末端官能基として水酸基をもつ液状ポリブタジエンを架橋する際, 補強性充てん剤を加えジイソシアナートにて鎖延長及び架橋を行わせるのが一般的であるが, この際, イソシァナートは空気中並びに充てん剤中の水分により消費される可能性がある.本研究は, 充てん剤中の水分及び充てん剤自身がどのようにイソシアナートを消費するかについて検討した.その結果, 次のことがわかった.1.極性溶媒中, 充てん剤の吸着水に対するイソシアナートの反応率は, 水に対するイソシアナートの反応率にほぼ近い.2.非極性溶媒中, 充てん剤の吸着水に対するイソシアナートの反応率並びに水に対するイソシアナートの反応率は, 極性溶媒中でのそれぞれの反応率より小さい.水とイソシアナートの反応では, 電子求引型触媒の添加効果は大きいが, 電子供与型触媒の添加効果は小さい.充てん剤の吸着水とイソシアナートとの反応では, 電子求引型触媒でもその添加効果は小さい.3.非極性溶媒中で, 湿式シリカ, ISAF-HSブラック, HAF-LSブラック, リードクレー並びに軽微性炭酸カルシウムなどはイソシアナートを消費する.
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