近年妊婦の肥満傾向が高まり, 妊婦水泳などの妊娠中のスポーツに関心が高まつている. そこで私たちは妊婦の運動時酸素摂取量を非妊婦と比較し, また母体運動の胎児心拍へもたらす影響を検討した. 運動負荷はトレツドミルにより1段階3分, スピードと勾配を漸増させ4段階(12分)行わせた. その結果母体酸素摂取量は, 運動開始直後より著しい増加を示し, その傾向は非妊婦よりも大であつた. 単位体重当りの運動時の酸素摂取量は, 妊娠週数による差位は僅少であつた, 妊婦の酸素摂取量は, 安静時では, 非妊婦より, 単位体重あたりではやや高く, 運動時には, 体重増加分に相当するだけの酸素摂取の増大を認める. 妊娠週数より, 妊婦の体重増加の方が酸素摂取量に関係が深い. 今回調査では運動中・後もfetal distressは起きず, 児はwell-beingであつた.
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