テレフタール酸(TPA)を添加した飼料を与えると,血漿内
チアミン
濃度増加が促進されることがわかつたので,飼料への添加量を段階的に減らし,
チアミン
濃度の増加がどうかわるかをしらべた.
80羽のニワトリ(ホワイトコーニッシュ(♀)とニユーハンプシヤー(♂)の交配種)を用い,
チアミン
塩酸塩(1mg/kg)を投与した後,6時間目の血漿内濃度を定量した.
TPA群における
チアミン
濃度の増加は,0.1,0.2および0.4%群において,対照群の3.2,2.2および3.3倍の増加がみられた.その結果,ニワトリでは,血漿内
チアミン
濃度の増加を促進するためには,TPAを0.1%添加することで,充分効果が期待できるものと思われる.
更に,TPAを添加した飼料を与えると,それだけで血漿内
チアミン
濃度が変化することがわかつた.0.1%群では増加し,0.4%群では,減少を示した.この0.4%群での血漿内濃度の減少は,投与
チアミン
による血漿内濃度増加が促進されることからみて,消化管からの吸収が抑制された結果と考えるよりも,体内での
チアミン
消費が増加したためか,あるいは,臓器内蓄積が増加した結果として起るものと考えられる
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