枝豆茎葉残渣サイレージ(GSS)をヒツジに単独給与し,消化特性を評価するとともに,原料への廃シロップ添加が発酵品質,栄養価および第一胃内容液性状に与える影響を調査した。供試飼料は無添加GSS(N-GSS),廃シロップ4%w/w添加GSS (T-GSS)およびアルファルファヘイキューブ(ALF)とし,これをラテン方格法配置による去勢雄ヒツジ6頭を用いた全糞尿採取法消化試験により比較した。T-GSSはN-GSSと比較して乳酸含量が高く(1.96% vs. 1.19%),酪酸含量が低下し(0.06% vs. 0.78%),廃シロップの添加により品質が改善された(p<0.05)。乾物消化率は,ALFとT-GSSがともに60.1%であり,N-GSS (56.7%)より高かった(p<0.05)。乾物中の可消化粗タンパク質含量は,N-GSSで10.9%, T-GSSで11.9%, ALFで12.4%であった。乾物中の可消化養分総量はT-GSSで61.8%となり,ALF (57.1%)よりも高かった(p<0.05)。窒素出納量は飼料間で差がなかった。第一胃内容液pHはALFにくらべてGSSを給与したヒツジで飼料給与後に高く推移した(p<0.05)が,サイレージの処理間では差がなかった。また総揮発性脂肪酸濃度および揮発性塩基態窒素濃度は飼料間で差がなかった。以上のことから,GSSはALFとほぼ同等の栄養価を持ち,廃シロップの添加により発酵品質と一部の成分消化率が向上することが確認された。
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