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クエリ検索: "チョウセンゴヨウ"
309件中 1-20の結果を表示しています
  • 沖津 進
    植生史研究
    2002年 11 巻 1 号 3-12
    発行日: 2002年
    公開日: 2021/06/16
    ジャーナル オープンアクセス
    最終氷期の本州に分布していた,
    チョウセンゴヨウ
    ,エゾマツ,バラモミ節樹木の針葉樹と落葉広葉樹との針広混交林の成立にはたす
    チョウセンゴヨウ
    の生態的役割を考察した。最終氷期の本州では,
    チョウセンゴヨウ
    やバラモミ節樹木が現在よりも豊富に分布し,
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林が低標高域を中心に広く分布していた。最終氷期の針広混交林の成立にはたす
    チョウセンゴヨウ
    の生態的役割を理解するために,シホテ-アリニ山脈北部アニュイ川流域の現生針広混交林で
    チョウセンゴヨウ
    と主要混交樹種との種間関係を整理した。そこでは,
    チョウセンゴヨウ
    が介在することによって落葉広葉樹の分布が抑制され,
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林が卓越し,
    チョウセンゴヨウ
    -エゾマツ林が落葉広葉樹林域にまで広がっていた。さらに,バラモミ節樹木の生態的性質を理解するために,北海道阿寒湖畔の現生針葉樹林における本節のアカエゾマツとエゾマツの樹形と樹高成長を比較した。湿潤立地では,エゾマツはアカエゾマツを凌駕して優占するが,乾燥立地では,アカエゾマツはエゾマツと混交した場合でも一定の優占度を確保することが明らかとなった。最終氷期には,
    チョウセンゴヨウ
    は,種間関係を通じて落葉広葉樹の分布を抑制し,エゾマツおよびバラモミ節樹木の分布量が増加する方向に作用し,最終氷期の針広混交林の成立に対して大きな生態的役割を果たしていたと考えられる。
  • 並川 寛司, 王 風春
    森林立地
    1996年 38 巻 1 号 35-42
    発行日: 1996/09/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    中国東北部,黒竜江省寧安県の小北湖林場の
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林に9方形区を設定し,樹高2m以上の個体について毎木調査を行った。
    チョウセンゴヨウ
    は山地斜面の優占種であると同時に,谷部の湿性の立地に優占するマンシュウカラマツやハルニレとも混交し,立地の乾湿条件に対して広い分布範囲を示した。山地斜面の適潤立地の
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林は2〜3層の階層をもち,高木層では
    チョウセンゴヨウ
    ,亜高木層あるいは低木層ではアムールシナノキとトウシラベ,低木層ではカエデ類が優占していた。
    チョウセンゴヨウ
    は,
    チョウセンゴヨウ
    優占林の低木ないし亜高木層に少数ながら出現するが,ギャップが認められる林分には樹高2m以下の稚樹が多数定着しているのが観察された。また,山火事跡地のチリメンドロ・コウアンシラカンバ林の下層に
    チョウセンゴヨウ
    が多数分布すること,および
    チョウセンゴヨウ
    優占林の林冠を構成する
    チョウセンゴヨウ
    がほぼ同齢であることから,この種は比較的小さな林冠の疎開,あるいは火災のような林冠の大規模な破壊の後に更新し,最終的に優占種となることが推定された。
  • 沖津 進, 百原 新
    森林立地
    1998年 40 巻 2 号 75-81
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    本州中部八ケ岳白駒池付近の成熟した亜高山針葉樹林で,岩礫地における
    チョウセンゴヨウ
    とその混交樹種の生育立地を調査した。全体での胸高断面積割合はコメツガが45%に達して最も優占し,シラベ・オオシラビソ,ダケカンバ・ネコシデやトウヒが続いた。
    チョウセンゴヨウ
    は8%で,出現は単木的であった。岩礫の分布量が少ない立地では,コメツガが優占するものの,シラベ・オオシラビソ,ダケカンバ・ネコシデ,トウヒが優勢に混交していた。
    チョウセンゴヨウ
    は殆ど分布しなかった。岩礫の分布量が多い立地ではコメツガが優占し,
    チョウセンゴヨウ
    がそれに次いだ。シラベ・オオシラビソ,ダケカンバ・ネコシデは出現が極めて制限された。岩礫の分布量が多い立地では,乾燥条件などによりシラベ・オオシラビソ,ダケカンバ・ネコシデの出現が極めて制限されるため,
    チョウセンゴヨウ
    の定着の機会が増加すると推察された。
  • *立田 悠土, 奈良 一秀, 阿部 寛史, 張 鵬翼
    日本森林学会大会発表データベース
    2023年 134 巻 P-439
    発行日: 2023/05/30
    公開日: 2023/05/30
    会議録・要旨集 フリー

    本研究で対象とする

    チョウセンゴヨウ
    はマツ科マツ属の樹木であり、大陸部には広く分布しているものの、日本においては分布域が縮小している。本種のようなマツ科に属する樹木の根には外生菌根菌が一般的に共生し、宿主樹木の成長や生存に重要な役割を果たしている。このため、
    チョウセンゴヨウ
    林の保全・拡大を行うためには、その菌根菌に関する科学的な知見が必要であると考えられる。本研究では、日本国内の
    チョウセンゴヨウ
    自生分布域全体を対象に(長野県西岳、愛媛県東赤石、長野県湯俣、栃木県西ノ湖畔)、外生菌根菌の群集構造や多様性を明らかにすることを目的とした。調査地から採取した菌根については、形態類別の後、rDNAのITS領域の塩基配列に基づいて菌種を同定した。その結果、4つの調査地から合計で約150種の外生菌根菌が確認され、西岳の多様性が最も高かった。群集解析の結果、他の
    チョウセンゴヨウ
    集団と地理的に大きく離れた東赤石の菌根菌群集は他地域の群集と大きく異なることが明らかにされた。バイオアッセイよって解析した外生菌根菌の埋土胞子には、
    チョウセンゴヨウ
    に共生するショウロ属も発見された。

  • 沖津 進, Pavel Vitalevich KRESTOV, 百原 新, 中村 幸人
    植生学会誌
    2016年 33 巻 1 号 33-43
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/07/01
    ジャーナル フリー
    1. ロシア沿海地方最南部ウスリー川源流域でチョウセンヒメバラモミ-
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林の土壌乾湿分布を調査し,その結果から中部日本山岳域の最終氷期以来の植生変遷を展望した.
    2. 土壌乾湿傾度に沿って,乾性から中湿性立地ではモンゴリナラが優占し,イタヤカエデ,ヤエガワカンバ,ときにアムールシナノキが混在する落葉広葉樹林に,
    チョウセンゴヨウ
    が混生,チョウセンヒメバラモミも点在分布するタイプの林分が分布していた.中湿性から湿潤立地ではチョウセンヒメバラモミが優占し,
    チョウセンゴヨウ
    が混在する針葉樹林に,イタヤカエデ,アムールシナノキ,ときにチョウセンミネバリが混在するチョウセンヒメバラモミ-
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林が成立していた.最も湿潤な立地ではドロヤナギ,ハルニレ,ヤチダモを主体とし,チョウセンヒメバラモミが散在する,よく発達した河畔林が成立していた.チョウセンヒメバラモミ-
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林全体としては乾性立地よりも中湿性から湿潤立地がより適した分布地といえる.
    3. 沿海地方のチョウセンヒメバラモミの土壌乾湿分布から,バラモミ節樹木は最終氷期時には,現在の分布とは異なり,斜面中・下部から渓流域の河岸段丘や氾濫原に分布の本拠があった可能性が高い.
    チョウセンゴヨウ
    は,チョウセンヒメバラモミと比べると,やや乾性な立地が分布適域であった.
    4. 中部日本の植生変遷を展望すると,最終氷期には,低地・低山帯では,大陸型の亜寒帯性針葉樹林要素とされたバラモミ節樹木,
    チョウセンゴヨウ
    が,実際には,中湿性から湿潤立地を中心に,異なる落葉広葉樹と混交しながら冷温帯林を構成していた.山地帯の乾性から中湿性立地には現在とほぼ同じ構成のトウヒ,シラベ,コメツガ,時にバラモミ節樹木,
    チョウセンゴヨウ
    を含む常緑針葉樹疎林が分布していた.湿潤立地にはハイマツ低木林やダケカンバ林,オオシラビソ小林分などが点在していた.これは現在のシホテ-アリニ山脈の垂直分布と類似しており,現存する植生垂直分布と整合している.
    5. 後氷期には湿潤,多雪化で土壌形成が進み,バラモミ節樹木や
    チョウセンゴヨウ
    は亜高山帯の岩礫地に追いやられた.とりわけ,バラモミ節樹木の衰退には多雪化が大きく影響した可能性がある.かわって山地帯では立地ごとに異なる落葉広葉樹林が低地・低山帯から広がった.
    6. バラモミ節樹木や
    チョウセンゴヨウ
    が分布する立地は大型植物化石が堆積・残存しやすく,そのために産出量も多くなる.一方,トウヒ,シラベ,コメツガが分布していた立地は大型植物化石が堆積しにくく,そのために産出量も少ないと考えられる.このことから直ちに,トウヒ,シラベ,コメツガが最終氷期当時,現在よりも分布量が少なかったとみなすことは危険である.
  • 沖津 進
    地理学評論 Ser. A
    1993年 66 巻 9 号 555-573
    発行日: 1993/09/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林は北東アジアに広く分布するにもかかわらず,これまで日本ではあまり着目されていなかった.ここでは,その分布や構造をシホテ・アリニ山脈での観察と文献資料に基づき紹介し,植物地理的な位置づけを議論した.その結果をもとに,北海道の針広混交林の成立と位置づけを展望した.
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林は,北海道と樺太南部を除く汎針広混交林帯(Tatewaki, 1958)のほぼ全域に普遍的に分布し,針広混交林の代表的なタイプとなっている.この林はマツ属樹木が主体であるにもかかわらず構造的に安定しており,極相林タイプである.
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林は移行帯的性格ではなく,独立した森林タイプとみなせる.一方,北海道の針広混交林はトドマツ,エゾマツと落葉広葉樹の混生から成り立っており,
    チョウセンゴヨウ
    が欠落したかたちとなっている.北海道の針広混交林の成立は後氷期以後のきわめて新しい時代であり,またそれは落葉広葉樹林帯と針葉樹林帯との間を覆う移行帯的性格の強い森林であると考えられる.
  • 崔 東寿, 戸田 浩人, 李 忠和
    日本緑化工学会誌
    2010年 36 巻 3 号 416-422
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/09/27
    ジャーナル フリー
    土壌酸性化により衰退現象が確認された韓国の安山工業団地内の森林土壌に石灰を添加し(0,2.0,3.0,4.0 ton/ha),森林土壌と
    チョウセンゴヨウ
    の成長及び生理反応に及ぼす影響を調査した。石灰添加3 年後,石灰添加量の増加と共に土壌pH は4.0 から4.9 付近まで有意に増加し,土壌呼吸量も有意に増加した(p<0.05)。土壌に添加した石灰量の増加と共に針葉中のリン濃度とクロロフィル(a+b)の含有量が有意に増加し,
    チョウセンゴヨウ
    の光飽和時とCO2 飽和時の光合成速度が高くなった。さらに,
    チョウセンゴヨウ
    の成長パラメータである,3 年生針葉の残存率と3 年生シュートの長さと根元直径は土壌に添加した石灰量の増加と共に有意な増加が認められた(p<0.05)。
    チョウセンゴヨウ
    の根と共生する外生菌根菌の感染率は土壌に添加した石灰量の増加と共に低下した。
  • 沖津 進
    地理学評論 Ser. A
    1999年 72 巻 7 号 444-455
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    八ヶ岳西岳の南西斜面標高1,900m付近にはミズナラ,
    チョウセンゴヨウ
    ,カラマツの3種が混交する,日本列島では特異な樹種構成の森林が分布している.ここでは,その林分構造を紹介し,日本列島の森林植生変遷史を理解する上でこの混交林が重要な位置にあることを指摘する。胸高断面積比ではミズナラが最も優占し,
    チョウセンゴヨウ
    は小径木が多い.カラマツは大径木が主体だが,小径木もある程度存在する.この混交林では優占3樹種がほぼ順調に更新している.このタイプの森林は日本列島ではほかには分布しない.一方,北東アジア大陸部ではこれと類似の森林が分布する.最終氷期の寒冷,乾燥気候条件下では中部日本にもこの混交林と類似する森林が分布していたと考えられる.その後の温暖,湿潤化に伴い,現在の位置に限定分布するに至ったと推察される.八ヶ岳西岳の南西斜面は現在でも比較的寒冷,乾燥気候下にあり,大陸型森林のレフュジーアとなり得る地域である.
  • 石川 幸男
    生態環境研究
    2002年 9 巻 1 号 App1-
    発行日: 2002/12/30
    公開日: 2018/04/10
    ジャーナル フリー
  • *伊藤 哲, 宗円 典久, Yi Myong-Jong, Jeong Mi-Jong
    日本森林学会大会発表データベース
    2010年 121 巻 Pa2-19
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/03/12
    会議録・要旨集 フリー
  • -北海道士幌町と音更町での例-
    中川 昌彦
    森林計画学会誌
    2019年 53 巻 1 号 21-24
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2020/03/04
    ジャーナル フリー
  • 福重 博正
    日本線虫研究会誌
    1990年 20 巻 18-24
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    クロマツ及び
    チョウセンゴヨウ
    において, マツノマダラカミキリのマツノザイセンチュウ保持数と材内線虫密度, 材の青変度およびカミキリの蜻室周辺におけるCemtocystis spp.の子のう果形成に関して調査した。
    チョウセンゴヨウ
    において, 材の青変度と材内線虫密度の間に正の相関がみられた。同時に, 青変度は, 材の含水率やCemtocystis spp.の子のう果形成量とも関連がみられた。カミキリの線虫保持数は, クロマツより
    チョウセンゴヨウ
    において有意に少なく, 後者の内, 含水率30%以下の丸太より羽化したカミキリの保持数は, 200頭以下であった。材内線虫密度, 蛹室周辺残留線虫密度及びカミキリ保持線虫数の問には, どちらの樹種においても有意な相関はみられなかった。
  • *佐々木 尚子, 高原 光, 林 竜馬, 中村 琢磨, 三宅 悠平, 岩井 悠人, 斎藤 俊彦, 杉田 真哉
    日本森林学会大会発表データベース
    2022年 133 巻 P-261
    発行日: 2022/05/30
    公開日: 2022/06/21
    会議録・要旨集 フリー

    花粉分析は、堆積物に含まれる花粉化石群集をもとに過去の植生を復元する手法であるが、分類群ごとに花粉の生産量や飛散性が異なるため、結果の定量的な解釈が難しい。近年、Landscape Reconstruction Algorithm (LRA; Sugita 2007a, b)によって、植生の定量的な復元をおこなうことが可能となった。そこで、LRAの主変数である各分類群の花粉生産量を推定する取り組みを始めた。今回は

    チョウセンゴヨウ
    Pinus koraiensis)について報告する。調査地は、九州大学北海道演習林内の
    チョウセンゴヨウ
    人工林である。2015年6月に、演習林内で開葯前の雄花試料を採取して、雄花あたり雄蕊数および雄蕊あたり花粉数を計数し、両者を乗じて雄花あたり花粉数を求めた。また、調査プロットに12基のリタートラップを設置して年間雄花落下数を求めた。その結果、雄花あたり花粉数は5.12±0.14×105粒、2015-2020年の6年間を平均した年間雄花落下数は1.24±0.13×107個・ha-1・year-1、両者を乗じて求めた年間花粉生産量は6.33±0.67×1012粒・ha-1・year-1と推定できた。
    チョウセンゴヨウ
    の花粉生産量は、国内のアカマツ林およびカナダ北西準州のPinus banksiana林と同等であった。

  • 石川 幸男, 沖津 進
    植生学会誌
    2002年 19 巻 1 号 43-53
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2017/01/06
    ジャーナル フリー
      1.中国黒龍江省,牡丹峰林場と大亮子河林場の発達途上の
    チョウセンゴヨウ
    林分において更新過程を調査し,十分に発達した
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林において観察されている林冠ギャップ内での更新過程との関係を明らかにした.
      2.牡丹峰の林分は調査した8方形区の平均胸高断面積合計が約38m^2/haと未発達であり,
    チョウセンゴヨウ
    の優占性も低かった.これに対して大亮子河の林分は,胸高断面積合計が3方形区の平均で約57m^2/haと牡丹峰より発達しており,
    チョウセンゴヨウ
    の優占性が約70%と高かった.
      3.成長錐コアによる年輪調査から,牡丹峰においては1950年代の山火事をきっかけとして,実生,前生稚樹双方に由来する一斉更新が起こっていた.また前生稚樹として待機していた長さは,最大で約100年に及んでいた.一方,大亮子河では1820年代から1860年代にかけて,現在の林冠層で優占する個体が定着していた.
      4.これら一斉更新後の発達途上にある2林分では,閉鎖林冠下において
    チョウセンゴヨウ
    の実生や稚樹はごく少なく,林冠がいくらか疎開している部分にわずかに見られた.
      5.林齢約50年の牡丹峰の林分のみならず,より老齢の個体から構成されている大亮子河の林分においても,林冠構成個体の樹冠サイズは
    チョウセンゴヨウ
    の定着に適した林冠ギャップサイズよりは小さかった.このため,単木枯死による林冠ギャップが形成されても実生の定着は起こりにくいものと考えられた.
      6.調査した2林分に見られたような一斉更新後の発達途上の同齢的な林分では,次世代のリクルートは大規模撹乱に伴う次の一斉更新に依存する.これに対して,同齢林が十分に発達して初代の個体が林冠で枯死する段階まで移行できれば,単木的な林冠ギャップによる更新が可能となり,異齢的な齢構造をもつ森林へと移行すると結論した.
  • Coleosporium eupatorii A.の小生子感染の有効距離について
    佐保 春芳
    日本林学会誌
    1963年 45 巻 1 号 20-24
    発行日: 1963年
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    Coleosporium eupatorii A.小生子がストローブマッおよび
    チョウセンゴヨウ
    の針葉へ侵入することのできる有効感染距離の測定が.行なわれた。
    若い造林地を全刈りした場合に,刈りはらいを行なわない地区との境界から約5mの有効感染距離があることが見出された。またヨツバヒヨドリバナを若い造林地内に移植して感染距離を測定した場合にも,ストローブマツに対しては3~4m,
    チョウセンゴヨウ
    に対しては5m以上の測定結果を得た。
    従って,葉さび病防除の目的をもって全刈りを行なう場合はストローブマツの造林地の端から5m離なれたところまで全刈りしなければならない。
  • 浅利 裕伸, 吉峯 ゆかり
    森林野生動物研究会誌
    2019年 44 巻 15-20
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2023/05/02
    ジャーナル フリー
  • 沖津 進
    植生学会誌
    1997年 14 巻 2 号 129-139
    発行日: 1997/12/25
    公開日: 2017/01/06
    ジャーナル フリー
      1.シホテーアリニ山脈北部を西流するアニュイ川流域の森林植生を,主要林冠優占種の変化に着目して,上流部から下流部にかけて300kmに渡ってゴムボートで川下りしながら観察した.アニュイ川流域はこれまで詳しい植生状況がほとんど知られていなかった地域である.
      2.林冠優占種に基づいて区分すると,移行帯も含めて以下の4タイプの森林帯が上流から下流に向かって識別できた : グイマツ優占林帯,エゾマツ優占林帯,
    チョウセンゴヨウ
    -エゾマツ-トウシラベ林帯,
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林帯.樹木分布の上での大きな特徴は
    チョウセンゴヨウ
    が広い範囲に渡って量的に多く分布し,最も主要な森林構成種となっていることである.
      3.北東アジアの水平分布と対応させると,アニュイ川流域の森林垂直分布の特徴は,水平的には接している
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林とグイマツ優占林との間に,エゾマツ優占林が割り込んでいることである.このことの背景として,アニュイ川が流れるシホテ-アリニ山脈の西側は地勢的に大陸部の平地から沿岸部の山岳域に移り変わる地域に当たり,大陸部では欠けているエゾマツが現れ出すことが挙げられる.
      4.アニュイ川流域の森林分布を北海道の森林分布と比較すると,エゾマツ優占林が共通する以外は,両者はかなり異なり,北海道の方がより複雑である.これは,北海道が海洋性気候の影響を受けていることによるものと推察される.
      5.アニュイ川流域の
    チョウセンゴヨウ
    -落葉広葉樹混交林は我が国における最終氷期以来の植生変遷を理解する重要な鍵となるものである.
      6.最後に,アニュイ川流域の森林を慎重に保護することの重要性を指摘した.
  • 崔 東寿, 香山 雅純, 陳 鉉五, 李 忠和, 小池 孝良
    日本林学会北海道支部論文集
    2003年 51 巻 58-60
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2018/04/04
    ジャーナル フリー
  • 中川 昌彦
    森林計画学会誌
    2019年 52 巻 2 号 75-81
    発行日: 2019/04/25
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー

    十勝平野北部の北海道士幌町上居辺で2016年冬から2017年春に発生した冬期乾燥害による常緑針葉樹の耕地防風林の枯損状況を調査した。サンプル数はトドマツで8帯,924本,アカエゾマツで1帯,243本,

    チョウセンゴヨウ
    で8帯,923本,リギダマツで1帯,143本であった。8帯中3帯のトドマツで,924本中の6%に枯損がみられたが,他樹種の枯損はみられなかった。本調査の結果,十勝平野にトドマツを植栽した場合には,過去に報告されてきた造林地や防風保安林以外に耕地防風林においても冬期乾燥害がおきること,及び寡雪年だけでなく平均的な降雪量のある年でも常緑針葉樹の耕地防風林に冬期乾燥害が発生すること,の2点が明らかになった。

  • *逢沢 峰昭
    日本森林学会大会発表データベース
    2010年 121 巻 F02
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/03/12
    会議録・要旨集 フリー
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