ライブストリーミングで生じるテキストチャットを介した視聴者同士のやりとりをめぐっては、全体的な視聴者数が小規模な配信の場合、相互に意味のあるインタラクションが生じ得る一方、大規模な配信の場合、実質的に相互に意味のない「テキストの滝」が形成されることが指摘されている。本研究では、YouTube Liveにおける日本語を話す配信者(バーチャルYouTuber)による「雑談配信」を対象として、1)「テキストの滝」を形成するコメントの特徴と、2)「テキストの滝」に対する配信者側のふるまいの特徴、の2点を量的・質的に分析する。視聴者が比較的多い10件(計10時間)の「雑談配信」の観察を通して、同じく視聴者間の関わりが乏しい中~大規模の配信でも1分あたりのコメントの数が非常に多い場面とそれほど多くない場面とでコメントの特徴が変わるほか、配信者の言及の仕方も違いが見られることを報告する。
抄録全体を表示