本研究では、スマートフォンゲーム市場を対象として、市場の導入期から成熟期に至る間の新製品普及過程の変化に関して、消費者との関係性から分析している。本研究では、とくに消費者の情報探索行動に関する理論と製品普及に関する理論を援用しながら仮説を立てている。結果として、市場導入期および成熟期に関する仮説から、市場成熟期には消費者は内部探索により製品を採用すること、市場成熟期には新製品の普及に至るまでの時間が短くなることが明らかになった。とくに、製品成熟期に差し掛かる近年のスマートフォンゲーム市場においては、リリースと同時に可能な限り多数のユーザーを獲得するための垂直的な立ち上げが重要であることが定量分析から示された。また、得られた結果を活用し、本研究では成熟化した市場における製品開発・マーケティング戦略と、市場環境に対応した企業戦略の在り方について議論している。
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