小学校における刃物の扱いに関するアンケート調査をおこない1,196人から回答を得た。集計、分析の結果、小学校における刃物の扱いの実態に特段の地域差は認められないこと。戦後時代とともに変化してきたこと。その変化は、社会の変化と強く関係している一方で、学習指導要領とはあまり関係していないこと。刃物によるケガの発生頻度は、児童の日常から刃物を遠ざけたことに伴って高くなったこと。刃物によるケガが図画工作嫌いの児童を生じさせる一因になっていること。刃物によるケガの一因に教科書が示す「おかしな教え」があることなどが明らかになった。今後の課題は、安全指導の適切化と、刃物への責任感を育む教育をいかにおこなうかである。
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