わが国で市販されている肉類 (牛, 豚, 羊, 馬, 鹿, ウサギ, 鶏, 鴨, ウズラ及びハト), 牛副生物 (舌, 胃, 腸, 肝臓, 腎臓, 心臓及び脂身) 及び食肉加工品 (牛肉, 羊肉及び豚肉) に含まれている
トランス
酸量について分析した。
1) 和牛肉の総脂肪酸中の総
トランス
酸は1.9~6.8%であった。ばら (4.9%), サーロイン (4.2%) 及びかた (4.1%) の
トランス
酸はヒレ (2.7%), もも (3.1%), ランプ (3.4%) よりも高かった。
2) 牛副生物の総脂肪酸中の総
トランス
酸は2.7~9.5%であった。第1胃 (6.7%), 腎臓 (5.5%) 及び舌 (5.5%) の
トランス
酸含有量は, 他の副生物 (2.7~4.9%) よりも多かった。
3) 羊肉及び鹿肉の総脂肪酸中の総
トランス
酸は, それぞれ平均10.2%及び5.3%であった。他の動物肉からは少量の
トランス
酸が検出された。これらは餌に由来するものであろう。牛及び羊肉加工品の総
トランス
酸は平均4.4%及び9.0%であった。
4) 本分析のデータから, 日本人が反芻動物から摂取する総
トランス
酸量は, 1人1日当たり乳脂肪から0.24g, 牛肉から0.13gの合計0.36gと見積もられた。
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