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  • 谷口 理恵, 重高 美紀, 井上 陽子, 岩崎 奈可子, 太田 美枝子, 増野 和子, 宮原 静, 重高 誠
    日本プロテオーム学会大会要旨集
    2019年 2019 巻 2019
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/10/25
    会議録・要旨集 フリー
  • 角田 弘子
    データ
    分析の理論と応用

    2020年 9 巻 1 号 49-61
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2020/10/06
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    2015 年9 月の国連サミットにおいて「持続可能な開発のための2030 アジェンダ」が採択された.これを契機に日本でも関係省庁が連携し政府一体となった取り組みとして,持続可能な開発目標が設定され,貧困,飢餓,エネルギー,気候変動,平和的社会など地球規模の課題を解決する17 の具体的な行動目標が定められ,その実現に取り組んでいる.本研究ノートでは,このような視点にたって,国内外の調査をもとに,日本におけるジェンダーと環境の問題に焦点をあて考察した.どのような貢献が可能であるか調査の動向と合わせ報告する.

  • —2013 年~2019 年の現地視察リポート—
    陳 艶艶
    データ
    分析の理論と応用

    2020年 9 巻 1 号 27-47
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2020/10/06
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    本稿では,中国の一般的な農村の1 つである北陳村の2013 年から2019 年にわたる現地視察で収集した資料の一部を紹介しながら農村の自然環境の現状と変化を考察した.ゴミや水環境といった環境問題のみならず,インフラの整備や文化の発信など農村社会のさまざまな関係性を視野に入れ,中国政府の農村政策と現地の人々の生活や意識を概観した.現地における社会的・環境的変動を考察することで,人々の環境意識と行為の特徴を浮き彫りにした上で,近い将来に厳密な統計的調査に基づく研究へと進むための方向性も示唆した.

  • —世論の表層と基底—
    吉野 諒三, 陳 艶艶, 鄭 躍軍, 林 文
    データ
    分析の理論と応用

    2020年 9 巻 1 号 13-26
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2020/10/06
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    本稿では, 歴史や文化を含む社会経済的・環境的要因をも考慮しながら,環境配慮に関する人々の行動が実効性を持つようなメカニズムを探索する中で, 現在の「環境問題」自体が内包する問題や課題について考察を巡らせる. 特に, 常に現実の政策立案と密接に研究を推進していた林知己夫による人々の意識の表層と基底の区別や意識調査一般についての知見にも留意し,環境問題について具体的に実効性のある方策とは如何にあるべきかに思いを巡らせる.

  • 柳 燁佳, 金 明哲
    データ
    分析の理論と応用

    2020年 9 巻 1 号 1-11
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2020/10/06
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    菊池寛には代筆疑惑を持つ作品がいくつか存在し,連載小説「受難華」がそのなかの1 つである.本研究の目的は,「受難華」の真の著者を明らかにすることである.「受難華」の代筆疑惑は川端康成の証言によって発覚した.川端によれば,「受難華」は横光利一の代筆であるが,他に代筆説を支持する証拠がないため,「受難華」の代筆問題が未だに解決されていない.

    本稿では,計量文体学のアプローチで「受難華」の代筆問題を検証した.具体的に,菊池寛と横光利一のそれぞれ32 作品と「受難華」の22 回分の連載(全集では69 節からなるが,ごく短い節もあるため,連載時の回単位で分割した)から集計した読点の打ち方,形態素の品詞タグのbigram と文節パターンの特徴量

    データ
    に対して,階層的クラスター分析,主成分分析,そしてランダムフォレスト,サポートベクターマシンをはじめとする7 つの分類器を用いて統合的に著者判別を行った.その結果,「受難華」の各回は菊池寛の作品だという結論に至った.

  • 西里 静彦
    データ
    分析の理論と応用

    2019年 8 巻 1 号 47-57
    発行日: 2019/06/01
    公開日: 2019/11/22
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    半世紀にわたる数量化理論の仕事で,取り残した一つの課題がある.それは1989 年にGreenacre の強烈な批判で失墜したCGS スケーリングを擁護する論文を書くという今は亡きCarroll への約束である.それは,分割表の数量化で得られる行と列の最適変量を,いかに同一空間に表現するかというグラフ法の問題である.行と列の変量は行と列の相関が1 でない限り同一空間にない.それにも拘らず,すべての場合に行と列を同一空間にプロットするという方法が,半世紀の間に定着化してしまった.その打開策として提起されたCGS スケーリングは握りつぶされ,そのあとCGS スケーリング正当化の論文を出すことは困難を極めた.本文は現在数量化理論の砦としてかまえる同時グラフ法の強固な壁を乗り越え,正当な同時グラフには2 倍の空間が必要であることを示した.残念ながら,CGS スケーリングは2 倍の空間を考慮しなかったためにGreenacre の批判に屈した.本論文の空間2 倍説に対し読者の理解が得られ,現在広く使われている対称グラフ法(フレンチプロット)と非対称グラフ法を批判の目で見直してくれれば何よりである.

  • 吉野 諒三, 田中 康裕, 小出 哲彰, 稲垣 佑典, 芝井 清久, 前田 忠彦
    データ
    分析の理論と応用

    2019年 8 巻 1 号 3-24
    発行日: 2019/06/01
    公開日: 2019/11/22
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    公開

    データ
    利用促進の任務を担う情報・システム研究機構
    データ
    サイエンス共同利用基盤施設のプロジェクトの一部として,2018 年3 月13 日「第2 回人間・社会
    データ
    構造化シンポジウム」が開催された.特に,社会調査
    データ
    の公開における個人情報保護等の法的規制と倫理的指針について,同施設の社会
    データ
    構造化センターの法律アドバイザーである牧野二郎弁護士により,一般公開の特別講義が行われた.講演に先立ち,同センターの研究者たちとの協議を経て,牧野総合法律事務所により講演資料が用意された.本稿は,筆者らがその資料を改稿し,シンポジウムでの討議や,2018 年5 月よりEU で施行されているGeneral Data Protection Regulation(一般
    データ
    保護規則)など関連資料やその後の推移の確認などを含め,官民学の社会調査関係者向けに概説したものである.

    現実の法律の執行は,各研究者の解釈や意図とは必ずしも完全には一致しないこともあり得るが,本稿は実証的

    データ
    に基づく人文社会科学の発展や政策立案を促進するための参考としてまとめた.

  • —日本人の国民性調査からの知見—
    Wolfgang Jagodzinski, Hermann Duelmer, 稲垣 佑典, 前田 忠彦
    データ
    分析の理論と応用

    2019年 8 巻 1 号 25-46
    発行日: 2019/06/01
    公開日: 2019/11/22
    ジャーナル フリー HTML

    Yamagishi & Yamagishi は,アメリカと比べて日本では一般的信頼が低いことを示したうえで,日本社会で広く見られる長期的なコミットメント関係が,一般的信頼の欠如をもたらしたと考察した.

    これに対して本研究は,「日本人の国民性調査」の二次分析を通じて,日本におけるコミットメント関係への選好が過去35 年ほどの間に一般的信頼の水準に強い影響を及ぼしたという仮説に疑問を投げかけるものである.

    なお,分析からは,一般的信頼と以下のような事柄との関連性が示唆された. ①一般的信頼は「年齢」によって弱い正の影響を受けるが,「教育」によって強い正の影響を受ける.したがって,教育機会の拡大と政治的関心の広がりによる「認知動員」の上昇や日本社会の高齢化の過程は,一般的信頼の向上をもたらした可能性がある.②都市化の影響については,依然としてあいまいなままであった. ③「性別」について、初期の調査時点では女性の一般的信頼は低かったが,1990 年頃になるとこのような性差は消失した.

    ただし上記の変数は,いわゆる「失われた10 年」や2008 年の世界的な経済危機の影響によって生じたと考えられる,1990~2008 年の一般的信頼の低下を説明するものではなかった.

  • 林 拓也
    データ
    分析の理論と応用

    2018年 7 巻 1 号 9-19
    発行日: 2018/08/01
    公開日: 2019/06/18
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    クラスター分析手法のひとつであるReduced K-means法では,多変量

    データ
    を縮約した部分空間を構成する次元軸と,その次元空間におけるクラスター中心が同時に推定される。本稿では,大規模な社会調査
    データ
    にこの手法を適用した分析例を示しつつ,K-means法や主成分分析を併用したタンデム・クラスタリングによる結果との比較を行い,その有効性について論じる。また,この手法では,次元数およびクラスター数の設定について選択の余地があるので,最終的にどの解を採用するかを決定するための判断基準が必要となる。その点について,客観的なクラスター評価指標に基づく検討を試みる。

  • —中国の北京と杭州を事例として—
    陳 艶艶, 鄭 躍軍
    データ
    分析の理論と応用

    2018年 7 巻 1 号 43-63
    発行日: 2018/08/01
    公開日: 2019/06/18
    ジャーナル フリー HTML

    本研究では,異なる経済開発と環境の現状に置かれている中国の南北の都市を代表する北京市と杭州市を対象に,人々の環境意識と環境保全行動の実態を調査

    データ
    の分析により解明すると共に,それぞれの環境意識の構造的特徴及びそれに影響を与える社会的・環境的要因を明らかにする.調査
    データ
    の分析結果により,深刻な環境状況に直面している中国では一般市民の環境への関心が強いと同時に,環境問題の解決に科学技術の進歩に対する期待感が高いことも示された.また,杭州に比べ,北京では環境満足度が低く,環境悪化に対する不安感が高く,より多くの市民が環境保全行動に取り組んでいる傾向が見られた.これは両地域の環境現状の差が生み出したものと考えられる.多重対応分析の結果により,高年層,低学歴層,また低収入層に属する人々を中心的な対象とし,環境教育を強化し,環境意識を改善することが効果的であると結論づけた.また,ロジスティック回帰分析の結果により,地域の事情に合わせて環境保全活動を喚起する必要性が浮き彫りになった.

  • —職業コーディングを例として—
    高橋 和子
    データ
    分析の理論と応用

    2018年 7 巻 1 号 21-42
    発行日: 2018/08/01
    公開日: 2019/06/18
    ジャーナル フリー HTML

    社会調査において収集された自由回答を基礎

    データ
    として統計処理に用いるには,アフターコーディングを行って,事前に設定されたコードのいずれかに分類する必要がある.しかし,回答に含まれる情報が曖昧であったり不足する場合は,コーダの負担が大きいだけでなく,誤ったコードに分類される可能性がある.このような事態を回避するには,
    データ
    収集の時点で,コードの決定に必要な情報が含まれている必要があるが,これを回答者や調査員に要請するのは容易ではない.本稿では,調査員が調査現場にコンピュータを持参して回答を入力すれば,その場で情報不足か否かを判定し,情報不足と判定した場合は回答者に追加の質問を行って必要な情報を収集する処理を自動的に行うシステムを提案する.提案システムは,一連の処理の中で,機械学習の適用により確信度を付与したコードを出力するため,調査現場で基礎
    データ
    を提供できるという利点もある.現在,アフターコーディングの代表である職業コーディングを対象にシステムを構築中で,一部人手を介した実験ではあるが有効性が示唆された.今後の課題は,システムの実装を完成させて評価を行った後,汎用化を進めることである.

  • 椎名 久美子, 宮埜 寿夫, 荒井 清佳, 桜井 裕仁, 伊藤 圭, 小牧 研一郎, 田栗 正章, 安野 史子
    データ
    分析の理論と応用

    2017年 6 巻 1 号 83-99
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    大学で学ぶための基本的能力を「言語運用力」と「数理分析力」という2つの分野で測定しようとする試験に関して,2値の得点

    データ
    の多重対応分析によって問題項目の特徴を検討した.各問題項目には,測定しようとする能力を分類したラベルを付し,多重対応分析の3次元解と対応させて,各次元を解釈した.1 次元目は総合的な学力評価を表す次元,2次元目は,数や式の扱いや比較的単純な法則を理解する能力を要する項目と,論理性の強い問題を解決する能力を要する項目を区別する次元と解釈した.3次元目は,より高次の思考を要する項目かどうかを区別する次元と解釈した.3次元までの累積説明率は低く,
    データ
    の縮約はあまり効率よく行えていないものの,全体として,測定しようとする能力の分類に沿った解釈が可能であり,分析対象とした問題冊子は妥当な構成になっていると思われる.本研究は,試験の開発サイクルの一端を担うものであり,試験の改良のためには,難度の高い項目の開発や,幅広い能力のモニター受検者の解答
    データ
    の収集を行うことで,受検者の能力の識別に貢献する問題を増やす必要がある.

  • —英語文章読解テストを用いた実証的検討—
    寺尾 尚大, 石井 秀宗, 野口 裕之
    データ
    分析の理論と応用

    2017年 6 巻 1 号 63-82
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    本研究の目的は,英語文章読解テストにおける錯乱枝(多くの受検者に選ばれ,受検者の典型的な誤りを反映した誤答選択枝)の選択率に対し,キーセンテンス(選択枝に関連する文章中の文)と錯乱枝との語の重複・設問タイプが及ぼす影響を,能力群別に検討することである.本研究で検討した設問タイプは,文章中に明示されている情報についての理解を問う下位レベル設問と,文章の構造やテーマの理解を問う上位レベル設問の2 種類である.大学生460 名に対し,本研究の目的に合わせて作成したテスト冊子への解答を求めた.実験操作を行った項目では,正答選択枝1 つに加え,否定語を含む錯乱枝・対義語を含む錯乱枝・因果関係の取り違えを含む錯乱枝の計3 つを受検者に提示した.階層ベイズモデルによるパラメタ推定の結果,下位レベル設問において,能力低群では語の重複を含む錯乱枝の選択率が高かったが,能力高群では語の重複を含まない否定語錯乱枝・対義語錯乱枝の選択率が高かった.一方,上位レベル設問では,語の重複に関して下位レベル設問とは逆の結果が得られた.本研究の結果から,今後の項目作成の際,下位レベル設問では語の重複を含む錯乱枝を,上位レベル設問では語の重複のない錯乱枝を作成すれば,英語文章読解項目が受検者の認知過程を反映し,識別力を向上できる可能性が示唆された.

  • —記述形式の解答方略に着目した分析—
    安野 史子, 宮埜 寿夫
    データ
    分析の理論と応用

    2017年 6 巻 1 号 47-61
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2020/04/02
    ジャーナル フリー HTML

    記述形式の数学試験において,どのような解答方略であっても,正解までの論理的な筋道が示されていれば,同じ評価(得点)が与えられる.しかし,採点過程で,誤答や解に至らなくても,数学的思考力・判断力・問題解決能力等を評価するに値する解答があることは採点者間では既知の事実である.そこで,本研究では,記述形式の数学試験の解答方略に着目し,「得点」とは異なる評価を探ることを目的とし,記述形式の答案を解答方略別に分類し再分析を行った.その結果,解答方略によって,学力レベル(得点)に違いがある問題や,問題の正誤よりも解答方略の方が学力レベル(得点)に違いがある問題が観察できた.

  • 坂本 佑太朗, 柴山 直
    データ
    分析の理論と応用

    2017年 6 巻 1 号 31-45
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    テストが測定すべき心理学的な特性が多様化してくるにしたがって,「テスト(項目)はそもそも何を測っているのか」という構成概念に関する精緻な検証が求められている.最近では,その手段として多次元IRTが注目されてきており,これまでそれほど測定論的な関心が注がれてこなかったテストの下位領域についての定量的な検証の必要性も指摘されている.そこで本研究では,わが国の学習指導要領に則って作成された平成18年度新潟県全県学力調査における中学校2年生数学

    データ
    (N=9,102)に対して,多次元IRTを使って下位領域特有の影響について定量的に検証した例を示す.その結果,テスト全体が測定する「数学力」よりも下位領域特有の影響を強く受けている項目は25項目中2項目存在し,その内容は定性的な観点からも妥当であることが確認できた.つまり,多次元IRTを用いることにより,テスト項目の測定内容に関して項目レベルで次元に応じた情報が得られることを意味し,今後のテスト
    データ
    分析においても,単にIRTモデルを適用するだけではなく,多次元IRT分析にもとづくより精緻な妥当性検証が可能であることが示された.

  • —能研テスト昭和39 年・40 年連続受験者の得点分析—
    木村 拓也, 安野 史子, 荒井 克弘
    データ
    分析の理論と応用

    2017年 6 巻 1 号 3-19
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    本稿の目的は,臨時教育審議会から議論が繰り返されてきた大学入学者選抜制度における「複数回受験」について実

    データ
    で分析することにある.「複数回受験」の是非を吟味する分析視角は,「複数回受験」した場合,1. 入学者選抜が総合順位で決定されるため,その成績間において相関関係が担保されているか否かの検証(順序性の評価),2. 得点変化がみられた場合,それが真に得点の伸長や低下を表すのか,それとも回帰効果に過ぎないのかの検証(回帰効果の評価),3.「複数回受験」の成績が大学入学後の成績をどれほど効率よく説明するのかに関する検証(予測的妥当性の評価)である.過去の能研テスト成績を分析した結果,1. 事前テスト(高校2年時)の成績と事後テスト(高校3 年時)の成績との相関が決して低くなく,順位でみても7 割の確率で結果が入れ替わらない,2. 2 回のテスト得点の差分があったとしても最大4 割2 分,平均で2 割6 分程度が回帰効果で説明可能である,3. 事前テスト(高校2 年時)の成績を組み入れても入学後成績の説明率(寄与率)は向上せず低下することが分かった.

  • —テスト理論の活用を目指して—
    水本 篤, 脇田 貴文, 名部井 敏代
    データ
    分析の理論と応用

    2017年 6 巻 1 号 21-29
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    大学入試は受検者の今後に大きな影響を与えるハイステークス・テストであるが,一般的に情報の開示が難しいため,その品質保証のためにテスト理論を活用してテスト自体の改善を行うという取り組みはこれまでに報告されていない.そこで本研究では,現行の関西大学英語入試問題実施

    データ
    を分析し,その構造的妥当性を検証した.また,受検者の各問題セクションの合計得点が,テストの総合計点にどのように寄与しているかを探った.多次元項目反応理論による分析の結果,一般因子である英語総合能力とセクションや英文素材を反映した下位領域特有の因子による双因子モデルが支持され,現行の英語入試問題形式の構造的な側面の妥当性が確認された.また,特定セクションの合計得点が英語入試における受検者の能力弁別に役立っていることが示された.同時に,現行の英語入試問題作成における課題も明らかになったため,今後の大学入試問題作成や分析でテスト理論をより活用していくことにより,テストの品質改善が可能であることが示唆された.

  • 小方 博之, 赤間 操, 鈴木 聡
    データ
    分析の理論と応用

    2017年 6 巻 1 号 127-139
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    筆者らは,自宅受験のような監督者不在のオンライン試験において,不正行為判別を自動化する方法について検討している.受験時に行われる不正を自動検出できるようになれば,評価への信頼を保つことにつながり,オンライン試験の公平性を高められる.ここでは,受験者の眼球運動に着目し,イヤホンなどを使用した聴覚利用型不正行為をアイトラッカによって判別する手法を提案する.受験者が課題文を読み,解答する形式の試験を想定し,課題文を普通に読解する課題と,読解偽装しながら音声課題を聴取する二重課題を設定して眼球運動特性を比較し,提案手法の有効性を検証する.

  • 北條 大樹, 岡田 謙介
    データ
    分析の理論と応用

    2017年 6 巻 1 号 113-125
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2020/04/02
    ジャーナル フリー HTML

    評定尺度を用いたテストや調査は幅広い分野で利用されるが,得られた

    データ
    は本来測定したい構成概念だけでなく,回答者の反応傾向をも反映してしまうという問題点がある.この両者を分離可能な
    データ
    収集法として係留寸描法が提案されており,とくに近年,現代テスト理論に立脚した係留寸描
    データ
    のベイズ多次元IRT 型モデルが提案された.こうした中で,本研究では先行研究を3 点において拡張した.第1 に,数値的なベイズ推定法および予測の観点からみて妥当性の高い情報量規準である,WAIC とPSIS-LOO を用いたモデル選択を導入した.第2 に,項目パラメータと回答者パラメータの双方を含んだ多値型の2 次元IRT モデルのような複雑な構造に適する,ハミルトニアンモンテカルロ法を用いて事後分布からのサンプリングを行った.第3 に,提案手法を2 つの新たな実
    データ
    に適用し,結果の汎用性を検証した.その結果,いずれの
    データ
    においても,提案手法を用いた係留寸描法による補正の効果が明確に示された.評定尺度を用いた計量分析における,回答者の反応傾向を用いて素点を補正することの重要性と,現代テスト理論に基づくモデルの有用性が確認された.

  • 荒井 清佳, 宮埜 寿夫
    データ
    分析の理論と応用

    2017年 6 巻 1 号 101-112
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2020/04/02
    ジャーナル フリー HTML

    多肢選択式は,客観式テストにおいて最も多く利用されている問題形式である.その多くはあらかじめ受験生に正答選択肢の数が示されているが,正答選択肢の数があらかじめ示されておらず「適切なものをすべて選べ」と問う問題形式もある.このような形式の問題の採点方法については様々な方法が提案されているが,最適な方法については定まっていない.

    これまで提案されてきた方法の多くは,正しい判断をした選択肢の数や選択した正答選択肢の数などに基づいて部分点を与える方法である.本研究では,受験者による選択肢の選択を0/1

    データ
    が並んだ解答パタンとして捉え,正答/誤答選択肢の並びとの関連の強さや類似度に基づいて部分点を与える方法を新たに提案した.2種類の提案手法,MTF 法,NM 法の4 つの採点方法について検討し,その特徴を明らかにした.その結果,これらの中では得点の段階数の多さや計算の簡便さなどからJaccard 係数法の適切さが示された.なお,採点方法により得点の値は異なるものの,高得点となる解答パタンは採点手法間でおおよそ一致していた.

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