神経筋疾患患者や重症心身障害児 (者) では, 呼吸障害, 特に下気道感染の管理が生命予後を規定する.近年, 肺内
パーカッション
ベンチレータ (以下IPV) が治療用呼吸器として開発され, 肺線維症・慢性閉塞性疾患・神経筋疾患などへの急性期治療効果が示されている.今回, 我々は呼吸障害を呈する重症心身障害児 (者) へ急性期治療と健康管理を目的としてIPVを使用し, 治療効果と問題点を検討した.IPV使用により急性期の肺炎・無気肺に1回換気量TV・SpO2・胸部単純XP・肺CTの改善を示す例を認めた.開始前のSpO2が90%未満の群では, 有意な改善を認めた.以上よりIPVは急性期の治療機器として有用と考えられる.また, 6例において, 感染症罹患頻度を後方視的に調査し, 改善3例・維持3例であった.症例は少ないが慢性呼吸不全の悪化を予防する可能性が示唆された
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