プレートガーダー形式のクレーン走行ばりの下フランジの損傷のうちガ
セットプレー
ト端部から生じる疲労き裂に関して, 静的実験による応力集中の調査, および疲労実験によるき裂発生の検証結果より以下のことが明らかになった。1) ガ
セットプレー
ト端部の応力集中率(K)はRタイプ, Aタイプともt_g/t_fの値に影響され, 通常の板厚比(t_g/t_f=0.5〜0.75)ではR20で1.45〜1.50, R50で1.15〜1.35, R80で1.15〜1.2, A60, およびA90で1.4〜1.6, A120(ガセット形状II)で1.3〜1.5程度であった。2) ガ
セットプレー
トに作用する面外曲げモーメント(m/M=1〜4×10^<-3>)による付加応力の応力集中に与える影響は, Rタイプではガ
セットプレー
トの曲率半径による差異は顕著ではなく, (4)式第1項の値の5〜8%, AタイプではA60, およびA90で同値の約10%であったが, A120(ガセット形状II)では同値の約50%に達しその影響は大きい。3) ガ
セットプレー
ト端部から生じる疲労き裂はAタイプでは溶接の止端部, Rタイプではグラインダー仕上げによる粗面からで, 両方ともフランジ側縁から生じた。5×10^5<N<2×10^6の範囲では現行の鋼構造設計規準による許容応力度以下の応力度で破壊に至った。また, 200万回疲労強度はRタイプ(R50)で約1.13t/cm^2, Aタイプで0.95t/cm^2の値が得られた。4) ガ
セットプレー
トに面外曲げモーメントを作用させた, 疲労実験では, A120(ガセット形状II)において, き裂の発生, および破壊時期が早まるが, 他形状のものに対してはmによる顕著な差異は認められなかった。クレーン走行ばり等, 繰り返し応力を受ける鋼ばりの引張フランジのガ
セットプレー
ト端部から生じる疲労き裂に関しては, ガ
セットプレー
トの形状や端部の仕上げ処理によって疲労耐力は多少高まるが, 母材のそれと比較した場合には相当に疲労耐力は低下する。従って, 設計においては, ガ
セットプレー
トをスチフナに取り付けるなど, 直接に引張フランジに接合する方法はできるだけ避けるべきであろう。
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