンナノロッド光触媒を開発した。ESR測定の結果、水素
    スピルオーバー
    を用いた還元処理によってTi3+や酸素欠陥の形成が確認された。光触媒活性を調査した結果、低温で還元した試料の活性が最も高いことが分かった。

  • 成瀬 昂, 有本 梓, 渡井 いずみ, 村嶋 幸代
    日本公衆衛生雑誌
    2009年 56 巻 6 号 402-410
    発行日: 2009年
    公開日: 2014/06/13
    ジャーナル フリー
    目的 少子化の進む日本では,健やか親子21などの政策により父親の育児参加が推奨されている。父親の育児参加に関する研究では仕事の影響を考慮する必要があるが,仕事と家庭における役割の関係性(
    スピルオーバー
    )が父親の育児参加にどのように影響するのかは,明確にされていない。本研究では,父親の育児参加を育児支援行動と定義して,その関連要因を検討し,父親の育児支援行動と役割間のポジティブ
    スピルオーバー
    との関連を明らかにすることを目的とした。
    方法 A 市内の公立保育園17園と私立保育園14園に通う,1,2 歳児クラスの父親880人を対象に,無記名自記式質問紙による留め置き・郵送調査を行った。父親・家庭・多重役割に関する変数を独立変数とし,「母親への情緒的支援行動」,「育児家事行動」を従属変数とする階層的重回帰分析を行った。父親に関する要因,母親の職業を独立変数として投入した後(モデル 1),さらに仕事と家庭の両役割間のポジティブ
    スピルオーバー
    を追加投入(モデル 2)した。
    結果 189人の有効回答を得た(有効回答率21.4%)。重回帰分析の結果,母親への情緒的支援行動の実施にはポジティブ
    スピルオーバー
    の高さ,平等主義的性役割態度の高さが有意に関連していた。育児家事行動の実施にはポジティブ
    スピルオーバー
    の高さ,母親が会社員・公務員であることが有意に関連していた。
    結論 父親の育児支援行動は,父親の持つ特性や経験などの背景要因よりも,仕事と家庭の両立におけるポジティブ
    スピルオーバー
    との関連性が強かった。また,ポジティブ
    スピルオーバー
    が高いほど母親への情緒的支援行動,育児家事行動を行っていた。父親の育児支援行動を促進するための働きかけや政策を検討するためには,父親が仕事と家庭をどのように両立しているか,それによる影響を本人がどう捉えているかを考慮する必要性が示された。
  • 本郷 克浩, 家村 浩和, 五十嵐 晃
    地震工学研究発表会講演概要
    1995年 23 巻 505-508
    発行日: 1995/07/27
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
  • 田中 秀穂, 伊藤 愛, 寺西 豊
    年次大会講演要旨集
    2005年 20.1 巻 1D16
    発行日: 2005/10/22
    公開日: 2018/01/30
    会議録・要旨集 フリー
    Scientific Advisory Board (以下SAB) は企業に科学的助言を与える役割を果たすと共に、参加するアカデミア研究者にとってはビジネスを学ぶ場でもあり、双方向の知の連携の接点として重要である。我が国においても欧米のSABと類似の手法を、我が国の事情を反映させた最適な形で活用することが産学連携やベンチャー企業の活性化に有効である。
  • 伊藤 里菜, 池田 浩之
    認知行動療法研究
    論文ID: 21-014
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/02/22
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究では、夫婦間の家事・育児への感謝が、仕事と家庭の役割である

    スピルオーバー
    および補償を媒介して、夫婦の精神的健康につながるかを検討することを目的とした。就学前児をもつ夫婦115組への質問紙調査を実施し、共分散構造分析を行った結果、妻において、仕事から家庭へのポジティブ・
    スピルオーバー
    が高いほど夫に家事や育児への感謝をし、夫に感謝するほど家庭から仕事への補償が高く、精神的健康度も高いこと、夫において、仕事から家庭への補償が高いほど妻に家事や育児への感謝をし、妻に感謝するほど家庭から仕事へのネガティブ・
    スピルオーバー
    が低く、精神的健康度が高いことが示された。ここから本研究では、限定的な結果ではあるが、夫婦間で家事・育児への感謝をすることで仕事・家庭間の関係をポジティブに捉え、精神的健康が高まる可能性が示唆された。

  • 渡辺 千仭, 馬場 啓介
    年次大会講演要旨集
    1998年 13 巻
    発行日: 1998/10/24
    公開日: 2018/01/21
    会議録・要旨集 フリー
  • 浅岡 佐知夫, 正水 孝二, 藤元 薫, 功刀 泰碩
    日本化学会誌(化学と工業化学)
    1976年 1976 巻 3 号 388-393
    発行日: 1976/03/10
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    活性尿にCo,Cuなどを浸漬担持した触媒を用いて,400℃前後の水素の吸脱着とイソペンタンの脱水素反応を検討した。触媒活性と水素の吸脱着速度とめ間にはよい相関が存在した。水素吸着において,吸着速度は添加金属種・量に依存するが,平衡吸着量はそれらに依存しない。この結果から,“水素の
    スピルオーバー
    現象”を確認した。また,平衡吸着量の水素圧・反応温度依存から,活性炭上の水素は,金属粒子をとおして気相の水素と平衡状態にあることが示唆された。水素脱離は,イソペンタンの脱水素反応に各種の過渡応答法を適用し検討した。これから,この触媒系における“水素の逆
    スピルオーバー
    現象”が裏付けられた。
  • 北 真収, 渡辺 千仭
    年次大会講演要旨集
    2004年 19 巻 2I04
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2018/01/30
    会議録・要旨集 フリー
  • 大西 宏一郎
    研究 技術 計画
    2007年 21 巻 1 号 88-104
    発行日: 2007/03/29
    公開日: 2017/12/29
    ジャーナル フリー
    本稿では,わが国の主要液晶ディスプレイパネルメーカー20社に焦点を当て,研究開発における競合他社,製造装置・部品材料メーカー,米国メーカーからの知識
    スピルオーバー
    効果を分析した。本稿で得られた結論は,以下の通りとなる。多くの先行研究とは異なり,競合メーカーの特許出願が増加するほど,パネルメーカーの研究開発生産性が低下するという結果を得た。過度な競争によるマイナスの効果が知識
    スピルオーバー
    効果を上回っている可能性を示唆している。他方で,液晶ディスプレイを製造していない国内の製造装置・部品材料メーカー,米国メーカーの液晶関連特許の増加は,パネルメーカーの生産性を上昇させていることが明らかとなった。これは,研究開発段階での関連産業や米国メーカーからの知識
    スピルオーバー
    が重要であることを示しているといえよう。
  • Simon J.H. Liu, 七丈 直弘, 馬場 靖憲
    年次大会講演要旨集
    2007年 22 巻
    発行日: 2007/10/27
    公開日: 2018/01/30
    会議録・要旨集 フリー
    先端産業においては、企業は比較優位を獲得するために知識
    スピルオーバー
    が及ぼす効果を戦略に取り入れ、他への流出の制御と他から得た知識の活用(exploitation)を行っていく必要がある。
    スピルオーバー
    の量は、知識の質や制度的要因のみならず企業の空間的配置、すなわち立地選好によって大きく影響を受ける。本研究では、近年の改革開放政策によって海外企業の誘致と国内産業の成長を推進する中国を対象とし、国外企業の中国における研究開発拠点の設置における立地選好を分析することによって、日米の中国進出における戦略の相違を明らかにする。
  • 藤元 薫
    石油学会誌
    1984年 27 巻 6 号 463-471
    発行日: 1984/11/01
    公開日: 2008/10/15
    ジャーナル フリー
    白金等の水素解離能を持つ物質を担持した炭素は比較的高温において多量の水素を吸着する。吸着される水素量は担持される金属量よりはるかに多く, 金属原子1個に1個の水素が吸着すると考えた場合の10倍以上に達し, 炭素上に水素があふれ出したと考えざるを得ない (Fig. 2)。この現象は通常
    スピルオーバー
    現象と称される。活性炭における
    スピルオーバー
    の主たる特徴は以下のようにまとめられる。すなわち, (1) 水素の入口となる gate 物質は必ずしも金属である必要はなく硫化金属等水素を解離する能力を持てば良い。(2)
    スピルオーバー
    に関与するのは水素原子であり300°C以上で顕著となる。(3)
    スピルオーバー
    は可逆現象であり高温, 低圧の条件では炭素表面の水素は金属を経由して気相へ脱離する。(4) 炭素表面上の水素受容サイトは表面ラジカルと推定される。
    活性炭の表面そのものは400°C以上においてパラフィン炭化水素から容易に水素を引き抜いてオレフィンあるいは芳香族炭化水素とするが, 活性炭表面での水素原子の再結合, 脱離は遅い。しかしこの反応系にエチレンなどの水素受容体を導入すると表面水素は再結合することなくエチレンと反応してエタンとなり脱離する (Fig. 4)。このため水素の脱離が促進され, その結果反応速度が数倍向上するとともに活性化エネルギーも約10kcal/mol低下する。この現象は表面水素とエチレンとの反応の活性化エネルギーが脱離の活性化エネルギーより低いとの前提で理論的に解析された。
    コバルト, ニッケル, モリブデンあるいはその硫化物を担持した活性炭を触媒としてイソペンタンおよびシクロヘキサンの脱水素反応を行うと450°Cの触媒活性はおのおの5~10倍向上した(Table 1, Figs. 6, 7)。興味深いことに触媒活性は金属の担持率とともに上昇するが, 担持率1~2%程度で頭うちとなり, その天井値は金属の種類によらなかった。各種触媒の脱水素活性と400°Cにおける
    スピルオーバー
    の初期速度の間には良好な関係が存在し, 水素の移動速度と触媒活性の間に密接な関係が存在することが明らかにされた。これらの事実から金属担持活性炭の高い活性はパラフィン炭化水素から移動した水素が炭素表面上を移動して金属表面に移行し, そこに濃縮され, 次いで再結合して分子となり気相へ脱離するいわゆる逆
    スピルオーバー
    効果によって水素の脱離が促進されていることに基づくことが明らかとなった (Fig. 8)。この考察は活性炭上の水素の昇温脱離ピークが金属の担持によって低温側ヘシフトする事実によっても支持された。
    炭化水素中の水素を用いて脱硫反応を行ういわゆる水素移行脱硫に上記の逆
    スピルオーバー
    現象を応用することを試みた。すなわち逆
    スピルオーバー
    効果によって炭化水素から炭素へ移動し, 次いで金属上へ濃縮された水素を硫黄化合物と反応させる方法である。硫化処理金属-活性炭系触媒によりシクロヘキサン, あるいはデカリンを水素供与体として, 気相•液相で350~450°Cで反応がスムースに進行することが示された。チオフェン-デカリン系の液相反応において気相に水素が存在しないと390°Cではチオフェンの水素化分解に必要な水素の2.3倍の水素がデカリンの脱水素によって供給された。しかし適当な圧力の水素を共存させるとデカリンの脱水素量とチオフェンの水素化分解量とが一致し (Fig. 14), 反応前に仕込んだ水素とほぼ同量の水素が反応後に回収された (Table 3)。すなわちこの反応系では気相中の水素と炭化水素中の水素が触媒を介して可逆関係にあり, 硫黄化合物によって触媒上の水素が消費されると, 逆
    スピルオーバー
    効果により炭化水素から水素が補給される (Fig. 15)。
  • 荒井 俊之, 溝口 宏樹, 竹内 恭一
    建設マネジメント研究論文集
    2003年 10 巻 243-250
    発行日: 2003/11/25
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    昨今、公共事業を実施するにあたっては、透明性や説明責任の確保が重要な課題となっている。また、高度成長期を通じて大量に建設された土木構造物を適切に維持管理し、さらに必要な社会資本整備を着実に進めていくためには、成果重視・顧客重視の行政運営の視点に立ち、より一層のアカウンタビリティの向上と、効果的な社会資本のマネジメントを推進していく必要がある。そしてそのためには、社会資本ストックの量や状態を的確に把握し、適切に評価することにより、これをマネジメントツールとして活用することが求められる。
    本稿ではこれらの課題に応えるために社鎖本の管理に会計的視点を取り込んだ「インフラ会計」を構築することが必要であることを述べる。そして、「インフラ会計」の構築には、社会資本ストックの量や状態を適切に評価することが不可欠であるため、既往の社会資本ストックデータの課題を整理するとともに、事務所等で管理する台帳等をべースに、一部のインフラ施設についてストック評価額の推計を試み、今後の課題を明らかにした。
  • 田村 誠
    産業連関
    2002年 10 巻 3 号 37-46
    発行日: 2002年
    公開日: 2015/06/24
    ジャーナル フリー
     地球温暖化問題解決のための二酸化炭素(COz)排出削減対策の1つに技術革新が挙げられる。そこで本稿は,日本と中国を対象事例としてプロセス革新およびプロダクト革新による潜在的な
    スピルオーバー
    効果を測定し,技術革新によるCO2排出削減の産業部門への波及効果を分析した。その結果,産業部門によって革新の多様な影響力が存在すること,中国は日本に出べて
    スピルオーバー
    効果が大きいことなどが試算された。先行研究で指摘されているような限界削減費用の安さだけでなく,波及効果の観点からも中国における技術革新や技術移転の潜在的な有効性を示しているといえる。
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