家庭用の無塩バターと無塩マーガリンを試料としてバターグリームをつくり, 攪拌温度・時間とクリーミング性の関係, および異なる攪拌温度によるバタークリームの物理的性質と, 絞り出した
デコレーション
用星形とバラ形の外観についての官能検査の関係について検討し, 次の結果を得た.
1) 適温 (バター : 25℃, マーガリン : 20℃) に保持して攪拌したバタークリームのクリーミング価は最高値を示し, 高温すぎたり低温すぎるときはクリーミング価は小さい.
バターもマーガリンも約30分の攪拌時間で最高のクリーミング価に到達する.
2) 適温で攪拌したバタークリームは, 星形の官能検査の評価で最高点が得られ, バラ形では適温よりやや低い攪拌温度のとき, 官能検査の評価で最高点が得られる.
3) 官能検査の評価で最高値が得られたバタークリームのクリーミング価, 粘稠度および同温度における原料油脂のSFIについては, バター, マーガリンの間の差はあまり大きくない. しかし攪拌温度が変わることによる官能検査の評点, クリーミング価, 粘稠度, SFIの変化は, バターによるものが, マガーリンによるものより大きい.
4)
デコレーション
用として実際にバタークリームを調製するときは, パターでもマーガリンでも, それぞれに適した温度を考慮して攪拌と絞り出しを行えば, 好ましい結果がえられる.
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