東京港では,2013年の東京五輪開催決定を契機に,人員輸送と観光の両立が可能な水上交通に期待が高まっている.この水上交通は,海上を船で移動しながら港湾施設や都市が織りなす水辺特有の非日常的景観を享受できる等,他の交通機関にはない魅力を有している.しかし,こうした海上景観の昼夜間における魅力形成に資する景観的特徴とその成立要件は明らかにされていない.そこで本研究では,水上交通を活用した海上景観の魅力形成に資する景観的特徴を捉えるため,乗船者が好ましいとした海上景観要素とその評価理由からみた5つの海上景観特性について人間の視知覚特性である視距離と視野角を用いた定量分析を行うとともに,海上景観特性ごとの昼夜比較分析を通じてみた景観的特徴を明らかにした.
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