8人の女子大生を対象に日常の食物摂取状況調査を行うとともに, 5種類 (遊園地, 寒冷暴露, 連続計算, 小旅行, 栄養指導作業) のストレス負荷になると思われる作業を行い, その際の自覚症状数や尿中カテコールアミン排泄量, 心拍数等を調査した。その結果は以下のとおりである。
1) 自覚症状数は日常のレベルに比べて連続計算では多く, 小旅行では少ない。また尿中カテコールアミン排泄量は遊園地で高く, 次いで小旅行, 連続計算の順である。
2) 日常の栄養摂取状況が比較的良好なグループでは, ストレス負荷に伴う尿中カテコールアミン排泄量は多く, 自覚症状は逆に少ない傾向がみられた。
3) 栄養摂取量と尿中カテコールアミン排泄量及び自覚症状数との相関関係では, ストレス負荷日に
ノルアドレナリン
, アドレナリンの排泄量ともビタミンB
1, B
2, Cの摂取量との間にそれぞれ有意の正相関が認められた。
4) ストレスの種類別にみると, 連続計算で
ノルアドレナリン
及びアドレナリンの排泄量が, 遊園地で
ノルアドレナリン
排泄量が, ビタミンB
1, B
2, Cの摂取量とそれぞれ有意の正相関を示した。なお, カルシウムの摂取量は, 遊園地でアドレナリン排泄量と, 小旅行で
ノルアドレナリン
排泄量との間でそれぞれ正相関がみられた。
5) 食品群別摂取量との関係では, 緑黄色野菜と果実の摂取量が
ノルアドレナリン
及びアドレナリンの排泄量と, 魚介類, その他の野菜が
ノルアドレナリン
排泄量とそれぞれ正相関が認められた。
6) ストレス負荷時の心拍数の変化を遊園地及び連続計算で観察したが, 遊園地ではかなり心拍数の増加が認められたのに対し, 連続計算では全く変化はなかった。
抄録全体を表示