用を測定するための
in vitroの系を用い,数種色素および薬剤の両酵素活性に対する阻害程度を比較検討した。アクリジンオレンジ,エチジゥムブロマイド,メチレン青,ア
ズール
B,ア
ズール
A,ア
ズール
C,チオニンはP/D比10/2∼10/4で両酵素ともほぼ同程度に30∼70%阻害した。クロロキン,キナクリン,アクチノマノマイシンD,ルテオスカイリン,リファマイシンSVは大腸菌DNAの転写を阻害し,RDV-RNAの転写は全く∼ほとんど阻害しなかった。メチレン青などについては光化学反応を触媒することが知られているのでア
ズール
Bについて同じ,効果を検討した結果,20,000ルックス照明下ではP/D比10/0.06でRDV-RNA転写の50%阻害がおきた。反応液に含まれるXTPがP/D比(RNAの含むPと色素との分子比)の効果の解釈に混乱をおこすことをまぬがれるため,トリス-塩酸中にRDVと色素とを加えて照明し,のちに反応液に入れて酵素活性を測定したところ,P/D比10/0.015, 30分照明で50%阻害がみられた。RDV-RNAに色素を加えて照明するとグアニンだけが減少する。
32PラベルRDV粒子に色素を加えて照明すると,フェノール法抽出によるRNAの収量が減り,その減少分はタンパク分画に結合される。以上によりア
ズール
BはRDV-RNAの転写を,暗黒下においては塩基対間挿入により,照明下においては光化学反応を触媒することにより阻害し,後者の方がはるかに効果的である。罹病イネをア
ズール
Bで処理した場合,日中太陽光線下においては光化学反応による阻害が塩基対間挿入による阻害よりも優勢であると判断される。
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