本研究は、教育的な観点でゲームに関心を持ち、多様なゲーム経験を持つ人々を対象に、自身のゲーム経験を 振り返って、どのような学びや役に立つ経験を得たと認識しているかを調査し、認識されたゲームのタイプや学習の性質 の傾向を明らかにすることを目的に行った。202 件の回答データについて質的内容分析を行い、どのようなゲームからど のような学びにつながる経験を得たと認識しているかを分析し、考察を行った。その結果、ゲームプレイヤーがゲーム経 験を学習経験として認識するゲームジャンルや学習の性質の傾向が確認された。性別や世代などの経験してきたゲーム の違いの影響や、日常的なゲームプレイ頻度の違いが影響している可能性が示唆された。ゲームをプレイする頻度が少 ない人は情意領域の学習認識に寄りやすい傾向が見られるのに対し、ゲームをよくプレイする人の方が情意領域にとど まらず、より幅広い性質の学習を認識する傾向があることが確認された。
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