生体の細胞外マトリックスを構成する成分であるコラーゲンは,天然の生分解性物質であり,その変性物であるゼラチンは古くから食品としても摂取されてきた.タンパク質としてのコラーゲンの特徴は,形態および性質がさまざまに変化することである,変性状態では,低温で透明なゲルとなる.一方,3本らせんを巻いた棒状分子である未変性コラーゲンは中性低温では粘稠で透明な溶液であるが,生理的な温度まで暖めると,生体でみられるものと同様な周期のバンドをもった線維が形成される.コラーゲンの応用は,もともと生体由来タンパク質であることから食品のみならず,化粧品,医療材料などに広がっている.
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