ステンレス繊維およびポリテトラフルオロエチレン (PTFE) 繊維を用いて湿式抄造法でシート化し, さらに焼結して100%のステンレス繊維シートおよびPTFE繊維/ガラス繊維混抄シートを開発した。この2つの多孔質シートの応用として, 高周波数に対応した電子材料への商品化の例を紹介する。
まず, ステンレス繊維シートは, 電磁波シールド材に応用した。本シートは, 電磁波シールドなど電気特性だけでなく, 薄さ, しなやかさなど優れた特長をもつ。そこで, 本シートに導電性・難燃性の接着剤を付け,
ノートパソコン
のFPCタイプのインターフェイスケーブルに組み込んだ例を取り上げた。
また, PTFEは電気特性, 耐熱性, 耐薬品性, 難燃性, 化学的安定性などに優れた絶縁材料である。湿式抄造法による薄くて地合いが均一なPTFE/ガラス繊維混抄シートを開発した。ここでは, 絶縁基板の低誘電率化と薄葉化を目的に, 主にプリント基板芯材への応用例を述べる。本シートは, 従来のガラスクロスを芯材にしたものに比べて銅張り表面が平滑になり, 微細な回路に適した特徴がある。
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