表面塗工薬品は歩留りがほぼ100%であるごと, 紙表面に直接作用することで, 紙製品の多様化と高付加価値化, 印刷方式の多様化, 高速化に対応が可能でその役割はますます重要になってきている。表面塗工剤としては澱粉 (酸化, 自家変性), PVA, ポリアクリルアミド (PAM) が使用されており, サイズプレス, カレンダー系として澱粉/PVA/PAM=20/17/5固形千t/年 (1995年) が使用されている。これらの内でPAMは種々の特性があり, その市場は伸びてきている。
PAM塗工剤:
従来のPAM系塗工剤の分子量は30-50万程度であったが, 分子量をアップさせることで強度向上が確認されている。最近では分子量30-50万の従来品, 80-100万の中間品, 200-300万の高分子量品の3種が市販されており, 用途, 機種に合わせて使い分けが実施されている。また新聞対象として紙力と同時にサイズ性も付与出来る塗工剤の開発も進められている。
インクジェット (IJ) 適性向上剤:
パソコンの普及に伴いカラーIJプリンターが急激に増加している。一方, 記録媒体としての用紙についてはモノクロのIJプリンター共用紙, PPC用紙, 専用紙が混合使用されている。カラーIJ記録用紙としては専用紙が使用されるが, コストが高く, 嵩のはった紙となり使用しづらい欠点があり, フルカラーIJ適性を持った普通紙の開発が望まれている。
当社では, 種々の検討を実施し, インキの浸透を適度にコントロールし, 画像濃度を向上させることの出来る塗工剤CJ-1100を開発した。
CJ-1100を塗工することで染料が紙に固着され, 再溶解しないことで画像の耐水性が良く, 発色性にも優れた結果が得られるものと考えている。
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