セルケムはエカケミカルスのエンジニヤリング会社としてパルプ漂白プラントでの様々な要求に応えるために異なる種類の二酸化塩素プロセスのマーケッティングを行っている。二酸化塩素プロセスの選択は原料コストと副生成物 (硫酸塩, 酸, 塩素) をパルププラント中でいかに利用できるかに大きく依存している。この報文ではいくつかのプロセスについて, 原料代及び用役費, 投資額及び固定費, 二酸化塩素製品品質, および運転の柔軟性について比較した。対象プロセスは次の三つである。
1. SVP-LITE
® プロセス (セルケム社のプロセス) またはR8プロセス現在世界で最も広く使用されているメタノールベースのプロセス。
2. HP-Aプロセス (セルケム社のプロセス) 過酸化水素ベースのプロセス。既設のR2/Mathiesonプラントからの転換が容易。
3. Integratedプロセス
二酸化塩素生成と塩素酸ソーダの電解及び塩酸合成とを組み合わせたプロセス。
比較検討の結果, 日本国内の殆どのケースではSVP-LITEプロセスが最も経済的に優れていることがわかった。またSVP-LITEプロセスは塩素を含まない二酸化塩素水を製造することからAOXの排出およびパルプ中の残存塩素を最小にでき, 液体塩素の使用を完全に止めることができる。さらにSVP-LITEプロセスの柔軟性と運転のし易さは, 原料と人員をパルプと抄紙プロセスに集中する必要がある工場では大きな魅力となる。
SVP-プロセス及びHP-Aプロセスは国内では保土谷エンジニアリングが販売している。
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