本研究は,
バトン
トワリング日本代表選手6名(男3,女3)を被験者として,キャッチング課題遂行中に計測した眼球運動データに基づき,
バトン
のキャッチングにおける視線行動を明らかにすることを目的とした.被験者は前方から矢状面内で回転をともなって投げられた
バトン
をキャッチする課題と,統制条件としてボールのキャッチング課題(5 m,7 m)を行った.眼球運動は,頭部に装着したアイマークカメラ(右眼)を用いて計測した.視線解析の結果から,
バトン
のキャッチング課題では,視線をリリースからおよそ100 ms後に
バトン
に移動させ,
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の下側と中心エリアを走査した後,中心エリアを追視する追跡眼球運動がみられた.これは
バトン
のキャッチングにおける,ボールとは異なる特徴的な視線行動である.これによって必要な視覚情報を収集し,
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と手が接触するまでの時間を予測判断していることを示唆した.
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