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クエリ検索: "ネオジオ"
16件中 1-16の結果を表示しています
  • 東日本大震災後の事例から
    *西村 雄一郎
    日本地理学会発表要旨集
    2013年 2013s 巻 S0705
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/04
    会議録・要旨集 フリー
    1.はじめに東日本大震災以降,日本におけるGISを利用した災害支援・復興活動として,
    ネオジオ
    グラファー(NeoGeographer)とVGI(Volunteered Geographic Information)による活動が注目されている.従来,GISは専門家や研究者が地理情報を分析するためのツールとして位置づけられてきたが,GeoWebと呼ばれるインターネットを通じたデジタル地図・Web-GISサービス・アプリケーションの利用が急速に拡大し,スマートフォンなどによる位置情報サービスが普及するにつれて,専門的なGISの教育や技術を受けていない人々が広くGISを利用するようになった.こうした人々は
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    グラファーと呼ばれるようになった.また,
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    グラファーを含むさまざまな人々によって大量・主意的に蓄積・共有された地理情報はVGI(Volunteered Geographic Information:ボランタリーな地理情報)(Goodchild 2007)と呼ばれている(瀬戸2010).東日本大震災においては,安否情報の確認や災害情報の共有がTwitterなどのソーシャルメディア・携帯電話などを通じて行われ,こうした情報をGIS上で視覚化し共有するために,
    ネオジオ
    グラファーによる活動が活発に行われた.また,2010年のハイチ地震や2011年のクライストチャーチ地震などで世界的な災害支援活動を継続的に行ってきたOpenStreetMapなどの共有型の地図作成活動が東日本大震災においても行われ,被災状況の地図の作成・公開がボランタリーになされた.こういったボランタリーな活動が広がっている基礎として,FOSS4G (Free and Open Source Software for Geospatial)などの自由に利用可能な地理情報ソフトウェアの開発の進展・普及拡大によって,地理情報のハンドリングを行うための障壁が小さくなっていることが挙げられる.2.カウンターマッピングとは こうしたGISの普及や一般の人々の利用はこれまでになかった新たなGISと社会の結びつきをもたらしうる.英語圏におけるGISと社会に関するテーマのひとつとなっている参加型GIS(Participatory GIS (PGIS))(若林・西村2010)は,周縁化された人々のためのエンパワメントをその主要な目的のひとつに掲げている.すなわち,政府や大企業など,データを占有し,自らの利益に向けた計画をGISに基づき『客観的』な地図として表象しようとする動きに対して,ローカルコミュニティ,土着の人々,エスニック・マイノリティがカウンターマッピング(counter-mapping)(Peluso 1995)を行うことで,ローカルな課題解決に向けた意思決定過程での合意形成を行う手段として参加型GISを位置づけるものである.3.日本におけるカウンターマッピング 「カウンターマッピング」は従来途上国の農村を中心とする実践において主に用いられてきたが,この概念を東日本大震災後のさまざまなマッピング活動に適用することを試みたい.日本の市民参加GISは行政主導で行われてきたこともあって(西村2010),カウンターマッピングは日本において表面化してこなかった.しかし,東日本大震災以降にその状況は一変した.地震・津波による被害が広範囲にわたり,また原子力発電所の事故も発生したことで,行政からの情報公開の遅れや提供された情報の内容が住民の必要とする日常生活レベルの空間スケールと大きく離れていたなどの問題が頻発した.また,行政がGISで読み込み可能なデータを公開しない,地理情報の処理に関するノウハウが不足しているなどの問題も明らかになった.東日本大震災を契機として作成されるようになった
    ネオジオ
    グラファーによる個々人の被災状況・救援物資の過不足などの支援状況に関するマッピングの事例や福島県や関東で行われている放射線量マッピングの事例を取り上げ,日本におけるカウンターマッピングの現状と今後の課題を示したい.
  • *若林 芳樹
    日本地理学会発表要旨集
    2016年 2016s 巻 S1101
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/08
    会議録・要旨集 フリー
    日本地理学会「GISと社会研究グループ」では,参加型GIS(PGIS)を中心とした,GISと社会との接点で浮上した話題を検討してきた.このシンポジウムでは,PGISにとってのボランタリー地理情報(VGI)やオープンデータの役割,問題解決のためのジオデザインの方法論を中心にとりあげる.まず本発表では,主旨説明を兼ねて,Web2.0登場後のPGISの動きを振り返りながら,PGISをめぐる最近の議論を整理しておきたい.
    10年前にO’Reilly (2005)が提唱したWeb2.0という言葉は,もはや陳腐な表現になりつつあるが,その進化形に相当する動きはまだ現実化しておらず,むしろ最近のPGISをめぐる動きはWeb2.0の範疇にあるといってよい.様々な市民参加活動を地理空間技術によって支援する分野として1990年代から始まったPGISは,多様な主体による地理空間情報の共有や意思決定のツールとなってきた.もともとWeb2.0の特色の一つには,ユーザの参加による新たな価値の創造が位置づけられており,PGISとも親和性が高かったといえる.その結果,Google Maps/Earthなどを用いてユーザが作成した情報をWeb上で共有するGeoWebの利用が活発化した.さらに,利用・公開にあたって制約の多い既存の地図に代わって,ユーザが自由に作成・編集・利用できるwebマップとして,オープンストリートマップ(OSM)が登場した.現在では,これらをローカルな問題解決や情報共有に応用する取り組みが各地で取り組まれている.
    GISにとってWeb2.0による影響を強く受けたのは,おもにデータ収集・作成における不特定多数のユーザの参加であろう.こうした動きはクラウドソーシングという業務形態の一種であり,収集されたデータはVGIと呼ばれるようになった.この言葉が広まるきっかけとなったGoodchild(2007)論文では,WikimapiaやFlickrを用いた活動や市民科学への応用などが事例として挙げられていた.これに対してHarvey(2013)は,OSMのようなopt-inの情報と,ICタグやスマホの位置情報のようなopt-outの情報をCGI (Contributed
    geographic information)と呼んで区別し,倫理的・法的扱いがこれらの間で異なることを指摘している.また,VGIの実践がつねにPGISにつながるわけではない.
    OSMに参加するマッパーたちをTurner(2006)は
    ネオジオ
    グラファー(Neogeographer)と呼び,専門の地理学者とは異なる市民科学の担い手として位置づけた.ただし,VGIがデータの生産を目的とする活動であるのに対し,
    ネオジオ
    グラファーは,その利活用にも関わるプロシューマという性格がある.またHaklay (2013)は,
    ネオジオ
    グラファーが技術の道具主義的理解・応用をめざす点でPGISとは異なることを指摘している.
    ところで,地図はPGISにとって地理空間情報の視覚的表現手段の一つであり,必ずしも地図作成を目的とした活動ではないがVGIが地図の捉え方を大きく変えたことは間違いない.そうした変化の認識論的側面として,Dodge & Kitchin (2013)は次の4点を指摘している.(1)地図のオーサーシップ:不特定多数のユーザが参加したり,異なる地図をマッシュアップするといったWebマップの性格は,著作権の考え方にも見直しを迫るものである.(2)オントロジー(存在論):地図に示すべき地物の選択は,参加するマッパーの力関係にも影響を受ける.(3)局部性:地図作成の対象はユーザの必要に応じて選択され,地表全体をカバーすることはなく,永遠に未完成状態にとどまる.(4)制作の一過性:伝統的地図が想定するような静止した姿を描かない.ただし,これらを否定的に捉える必要はなく,むしろOSMは”自然の鏡”としての地図の虚構を明るみに出すきっかけをもたらしたといえる.
    2013年G8サミットの「オープンデータ憲章」以降,先進国ではオープンデータ化が進展しているが,これとVGIがあいまって,GIS普及のボトルネックとなっていたデータの利用環境が大幅に改善されてきた.しかしながら,PGISからみた場合,VGIには依然として,データの制作やアクセスの面で不平等な状況が残されているという.こうしたVGIをめぐる課題の背景には,専門家とアマチュア,トップダウンとボトムアップといった二項対立的見方があり,それを克服するための多元的で折衷的な解決を指向する立場も現れている.いずれにせよ,VGIをPGISがめざす現実の問題解決につなげるには,ジオデザインのような多様な主体を巻き込んだ意思決定のための方法論が必要になるであろう.
  • E-journal GEO
    2013年 8 巻 1 号 197-200
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/13
    ジャーナル フリー
  • ─世界中の市民がつくる被災地地図
    日本地図学会
    学術の動向
    2016年 21 巻 11 号 11_66
    発行日: 2016/11/01
    公開日: 2017/03/03
    ジャーナル フリー
  • 若林 芳樹
    E-journal GEO
    2016年 11 巻 1 号 339-343
    発行日: 2016/09/30
    公開日: 2016/10/11
    ジャーナル フリー
  • 奥貫 圭一, 倉田 陽平, 中谷 友樹, 貞広 幸雄, 石川 徹, 大西 宏治, 佐藤 俊明, 岡部 篤行, 岡部 佳世, 塩出 志乃, 西村 雄一郎, 森 亮, 平井 松午, 塚本 章宏, 川口 洋, 古橋 大地, 村山 祐司
    E-journal GEO
    2012年 6 巻 2 号 224-226
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/04/09
    ジャーナル フリー
  • 三宅 義明, 菅野 友美
    日本食品化学学会誌
    2019年 26 巻 2 号 84-90
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/28
    ジャーナル フリー
    In this study, we examined the characteristics of flavonoids, courmarins, and synephrine in sudaidai and hetsukadaidai, the sour citrus fruits of local special products. The contents of the compounds in juice and peel of sudaidai (scientific name unclear), hetsukadaidai (unclear), daidai (Citrus aurantium) and natsudaidai (Citrus natsudaidai) were determined using HPLC, and the quantitative values were analyzed using principal component analysis. The characteristics of the compounds in the juice and peel of sudaidai resembled those of daidai, and those of hetsukadaidai were different from those of daidai and natsudaidai, based on the scatter diagrams of the score plots. The scientific name of sudaidai was suggested to be the same as daidai (Citrus aurantium). Auraptene, an antitumor compound, was found in the peel of hetsukadaidai, although it was not found in daidai and occurred at lower content than in natsudaidai. It was abundant in the flavedo (epicarp) of hetsukadaidai. Synephrine, an adrenergic phenethylamine, was found in sudaidai at level comparable with that in daidai, although it was found at lower content in hetsukadaidai than in daidai. The antioxidative activity of the peel and juice of daidai and sudaidai was significantly higher than that of hetsukadaidai and natsudaidai (p<0.05). The activity of the albedo (mesocarp) of hetsukadaidai was significantly higher than other regions of the fruit (p<0.05). The activity was shown to have a positive correlation with the content of the antioxidant neoeriocitrin and the correlation coefficient (R) was high (R>0.9).
  • 川井 悟
    化学と生物
    2001年 39 巻 12 号 795-802
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2009/05/25
    ジャーナル フリー
  • 福田 一史, 三原 鉄也
    デジタルアーカイブ学会誌
    2022年 6 巻 s3 号 s234-s237
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/02
    ジャーナル オープンアクセス
    J-STAGE Data

    検索やデータ利活用など調査・研究のための専門分野の要求に基づく、メタデータのリッチ化は一つの論点であるが、データ作成コストが課題となる。その解決策として、オープンデータとのリンキングは有効な戦略である。ビデオゲーム分野では、オンラインコミュニティが生成するゲーム作品データセットが評価を集めており、同時にアーカイブ機関が生成する現物資料の書誌データ作成も活発化しつつある。本研究は効率的なメタデータの拡張や補完・検証を目的に、メディア芸術データベースのビデオゲームパッケージリソースと、Wikipediaより抽出したビデオゲームリソースのリンキング実践について報告する。Wikipediaのゲームタイトル一覧から情報を抽出し、メディア芸術データベースの関連するリソースを機械的にリンクさせた。その結果、多くのリソースで適切なリンクが確認できたが、Wikipediaの利用者要求や記述ルールの不統一に起因する課題と限界が明らかになった。

  • 大田 昌樹, 林 美佳, 佐藤 善之, 猪股 宏
    化学工学論文集
    2015年 41 巻 2 号 73-77
    発行日: 2015/03/20
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル 認証あり
    柑橘果皮に含まれる機能性成分の濃縮分離を目的とし,溶解度パラメータを指標とする分画法を整備した.まず,凍結粉砕した柑橘果皮より各種溶剤を用いて抽出実験を実施したところ,カロテノイドとしてキサントフィル5種とカロテン2種,クロロフィル2種,フラボノイド10種がそれぞれ同定された.各種抽剤による抽出率と溶解度パラメータの関係をプロットし,ガウス波形を用いて相関した結果,相関精度は対象とする物質に依存したがおおむね良好であった.さらに,得られた波形のピークトップを溶解度パラメータとして実験的に推定する方法論を適用したところ,上述した成分について溶解度パラメータの定量化に成功した.本法は,標準試薬が入手困難な場合の溶解度パラメータの実験的推定法として有効である.
  • 堀江 征信, 大森 英治, 金子 賢治, 広瀬 貴, 安達 英志, 熊谷 浩二
    ジオシンセティックス論文集
    2006年 21 巻 17-22
    発行日: 2006/12/07
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    本研究で扱う工法は,コンクリート二次製品である可変側溝に対して,その側壁部に専用金具を介してジオセルを取り付けることで土留め機能を付加する新しい併用工法である.コンクリート製品とジオセルを併用することにより施工性向上とコスト縮減に加えジオセル内に発生土を再利用することで残土処理量を低減することが可能である.本論文においては,提案する併用工法の確立と普及を目指して,その最適な構造と接合方法に関する検討を行うために,遠心模型実験とコンクリート製品とジオセルとの接続部強度に関する引張試験を行う.それらの試験結果の検討・考察を示すと共に,その基礎的考え方や特徴について報告する.
  • 畑山 満則, 宮川祥子, 村上 明子, 渡辺 日出雄, 古橋 大地, 藤田 翔乃
    自然災害科学
    2019年 38 巻 2 号 119-146
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/23
    ジャーナル フリー
  • *芸武田 拓也
    日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集
    2023年 2023 巻
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本発表では、現在注目を集めている e スポーツが、どのような変遷を経ながら形作られてきたかを、ゼロ年代以前のゲーム大会と比較しながら検討している。というのも、e スポーツの大会や試合の構成やルール、対戦形式などの点が、国技館や幕張メッセ等の施設を使用した、格闘ゲーム大会と類似していることが、当時のゲーム雑誌等の調査を進める上で判明してきたためである。また上述した大規模なゲーム大会以外に、当時はゲームセンターやゲームショップなどで、小規模なゲームイベントが催されていたが、こうしたイベントの要素のいくつかもまた、e スポーツに取り入れられていると、応募者は考えている。 だが、e スポーツ関連の先行研究に目を通してみると、ゲーム大会から e スポーツへの移り変わりに着目した研究があまり見かけられず、むしろ e スポーツの経済的効果や法律問題等に言及した研究が目に付く。そこで、国内におけるゲーム大会と e スポーツの歴史的変遷を、メディア研究・文化史研究の観点から行うことは、その希少性から非常に意義のあるものであると考えている。 発表の際には、当時のゲーム雑誌や業界誌の資料等を適宜参照しながら、相違点や共通する問題点等に触れ、e スポーツの発展のために、どのような事柄を過去の事例から教訓として学ぶ必要があるかに言及する予定である。
  • 金 京淑
    情報通信研究機構研究報告
    2012年 58 巻 3.4 号 165-176
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/12/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
  • 三宅 義明, 菅野 友美
    日本食品化学学会誌
    2018年 25 巻 2 号 60-69
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー
    The characteristics of flavonoids and coumarins in ten types of lemon (Lemon, Pink-lemonade, Meyer lemon, Ogasawarashima lemon, Hachijyo fruit lemon, Alen-eureka lemon, Lisbon, Vilafranca, Sweet lemon, Ponderosa) were examined. Twelve flavonoids and seven coumarins from the peel and juice of the different lemon types were analyzed using HPLC, and the quantitative values were subjected to a multivariate statistics principal component analysis. The ten lemon types were separated into four (I ~ IV) categories, corresponding to genus-species in plant classification (Citrus limon, Citrus meyeri, Citrus limetta, Citrus pyriformis), based on the scatter diagram of the score plot from the principal component analysis. Lemon, Pink-lemonade, Alen-eureka lemon, Lisbon, and Vilafranca were in category I: C. limon. Meyer lemon, Ogasawara-shima lemon, and Hachijyo fruit lemon were in category II: C. meyeri. Sweet lemon (C. limetta) was in category III, and Ponderosa (C. pyriformis) was in category IV. The characteristic flavonoids in the lemon types of category I were eriocitrin, diosmin, 6,8-C-diglucosylapigenin, and 6,8-C-diglucosyldiosmetin. Those of category III were narirutin, nobiletin, and tangeretin, and those of category IV were neoeriocitrin, neohesperidin, and naringin. Coumarins were not found in the juices but were found in the peels. The characteristic coumarins in the category I lemon types were 8-geranyloxypsolaren, 5-geranyloxypsolaren (bergamottin), and 5-geranyloxy-7- methoxycoumarin. That of the category II lemon types was 7-methoxy-5-prenyloxycoumarin, and that of the category IV types was 7-geranyloxycoumarin (auraptene). The antioxidative activity for the peel extract of the category I lemon types was the highest activity of all categories (p < 0.05) suggesting a relationship to the eriocitrin and neoeriocitrin content.
  • 中桐 裕子, 栗田 治
    日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌
    2002年 45 巻 1 号 44-63
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/06/27
    ジャーナル フリー
    本研究は,従来のモデルでは追従しきれない成長現象を記述するモデルとして,階層構造を有する成長現象の微分方程式モデルを取り上げ,考察を加えるものである.ある種の成長現象は,η種の性質を順番に取得するといった「階層的な」構造を持っている.そこで本研究では,ある段階の性質を身に付ける個体数の成長速度が,その段階および直前の段階の性質を入手している個体数に依存するという仮定を設けて,『段階的成長微分方程式モデル』を作成した.同様の仮定から,宅地化を経て市街化面積が広がる様子を上手く記述するモデル等が提案されているが,本研究では,従来の研究にはなかった多段階成長の連立微分方程式に着目して,これに一般解を与える.モデルの適用例としては,特にゲーム機の売上データを取り上げた.ハード購入希望者→ハード購入者→ソフト購入者といった階層的な構造を定式化したモデルを実データに当てはめた結果,発売直後のハード売上を再現するには,段階的成長モデルが有効であることが確認できた.更にこのモデルを応用して,値下げキャンペーンによる売上増を記述できる簡便なモデルを作成することに成功した.過去の分析例や今回の研究成果より,ゲーム機売上の記述に留まらず,他の社会現象の中にも,このモデルによる記述が有効な局面も存在するのではないかと考えられる.
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