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クエリ検索: "ノガイ"
471件中 1-20の結果を表示しています
  • バーナード フランク R.
    貝類学雑誌
    1979年 38 巻 3 号 185-204
    発行日: 1979/11/30
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
    太平洋北区を中心に分布するオオ
    ノガイ
    属Myaを左殻に殻頂下溝(月面に相当する処)があり, 外套痕が彎入と連続するMya s. str.と, 殻頂下溝を欠き, 外套痕と彎入が大きく離れるArenomyaの2亜属のに分つ。1. Mya (Mya) pseudoarenaria SCHLESCH(第7∿9図)環北極圏。2. M (M.) truncata LINNE(第10, 11, 14図)エゾオオ
    ノガイ
    環北極圏, 亜寒帯。3. M. (M.) uzenensis NOMURA & ZINBO(第12, 13, 15図)前種に似るが彎入は直角に套痕と接する。ベーリング, アラスカ湾の一部, 北海道。キタノオオ
    ノガイ
    4. M. (Arenomya) arenaria LINNE(第16, 17, 18図)オオ
    ノガイ
    , 亜寒帯。5. M.(A.) elegans (EICHWALD)(第19∿21図)ベーリング海∿アラスカ湾。
  • 家山 博史
    貝類学雑誌
    1993年 52 巻 3 号 245-248
    発行日: 1993/10/31
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
    掘足綱ツ
    ノガイ
    科2種の染色体を調べた。ヤカドツ
    ノガイ
    の核型は3対の中部付着型と7対の端部付着型染色体からなっていた。マルツ
    ノガイ
    の核型は4対の中部または次中部付着型と6対の端部付着型染色体からなっていた。
  • 小菅 丈治
    Venus (Journal of the Malacological Society of Japan)
    2009年 68 巻 1-2 号 67-70
    発行日: 2009/09/30
    公開日: 2016/05/31
    ジャーナル オープンアクセス
    ブンブクヤドリガイ科アケボ
    ノガイ
    属の一種Barrimysia siphonosomae Morton & Scott, 1989を,石垣島名蔵湾から記録した。本種は,香港の砂泥質の干潟に棲息するスジホシムシモドキSiphonosomacumanenseの巣孔内に棲息することが知られ,石垣島名蔵湾でもサンゴ片などの礫混じりの砂泥干潟に棲息するスジホシムシモドキの巣孔内より見出された。日本からは初めての記録であり,ホシムシの一種の巣孔に棲む習性とアケボ
    ノガイ
    属の一種であることに因んで「ホシムシアケボ
    ノガイ
    」の新和名を提案した。模式産地以外から初めての記録でもあり,香港から琉球列島にかけて分布することが明らかになった。2008年8月に行った名蔵湾での観察結果では,採集したスジホシムシモドキの巣孔の15~17%にホシムシアケボ
    ノガイ
    が生息していた。ホシムシアケボ
    ノガイ
    は,多くの場合単独で生息していたが,2個体の貝が1つの巣孔から見つかる例も少数観察された。
  • 波部 忠重
    貝類学雑誌
    1993年 52 巻 2 号 117-119
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
    新種Lima ogasawaraensis n. sp.オガサワラミ
    ノガイ
    (新称)はミ
    ノガイ
    Lima vulgaris (Link)に最も近似するが、殻は小形(殻高18.4mm、殻長17.0mm、殻幅(合殻)11.6mm(放射肋上の鱗状突起を含む)(完模式標本)雪白色。殻表にはミ
    ノガイ
    が20∿22本に対して17本内外の放射肋があり、肋間は肋より多少狭くて深い。肋上の鱗状突起は長くて先端は尖り反りかえる等の諸点で異なる。模式産地は小笠原諸島父島滝の浦水深約50m。
  • 波部 忠重
    貝類学雑誌
    1964年 23 巻 1 号 54-56
    発行日: 1964/05/30
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
  • 蟹江 康光, 坂井 民江
    貝類学雑誌
    1997年 56 巻 3 号 205-220
    発行日: 1997/10/31
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
    北海道中央部に分布する前期白亜紀の後期アルビアンの前期(106 Ma), と三浦半島の中央部に分布する中期中新世初期(15 Ma)の地層から産出した, ともに良く似るスエモ
    ノガイ
    科の二枚貝化石を検討した。三浦半島の葉山層の粘土岩から採集された化石は, Shikama(1968)によってThracidora giganteaと命名された。しかし, 本種は殻が非常に大きく(殻長約140 mm), 厚く, 殻頂が中央にあり, その外形は楕円形で, 殻の後端に切断面がない, という特徴はワタゾコスエモ
    ノガイ
    属Thracidoraと大きく異なることから, 本属は同属に含まれない, との結論に達した。一方, 北海道三笠市の幾春別川支流の奔別(ぽんべつ)川の中部蝦夷層群下部のシルト岩から採集されたスエモ
    ノガイ
    科化石は円形に近い楕円形で, 三浦半島産の化石よりさらに大型(約180 mm)で, 厚い殻はよく膨らんでいる。この2種類のスエモ
    ノガイ科化石はスエモノガイ
    科の中で形態が特異であるので, これらをスエモ
    ノガイ
    科の新属としてNipponothracia属(ニッポンスエモ
    ノガイ
    )を提唱する。北海道の白亜紀(106 Ma)の新種N. ponbetsensisと三浦半島の中新世(15 Ma)のN. giganteaは両種とも泥岩中から合弁で産出し, 周辺に炭酸塩のコンクリーションを伴う。Nipponothracia属は, 化学合成細菌を体内に共生させていることが知られているSolemya属, Calyptogena属, Conchocele属と共産しているので, Nipponothracia属もこれらの属と同様の生態をもつ化学合成動物と考えられる。
  • 木村 一磨, 藁谷 崇史, 足立 賢太, 奥村 誠一
    Venus (Journal of the Malacological Society of Japan)
    2013年 71 巻 1-2 号 109-112
    発行日: 2013/01/31
    公開日: 2016/05/31
    ジャーナル オープンアクセス
    オオハネガイAcesta goliathは,ミ
    ノガイ
    目,ミ
    ノガイ
    科に属する二枚貝である。本種は,進化の過程で殻の形態が保持されてきたとされる生物学上重要種である。本研究では,知見の乏しいミ
    ノガイ
    目における染色体核型知見の蓄積に資するため,本種の染色体数・核型を調査した。鰓組織を用いて染色体標本を作製し,中期分裂像を得た。染色体数は2n = 40であり,次端部動原体型5対,端部動原体型15対から構成されていた。この染色体数は,本種が属するウグイスガイ亜綱の中で最大であり,また,他種と比べて端部動原体型染色体を多く持つことから,核型進化においても本種が原始的な特徴を保持していることが示された。
  • 波部 忠重
    貝類学雑誌
    1964年 23 巻 3 号 140-142
    発行日: 1964/11/20
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
  • *淺原 良浩, 吉田 英一, 山本 鋼志, 勝田 長貴, 南 雅代, Metcalfe, Richard
    日本地球化学会年会要旨集
    2020年 67 巻
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/01/29
    会議録・要旨集 フリー

    堆積岩中に普遍的に見られる炭酸カルシウムのコンクリーションは,内部に化石を含むものだけでなく,化石を含まないものもある.化石を含むものであればその地層の年代決定に活用できるが,化石を含まない場合,年代決定は困難である.本研究では,石灰岩層などの年代決定に広く用いられているSr同位体層序を,炭酸カルシウム(CaCO3)を主成分とするコンクリーションに適用し,その堆積年代の決定を試みた.試料は,富山県八尾地域の中新統黒瀬谷層に産出するツ

    ノガイ
    化石を含むコンクリーションと化石を含まないコンクリーションを用いた.コンクリーションのカルサイト部分とツ
    ノガイ
    の貝殻部分(アラゴナイト)に含まれるSrの同位体比を測定し,海水Sr同位体変動曲線との対比からそれぞれのSr同位体層序年代を求めた.

  • 岩崎 泰頴
    日本古生物学會報告・紀事 新編
    1975年 1975 巻 99 号 143-155
    発行日: 1975/09/20
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    小笠原諸島母島に分布する, 始新統の含貨幣石砂岩及び祖粒でやや石灰質の堆積岩から産出する貝化石のうち, かつてミ
    ノガイ科ミノガイ
    属の二枚貝として記載され, 左右不等殻であることを特徴としたメオトミ
    ノガイ
    は, 新たに検討を加えた〓歯の形状なども含めて, ウミギク科の種の形態的特徴に共通する点が多い。また殻の形態がヨーロッパ上部白亜系産のSpondylus spinosus (SOWERBY, 1812)に著しく類似することから, 同様な機能形態を有し似たような環境に適応したと考えられるが, 直接, 系統的に結びつく資料はない。棲息時の形態を復元し再記載する。同時に採集されたアマオブネ科の1種と思われる巻貝については, 始新統に特有のVelatesよりもむしろ現存するカノコガイ類に近い形態が認められる。しかし現生の同類より大形であり, 保存状態がよくないので属種名は確定していないが, 現状を概略記載する。両種とも殻の内層に相当する霰石層は溶脱し, 表面の方解石層のみ保存されているので, 形質の一部が失われており, かつ見かけの殻は薄くなっている。
  • 山崎 真治, 藤田 祐樹, 片桐 千亜紀, 黒住 耐二, 海部 陽介
    Anthropological Science (Japanese Series)
    2014年 122 巻 1 号 9-27
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/06/24
    [早期公開] 公開日: 2014/03/13
    ジャーナル フリー
    2012~2013年に沖縄県南城市サキタリ洞遺跡調査区IのII層(約16400~19300 BP[未較正])を発掘し,人骨2点(臼歯1点と舟状骨1点)とともに39点の断片化した海産貝類を検出した。先に報告したI層出土のものと合わせ,計47点にのぼる海産貝類は,人為的に遺跡近辺に運搬され,埋没したものと考えられる。II層由来のマルスダレガイ科(マツヤマワスレ[Callista chinensis]・ハマグリ類[Meretrix sp. cf. lusoria]),クジャクガイ[Septifer bilocularis],ツ
    ノガイ
    類[“Dentalium” spp.]について組成や形状,割れ方について記載するとともに,微細な線条痕および摩滅・光沢を観察したところ,マルスダレガイ科の破片には定型性が認められ,二次加工と考えられる小剥離痕が高い頻度で見られた。また,特定の部位に使用痕や加工痕と推定できる摩滅・光沢や線条痕が観察できることから,少なくともその一部は利器として使用されたと考えられる。また,クジャクガイの一部にも,使用痕と見られる線条痕や損耗が観察できた。ツ
    ノガイ
    類は,産状から装飾品(ビーズ)として用いられた可能性が高く,その一部には人為的な線条痕が観察できた。以上のことから,II層出土の海産貝類の少なくとも一部は,利器・装飾品を含む道具(貝器)として使用されたものと考えられる。II層出土の人骨と合わせて,こうした貝器の存在は,サキタリ洞での人類の活動痕跡が,少なくとも16400~19300 BP にまで遡ることを示している。
  • *櫻井 和彦
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2007年 2007 巻 O-179
    発行日: 2007年
    公開日: 2009/01/30
    会議録・要旨集 フリー
  • 吉田 英一
    地質学雑誌
    2023年 129 巻 1 号 1-16
    発行日: 2023/01/26
    公開日: 2023/01/26
    ジャーナル フリー

    ‘コンクリーション’とは,堆積岩中に産出する塊状(主に球状をなす)岩塊のことを指し,炭酸塩,シリカや酸化鉄を主成分とするものが多い.その中でもとくに炭酸塩を主成分とするコンクリーションは,保存良好の生物の化石を内包することが多く,古くは一世紀以上も前から記載・研究がなされてきた.これまでの研究から,炭酸カルシウム球状コンクリーションの形成は,有機炭素のまとまった供給が可能となる大型の生物が出現して以降の海性堆積層中で生じる現象であり,大型の生物が出現して以降の地質時代を通しての普遍的なプロセスと言うことができる.本論では,これらの産状や成因,形成プロセスについてこれまでの研究成果をもとに述べるとともに,コンクリーション化プロセスを応用・開発した‘シーリング素材’及び,その素材を用いた実地下環境でのシーリング実証試験の現状・結果について紹介する.

  • 常陸宮 正仁, 波部 忠重
    貝類学雑誌
    1972年 31 巻 1 号 1-3
    発行日: 1972/06/30
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
  • 波部 忠重
    貝類学雑誌
    1977年 36 巻 1 号 48-49
    発行日: 1977/05/15
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
  • 貝類学雑誌
    1996年 55 巻 2 号 144-146
    発行日: 1996/06/30
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
  • 今福 道夫
    Crustacean Research
    1993年 22 巻 35-43
    発行日: 1993/11/10
    公開日: 2017/05/15
    ジャーナル フリー
    体内の不相称として胸動脈が消化管のどちら側を通るかを,長尾類,異尾類,短尾類で,とりわけ鉗の不相称との関係に注目して調べた.調査の結果,血管の偏りは鉗の不相称とは関係しないことが分かった.クルマエビ,テッポウエビ,アナジャコおよび短尾類では,この血管の左右への偏りにほぼ等しいばらつきがみられたが,巻貝の殻を利用するヤドカリの仲間では,胸動脈のひたすら左側への偏りがみられた.胸動脈の左への偏りはタラバガニ科のヒラトゲガこでも認められたが,ツ
    ノガイヤドカリ科のツノガイ
    ヤドカリでは認められなかった.胸動脈が左へ偏る傾向はウミザリガニとアメリカザリガニでも観察されたが,逆の傾向がイソカニダマシで見つかった.
  • 波部 忠重
    貝類学雑誌
    1964年 23 巻 1 号 56-57
    発行日: 1964/05/30
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
  • 吉村 昇
    日本醸造協会誌
    1991年 86 巻 10 号 730-735
    発行日: 1991/10/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    殺菌法については従来よリ広く火入れ法が用いられてきたが, 温度条件によっては香味バランスの変化や残存生菌による影響等, 小ロット・多様化製品の殺菌法としては種々の問題が含まれている。この問題点を解決できるような, いろいろな殺菌方法の導入が検討されている。今回, 常温下で処理できる磁気と磁性体粉体を用いた実験室レベルでの酵母の殺菌効果及びミニプラントを作成した場合の実用的なレベルでの使用可能性について解説していただいた。
  • *淺原 良浩, 吉田 英一, 南 雅代, 山本 鋼志, 勝田 長貴
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2021年 2021 巻 S1-O-7
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/05/31
    会議録・要旨集 フリー

    炭酸カルシウム(CaCO3)を主成分とする炭酸塩コンクリーションは海成堆積岩に普遍的に産出する.炭酸塩の炭素同位体組成(δ13C),コンクリーション周辺の堆積構造,コンクリーション成長モデルなどから,これらの炭酸カルシウムは,内包される生物の軟体組織部分を起源とする炭酸(HCO3)と堆積物中の間隙水に含まれる海水中のカルシウムイオン(Ca2+)が反応し,堆積後数ヶ月〜数年の短期間に急速に形成されたことが明らかになっている1,2.この炭酸カルシウムは,海底下の地層中で成長する際,Caと化学的挙動が類似したストロンチウム(Sr)も海水中から取り込む.一般に,海成炭酸塩(岩)に含まれるSrの同位体比(87Sr/86Sr)は,過去の海水のSr同位体比の変動曲線3との対比に基づき,堆積年代を推定することに利用されている(Sr同位体層序年代).コンクリーション中の炭酸塩に含まれるSrは,続成作用や変質作用の影響が小さければ,堆積当時の海水中のSr同位体比を保持することとなり,年代指標に成り得ると考えられる.本研究では,石灰岩層などの堆積年代の決定に用いられているSr同位体層序を,炭酸塩コンクリーションに適用し,その有効性について検討した.

     試料は,富山県八尾地域と宮崎県の宮崎平野〜鵜戸山地に広がる宮崎層群に産出するコンクリーションである.八尾地域の中新統黒瀬谷層に産出するツ

    ノガイ
    Fissidentalium spp.)化石を含むコンクリーション(6試料)と化石を含まないコンクリーション(5試料),ツ
    ノガイ
    の貝殻部分(4試料),新第三紀中新世(約1100万年前)〜第四紀更新世(約150万年前)の海成層(宮崎層群)に産出するコンクリーション(13試料)を分析に供した.コンクリーション中のカルサイトを希酢酸で溶出させ,カルサイトフラクションから陽イオン交換樹脂カラムでSrを単離した.Sr同位体比は名古屋大学の表面電離磁場型質量分析計VG Sector 54-30で測定した.

     分析の結果,八尾地域のツ

    ノガイ
    化石を含むコンクリーションのカルサイト部分の 87Sr/86Srは0.70865–0.70867とほぼ一定であり,ツ
    ノガイ
    の貝殻部分の87Sr/86Sr = 0.70865–0.70868とも一致した.また,化石を含まないコンクリーションのカルサイト部分の 87Sr/86Srは0.70865–0.70868であり,これらもツ
    ノガイ
    の貝殻部分の値と一致した.Sr同位体層序年代を求めたところ,ツ
    ノガイ
    の貝殻部分の年代は16.86±0.34 Maであり,ツ
    ノガイ
    化石を含むものと含まないものの両グループの 87Sr/86Srの平均値から求めた年代は17.02±0.27 Maであった4.このコンクリーションのSr同位体層序年代は,珪藻化石層序・古地磁気層序(15〜17 Ma)5や凝灰岩層のジルコンのU–Pb,FT年代(16.4±1.2 Ma〜17.6±0.3 Ma)6などから得られている堆積年代とも一致している.これは,炭酸塩コンクリーションが地層の堆積直後に形成されたことを示しており,堆積直後に急速にコンクリーションが形成されたというこれまでの研究結果とも矛盾しない.

     一方,宮崎層群のコンクリーションのSr同位体層序年代は,化石層序などから得られている堆積年代と大きく異なる年代値となった.すなわち,宮崎層群の炭酸塩コンクリーション中のSrは堆積当時の海水のSr同位体比を反映していない.また,八尾地域のコンクリーションのδ13CVPDB値は–19.2〜–15.9‰と低く,生物の軟体組織部分を起源とする炭素成分を示唆しているが1,宮崎層群のコンクリーションのδ13CVPDB値は–6.5〜+1.1‰と高く,海水の無機炭酸を起源とする炭素成分を示唆している.ストロンチウムと炭素の同位体組成の結果は,宮崎層群のコンクリーションのカルサイト部分の起源物質が八尾地域のコンクリーションとは異なっていることを示しており,コンクリーション形成時の間隙水の性質の違い,形成後の変質の程度の違いなどを反映している可能性がある.

     本講演では,炭酸塩コンクリーションの産状,微量元素組成のデータも併せて,Sr同位体による年代決定が可能な炭酸コンクリーションの選別についてさらに議論する.

    1 Yoshida et al., Sci.Rep. 5, 14123 (2015); 2 Yoshida et al., Sci.Rep. 8, 6308 (2018); 3 McArthur et al., In: The Geologic Time Scale 1, 127-144 (2012); 4 Yoshida et al., Sci.Rep. 9, 1003 (2019); 5 柳沢, 地調月報 50, 139-165 (1999); 6 中嶋ほか, 地質雑 125, 483-516 (2019)

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