我国の医学
雑誌
の草分けである東京医事新誌は明治10年に創刊され, 昭和35年に廃刊になるまで日本の医学
雑誌
の中心的存在であった。とりわけ, 初期の東京医事新誌は医学の発達と深く関係をもって創刊され, 発行されていった。
明治維新後の文明開化による西洋医学の紹介は各種の医学
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を通じて行われたが, 東京医事新誌は創刊者太田雄寧の我国医学の発展を願って欧米に比すべき
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として創刊された。医学の無秩序時代といわれた明治初期において「衛生局録事」を始めとする官令を載せ医学情報・医事衛生を普及すると共に, 西洋医学, 特に英米の医学を紹介し我国の医学の指標となった。また, 医学
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として, 年間の医事のまとめ, 総目次, 通し頁, 特集号など医学
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の基本を採用し, 我国の医学
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に大きな影響を及ぼした。
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